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top[2005/04/20] レッドパージ:「世間の目」 とは違った現実花輪ともふみ議員(民主党)の発言

花輪ともふみ議員の発言 http://www2.gikai.metro.tokyo.jp/よりの引用

2004.12.13 : 平成16年文教委員会
87 : ◯花輪委員
 私の方からは、まず学則のことについて少しお尋ねさせていただ きたいと思います。
 この大学は、首都大学東京という新しい大学と、いわゆる都立大学そのもの は二〇一〇年までは一緒に並立してあるというようにお伺いしておりますが、 今いる学生さんの教育上の問題とか、難しい言葉でいえば学生さんたちの身分 保障みたいなものを含めて、学則というのが大きな役割を持ってくるのかと思 いますが、新しい学則というのはもうできていらっしゃるんですか。

88 : ◯紺野参事
 来年四月の法人の設立に伴いまして、新大学首都大学東京ととも に、現在の都立の四大学もあわせて法人化されることになります。このため、 新大学及び現大学の学則を含めた現在の大学のさまざまな規程につきましては、 すべて法人の規程として新たに整備する必要がございます。
 現在、都立四大学の法人化後の学則につきましては検討中でございまして、 現大学の意見も聞きながら内容を整理していきまして、法人設立とともに法人 が学則を含めた諸規程を定めること、こういうことになるものと考えておりま す。

89 : ◯花輪委員
 今、まだ決まっていらっしゃらないというようなことでした。
 今回、今ある都立大学を廃止する条例も出ているわけですね。今都立大学に 学んでいらっしゃる方、本当に大丈夫なのかなとやっぱり心配されていると思 うんですよ。自分たちが今学んでいることがそのまま引き続き学べるんだろう か、自分たちの立場は本当に変わらずにいられるんだろうか、学則がどんな学 則になるか心配だと思うんですね。
 今決まっている段階でいいんですが、例えば履修方法とかカリキュラムとか、 さまざまな、学生さんの身分保障を含めて、今ある東京都立大学の学則と、新 しく法人化された後の、これも東京都立大学の学則というのかな、それと何が どう変わってくるのか、どういう視点で変わってくるのか、そのあたりをご説 明いただけますか。

90 : ◯紺野参事
 法人化によりまして、地方独立行政法人法に基づいて新たに教 育研究審議会が設けられるなど、大学運営の組織や進め方が今までと異なった ものになってまいります。したがいまして、新しい学則ではそうした部分を反 映させていく必要がございますので、組織運営の部分を中心に学則の内容を変 更するということになろうかと考えております。
 なお、学生さん方の教育内容を規定している部分や、先生お話しの学生の身 分保障に関する内容を規定している部分については、いわゆる教育保障の観点 から、基本的には現在の学則の内容を引き継ぐものになると考えておるところ でございます。

91 : ◯花輪委員
 例えば院で学んでいる方々なんかは、研究そのものとか研究さ れている先生、そういう方について学びたいからこの大学に来た、この院で学 んでいるという方が多いと思うんですが、そういう方々に対して、二〇一〇年 まで心配しないで学べるんだよといい切って大丈夫なんですか。

92 : ◯紺野参事
 現在の都立の大学あるいは大学院で勉強されている学生さん方に 対しては、教育保障の見地から、安心して勉強を進めていただけるように引き 続き環境整備に努めてまいりたいと考えております。

93 : ◯花輪委員
 ぜひそのあたりしっかりと心配ないように、説明することも説明 をして、実際にもそういう仕組みでつくっていっていただければというふうに 思います。
 次に、定款についてちょっとお尋ねをしたいと思うんですが、今、村上さん の方からもいろいろとお話がありました。この図で見ますと、経営審議会、経 営に関する事項を経営審議会がやる、教育研究審議会、教育研究に関する重要 事項を審議する、この二つがあるんですね。要は、大学というのは、今まで教 授会というのがある意味、学校の運営その他もろもろに関して大きな意味では 判断をして議論をしてきたと思うんですが、その教授会が線では全然つながっ てない、何かこの辺にぽんと置かれているんですね。点々で囲まれて、何だか 非常に、どこに教授会が位置するのかなというのはこの図から見ると非常にわ からないわけですが、今回この定款に載ってくるこのあたりの教育研究審議会 とか経営審議会、そういうのと教授会というのはどういう関係になってくるん でしょうか。

