- VineLinux 3.1CRの場合:
defaultで,入っているのは、aspell です。
Name : aspell Relocations: (not relocateable)
Version : 0.50.3 Vendor: (none)
Release : 0vl8 Build Date: 2004年10月30日 19時32分10秒
Install date: 2004年11月27日 18時35分58秒 Build Host: titan.local.dicey.org
Group : Applications/Text Source RPM: aspell-0.50.3-0vl8.src.rpm
Size : 6851539 License: LGPL
aspell は、GNU のLGPLの下に配布されている ispell を置き換えることを目指
して作られているスペリングチェッカーです。aspell のバージョンは、本家で
も、まだ0.6xの段階ですが、以下の説明にあるように、英語のスペリングチェッ
クでは、すでに性能的に ispell や Microsoft Word をしのいでいるとしていま
す。Vine/Linux 3.1では、バージョン 0.50.3 が採用されています。
GNU Aspell is a spell checker designed to eventually replace Ispell. It can
either be used as a library or as an independent spell checker. Its main
feature is that it does a much better job of coming up with possible
suggestions than just about any other spell checker out there for the
English language, including Ispell and Microsoft Word. It also has many
other technical enhancements over Ispell such as using shared memory for
dictionaries and intelligently handling personal dictionaries when more
than one Aspell process is open at once.
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emacs 21.3.1で、ドイツ語のスペルチェックがaspellでできるか?
VineLinux 3.1では、emacs 21.3.1 がインストールできます。その環境で、
英語以外のスペリングチェックができるかどうかやってみましょう。
適当なドイツ語の文章を用意して、
Tools(「ツール」)→
Spell Checking(「スペリングチェック」)→
Select German Dict(「ドイツ語」)を選び、
Tools「ツール」→
Spell Checking(「スペリングチェック」)→
Spell Check Buffer(「バッファ」)
を選択すると、「ispell は、/usr/lib/aspell/germanを開けませんでした」とかなんと
か、エラーメッセージが出てしまいます(/usr/lib/aspell/deutsch と表示
される場合もあります)。
結論:VineLinux3.1 では、
ドイツ語の辞書はインストールされていない、ということになります(当たり前ですね、きっと)。
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どこでドイツ語の辞書を手にいれるか:
firefox "file:///usr/share/doc/aspell/man-html/index.html"
として、aspell のマニュアルを見てみると(/usr/share/doc/aspell/manual.dvi
もあります)、
2.2 Obtaining
The latest version can always be found at GNU Aspell's home page at http://aspell.net.
となっていますので、http://aspell.net/にアクセスしてみます。
dictionaries をクリックしてaspell-de-0.50-2.tar.bz2
をもらってきましょう。(2005年6月4日時点では、aspellのドイツ語辞書には、
Version 0.6 用のものもありますが、VineLinux の aspellが 0.50.3 でした
ので、敢えて0.6系を試しませんでした。)
- インストール:
適当な作業ディレクトリで(ここでは,/home/hoge/src を仮定),gnuのtar
なら,
[hoge@orara src]$ tar xvjf aspell-de-0.50-2.tar.bz2
aspell-de-0.50-2/
aspell-de-0.50-2/doc/
aspell-de-0.50-2/doc/RSR
aspell-de-0.50-2/doc/BUGS
aspell-de-0.50-2/doc/GPL2
aspell-de-0.50-2/doc/TODO
aspell-de-0.50-2/doc/Disabled.words
aspell-de-0.50-2/doc/README
aspell-de-0.50-2/doc/INSTALL.aspell
aspell-de-0.50-2/doc/Changes
aspell-de-0.50-2/doc/Copyright
aspell-de-0.50-2/doc/README.emacs
aspell-de-0.50-2/doc/README.swiss
aspell-de-0.50-2/doc/PGPKeys
aspell-de-0.50-2/doc/INSTALL
aspell-de-0.50-2/doc/README.ligatures
aspell-de-0.50-2/info
aspell-de-0.50-2/swiss.alias
aspell-de-0.50-2/README
aspell-de-0.50-2/configure