94 : ◯宮下参事
 教育研究審議会は全学的な教育研究に関する重要事項を審議する ということで、教授会におきましては、部局ごとの教育研究に関します重要事 項を審議するというふうにご理解いただければと思います。

95 : ◯花輪委員
 いまひとつご説明が、私が頭が悪いのか、理解できないという か、見えてこないのですが、要は、教育、例えば教員の人事とか、さまざまな ことを今まで教授会が大体審議して決めてきたわけですよ。そういう意味でい うと、これからは、一体教授会は、逆にいえば、どういう責任を教学上の観点 とか教員人事の部分で果たしていくんですかね。もう教授会というのは、そう いう意味でいうと何の責任もない、また、ある意味そういう権限もないような ところに置かれてしまうんでしょうか。

96 : ◯宮下参事
 教員の人事の話がございまして、それは今まで教授会あるいは 評議会等で審議してきたというのは事実でございます。それは、教育公務員特 例法という法律がございまして、それに基づいて教授会等で人事について審議 して決定するということでございましたが、今度法人化いたしますと、その教 育公務員特例法が適用されなくなります。それにかわって地方独立行政法人法 で、経営審議会あるいは教育研究審議会で重要事項を審議して、最終的には、 人事に関しましては、教員については学長の申し出に基づいて理事長が任命す る、こういう形になります。
 したがいまして、人事に関してはそういう形になりまして、それを除く審議 事項については、教授会はこれまでと同様というふうにご理解いただきたいと 思います。

97 : ◯花輪委員
 若干不安なのは、先ほど大学の自治はどう担保されるのかという ようなこともありました、その大学の自治とか学問の自由とか、そういうのが 本当に担保されるのかなというのが非常に不安なんですね。
 なぜかというと、確かに東京都が税金を投入してつくっている大学です。経 営者のトップは理事長さん、理事長さんは知事が任命するということになって います。ただ、学問というのは、時の権力から好まれない学問をするときもあ るわけですよね。戦前なんかは、恐らく時の権力から好まれない学問はさせな いようにさせないようにと、あの手この手を使って大学の自治を、学問の自由 を抑え込んでいったという歴史があります。今はこれだけ平和な時代です。そ ういう暴走するような権力も急には来ないだろう、そういう安心があるのかも しれません。ただ、我々がいつも考えなきゃいけないのは、もしそういう非常 に乱暴な権力者があらわれてしまったときにも、しっかりと学問の自由とか大 学の自治というものが守られるようなことが担保されなきゃいけないな、私は いつもそういう不安に、こう考えています。
 今回、特に都立大の場合は、若干そういう部分が大丈夫かなというふうに不 安に思っているんですが、そのあたりはちゃんと担保されるんでしょうか。    〔「三、四十年前の全共闘の議論みたいだな」と呼ぶ者あり〕

98 : ◯宮下参事
 教授会の人事権等につきましては先ほどご答弁したとおりでご ざいますけれども、特にご心配の学問等の自由の関係で、教員の人事、どうい う方式でということでございますが、人事につきましては、いろいろな事項が 多岐にわたりますので、先ほど申し上げましたとおり、人事委員会、それから 教員選考委員会等を設けて対応しようと考えております。
 その教員選考委員会で具体的な教員の選考を行いまして、学長の申し出によ り理事長が任命するということになるわけでございますが、教員はその人事委 員会あるいは教員選考委員会の構成員となりますので、学生教育あるいはカリ キュラム編成を考慮した教員の選考を行い得る仕組みとなります。