aspell-de-0.50-2/de_phonet.dat
aspell-de-0.50-2/Copyright
aspell-de-0.50-2/de.dat
aspell-de-0.50-2/de_CH.multi
aspell-de-0.50-2/Makefile.pre
aspell-de-0.50-2/german.alias
aspell-de-0.50-2/deutsch.alias
aspell-de-0.50-2/de-only.cwl
aspell-de-0.50-2/de.multi
aspell-de-0.50-2/de_DE.multi
aspell-de-0.50-2/de_DE-only.cwl
aspell-de-0.50-2/de_CH-only.cwl
aspell-de-0.50-2/COPYING
/home/hoge/src/aspell-de-0.50-2 というディレクトリができます。
ディレクトリの中身は、こんなでした。
[hoge@orara aspell-de]$ ls
COPYING Makefile.pre configure* de.dat de_CH-only.cwl de_DE-only.cwl de_phonet.dat doc/ info
Copyright README de-only.cwl de.multi de_CH.multi de_DE.multi deutsch.alias german.alias swiss.alias
COPYINGを読み、著作権が GNU General Public License
であることを確認し、README ファイルを読んでみると
(というか、もうconfigure があるので想像できるように)、./configure, make, ルートで make
install で行けてしまいます。
[hoge@orara aspell-de]$ ./configure
Finding Dictionary file location ... /usr/lib/aspell
Finding Data file location ... /usr/share/aspell
[hoge@orara aspell-de]$ make
word-list-compress d < de-only.cwl | aspell --lang=de create master ./de-only.rws
word-list-compress d < de_CH-only.cwl | aspell --lang=de create master ./de_CH-only.rws
word-list-compress d < de_DE-only.cwl | aspell --lang=de create master ./de_DE-only.rws
[root@orara aspell-de-0.50-2]# make install
mkdir -p /usr/lib/aspell/
cp de-only.rws de_CH-only.rws de_DE-only.rws de.multi de_CH.multi de_DE.multi deutsch.alias german.alias swiss.alias /usr/lib/aspell/
cd /usr/lib/aspell/ && chmod 644 de-only.rws de_CH-only.rws de_DE-only.rws de.multi de_CH.multi de_DE.multi deutsch.alias german.alias swiss.alias
mkdir -p /usr/share/aspell/
cp de.dat de_phonet.dat /usr/share/aspell/
cd /usr/share/aspell/ && chmod 644 de.dat de_phonet.dat
でインストール完了です。
-
emacs で使う:
まず、素材となるドイツ語の文章を用意します。
今回は、Theodor Storm の Der Schimmelreiter の最初の部分を用意しました。
(1) iso-8859-1 のコードでemacs に読み込んでおく。
もし、ウムラウトやエスツェットが表示されていないのなら、
Options(「オプション」)→
Mule (Multilingual Environment)(「言語」)→
Set Language Environment(「言語環境」)で
Latin-1 を選択し、
Options(「オプション」)→
Mule (Multilingual Environment)(「言語」)→
Set Font/Fontset(「フォント」)
MISCのフォントをディフォルト以外の、
例えば、lucidasanstypwriter-12
に設定しましょう。
(2) 後は、
Tools(「ツール」)→
Spell Checking(「スペリングチェック」)→
Spell Check Buffer(「バッファ」)
を選択すれば、以下のような画面でスペリングチェックが始まるはずです。
注意:
★ aspellは、ispellのごとく振る舞うので、emacs では、
処理を ispell.elに任せています。メッセージでは、ispell が動いているよう
に見えます。
★★ TeXのバベル式の入力(「M"adchen」のようなダブルクオート)は受け付けてくれません。
iso-8859-1 のテキストにしましょう。
★★★どうしても、バベル式の入力(ダブルクオート)文書をチェックしたいの
なら、-Ttex というオプション指定でできるようですが、試していません。
バベル式のウムラウト入力(ダブルクオート)文書を aspell
でスペリングチェックすることは、目下のところサポートしていないようです。
詳しくは、
LaTeX文書を aspell でスペリングチェック を参照。
★★★★ ispell-3.1.20-27vl5.i386.rpm が Vine/Linux 3.1には提供されてい
ますが、これを使うには、gedit, kdeが依存するaspellを削除し、
ispell, ispell-dicts を導入しなければなりません。 うっかり apt-get install
ispell をしようとすると、gedit と kde 関係をすべて削除するようになるので要注意!
★★★★★ Windowsでも動くようです。