99 : ◯花輪委員
 三十年前ぐらいに全共闘が議論したという話を今お伺いしたんで すが、私はまだ子どものころだったかというふうに思いますが、逆に、平和ぼ けをしないで、そのあたりの緊張感はいつも持っていることが私は大事だとい うふうに考えております。
 あと、ここからはちょっと意見とさせてもらいますが、さっき、これから全 入時代に入っていく、そういう中で、ほかの大学との競争、そういうものに勝 ち抜くためには経営の観点が必要だというようなお話がありました。
 私は、公の大学とは一体何をするべきなのかなといつも思うんですね。ほか の大学と競争していくのが公の大学の役割だろうか。いや、私は、そうじゃな くて、逆にいえば、普通の大学がしないような、いわゆるお金にならないとか、 そういうような意味の、というような学問をしっかりと地道に研究していくの も公の大学のする役割なのかなというふうに考えています。ですから、公の大 学がビジネススクールをしたり、またその他、法科大学院なんかもするのは、 本当はそれで正しいんだろうか、いいんだろうか、官と民の役割分担でいえば、 もしかして民業圧迫になるんじゃないか、そのようにも危惧を覚えたりいたし ます。
 ですから、ぜひ公の大学の役割とは何かということを皆さんにもいつも考え ていただいて、民間と、私学と競争するのが公の大学の役割ではない、そのあ たりもぜひご理解をいただければ、そんなふうに考えております。
 あともう一つ、請願でA類、B類のことが出ておりました。私は実は東京都 立大学のB類の卒業生でございます。当時はまだ八雲に大学があった時代です。 今からちょうど二十年近く前になりますが、都立大学が南大沢に移転するとい うときに、私たちは大反対運動をしました。駅前で署名したり、いろいろなと ころに行って署名活動をしておりました。なぜかというと、都立大学が南大沢 に行ってしまえば、間違いなく都心で働く者は南大沢まで通えるわけがないわ けですね。ですから、B類はそのものの意味がなくなるのではないか、そうい う思いも込めまして反対運動をしました。
 当時は、区役所に勤めている方、外務省に勤めている方、また税務大学校な んかに行っているやつもいましたし、普通の民間企業に行っているやつもいま した。私も、ちょうど父が病に伏せって仕事をしていなかったもので、都立大 学に行かせていただいて、朝七時半から四時ぐらいまで働いた後に学校に、六 時十五分からの授業に参加させていただきました。
 特にこのA類、B類というのは、入るときにはA類、B類で差がありますが、 入ってしまえば、あとはほとんど、カリキュラムにも全く差がない、また卒業 した後も、だれがB類卒業か、だれがA類卒業かというのは今わからないとい うんですね。卒業名簿にも載っておりません。
 この前、B類の学生が僕のところにやってきて、人づてに花輪さんがB類だ と聞いて来たといっています。B類の方々がどのように学んでいたかというこ とを聞こうと思って、B類の学生を探そうと思ったけれども、探す資料がなかっ たというぐらい、A類とB類は、差別なく、区別なく実は学ばせていただきま した。
 就職活動のときも、中には、大手企業なんかは、二部学生は最初から入り口 でノーという会社が多かったんですが、当時も都立大学は、A類、B類、これ は隔てなかったわけですから、そういう普通は二部を入れない会社も要はB類 はオーケーで、最初からいわゆる就職活動に入らせてもらえたわけです。
 こういう非常に意味のある私は大学だったのかな、そして、A類、B類とい うのがある一定役割を果たしていたのかな。逆にいえば、南大沢に行ったとき に、ある意味私たちは勝ち負けでいうと負けてしまったのかなという気もする んですが、ただ、今回、このA類、B類の話というのは、ことしの入学、既に 実際問題、募集停止がなされております。今回は断腸の思いでこの請願に対し ては不採択の意見表明をしなければいけませんが、ぜひ、このA類、B類、大 きな役割を東京都立大学として果たしてきた、そして優秀な人材も輩出してき たということをここで表明させていただきまして、私の質問を終わらせていた だきます。


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