2024年の模擬講義「ドイツ語の挨拶」 [11/08/2024]
「挨拶は大切です」なんて子供の頃から学校の先生によく言われたものだ。 そう言われると、なんか反発したくなったものだ。 素直に受け入れられる子供と、反発を感じてしまう子供がいる。 反発する側には、それなりの理由がある。それを見逃して、反発する子供をよくない子としてはいけない。
さて、挨拶の時に使われる言葉は、「挨拶ことば」だが、挨拶ことばを発するのは発話行為だ。 ローマン・ヤーコブソン (Roman Jakobson) は ...
TEX Live 2024 へアップデートした話 [05/04/2024]
2024年1月に LuaLaTeX に作業環境を移行した時に、TEX Live 2023をインストールしていた。 しかし考えてみると、もう2024年、そろそろ TEX Live 2024 に備えておくべきだった。 なんとなく TLShell TeX Live Manager でアップデートできるような気がしていたが、 それは同じ年の版の話だった。
LuaLaTeX へ移行した話 [22/01/2024]
昨年 2023年の12月も終わりかけている頃に、XeLaTeX から LuaLaTeX に乗り換えた。 きっかけは、奥村晴彦・黒木裕介 (2023)『[改訂第9版] LaTeX 美文書作成入門』(技術評論社) (以下、「美文書9版」と呼ぶ)を購入したことだった。 『LaTeX美文書作成入門』の初版が1991年、...
Microsoft Word のドイツ語引用符 [12/23/2023]
学生がMicrosoft Word で書いた卒研の原稿を見ていた時、ドイツ語の引用符が間違っていることに気がついた。 今時のMicrosoft Word は、特定の単語の言語認識が間違っていなければ(実はよく間違う)、オートコレクトでその国の引用符に直してくれる。 例えば、入力時に ...
また模擬講義の季節 [08/01, 05/2023]
2023年7月が終わり、夏本番の8月になった。またオープンキャンパスの模擬講義の季節である。過去4年間、模擬講義をしてこなかったので、久しぶりという感じだ。 サバティカルが1年、Covid が3年挟まったから、4年間、私の模擬講義はなかった。
2020年からのコロナ禍がようやく収束に向かいつつある中で、...
年末年始に見たDVD [01/17/2023]
毎年年末に何をしているか、というと、普通は
学生が提出する卒業研究の原稿を読んでコメントを書いたり、添削したりするかたわら、自分の論文を書いている。
今年は珍しく自分の論文を書いていない。人間ドックの再検査や『独検対策2級問題集』の改訂作業があって、
投稿先がまだ決まっていない論文を書き始める予定ではあったのだが着手できずにいた。
残されたわずかな時間を使って、DVDを3つ見た。
それなりに話題性のあるものを選んだのだが、結果的には予想とは違っていて、どれも心には響かなかった。
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ガイアと新型コロナ:生命体のメタファーと意思 [08/12/2022]
前期の授業が終わり、『ダーウィン事変』3冊を読み、オープンキャンパスが終わったところで、ジェームズ・ラブロックが亡くなったというニュースを耳にした。 生き物でないものが生き物に思える、そんなイメージが「ガイア」にあったことを思いだして、ずるずるとフランク・ライアンを読んでしまった。 今回はそんなとりとめもない話。
2022年7月26日に「ガイア理論」(Gaia hypothesis) の提唱者ジェームズ・ラブロックが103歳で亡くなったというニュースが流れた。
「ガイア理論」というと地球を「まるで生命体のように、生きている存在としての地球像を描き出した」...
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XeLaTeX へ移行することになった話 [04/03/2022]
2年間のパンデミックが終わらずに、すでに4月となってしまった。毎日ウクライナ情勢を気にしつつ、 査読を終えた論文を書き直していて、改めて Word 2016 の使いづらさと原稿の読みにくさを実感してしまった。 なんと読みにくい仕上がりだろう、と。 そこで、とりあえず原稿を pLaTeX に流し込んでみた。 Windows 10 では、奥村晴彦・黒木裕介 (2020)『LaTeX2ε 美文書作成入門』改定第8版(技術評論社)で TeXLive 2020 をインストールして、 TeXworks を使うようになっていたので、それに適当に原稿を流し込んでみたところ、 比較的簡単に原稿ができあがった。やはり圧倒的に可読性が高い。 これじゃなくちゃ、と思って読んでみると、消えている文字や「X豆腐」がちらほら。
最初に消えているのに気がついたのは...
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パンデミックの一年を振り返る。 [03/15/2021]
2020年4月、新型コロナウイルス感染症の流行で、通常の大学運営ができなくなった。密になる会議は中止、遠隔授業(以下ではオンライン授業と呼ぶ)をどうやって行うかという議論が起き、私の場合、およそ一カ月遅れでさまざまな形で授業が始まった。決定からの準備期間はおよそ2週間。ここから悪戦苦闘の一年が始まった。
マスコミでは、大学生が大学へ行けないで大変な思いをしているとか、特に大学に入学したばかりの1年生が、いきなりオンライン授業となって苦悩しているとかをテーマとして取りあげているが、この間、多くの大学教員がどれほど大変な思いをして授業を行ってきたかについてはほとんど触れられることがない。そこで、簡単に私の体験と、知り合いの大学教員の話などを織り交ぜながら一年を振り返ってみたい。
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さようなら ThinkPad X240+VineLinux、こんにちは ThinkPad X260+Ubuntu [03/11/2021]
我が家には家猫が目下5匹いる。一昨年までは2匹だったのだが、いつの間にか3匹の新参者が入ってきた。そして家の中でたびたび運動会をする。 部屋の本棚の上に置いておいた ThinkPad X240 は、気がついてみると朝は床に落下しているという出来事が再三再四起き、ついには WiFi が認識されなくなった。 Ubuntu のアップデートを重ねるうちに、VirtualBox の中の Vine Linux 6.5 も起動できない状態になってしまい(現在では、VirtualBox のダウングレードでなんとか復活しているが)、ディスプレイの画像の残像化も顕著になった。 2014年4月からX240を使い続けてきたので、ほぼ7年間、過酷環境で働いてくれた駄目野郎だったが、それでもよく働いてくれた。
今回は、中古の ThinkPad を購入して、そこに Ubuntu をインストールして、これまでのデータを引き継ぐことを計画した。
これまで使っていた ThinkPad X240 の代わりに購入した ThinkPad X260 の中古は、もちろん X240 よりも新しいマシンだ。
つまり、中古を買ったら、今使っていた PC よりも新しくなってしまった、という話。
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GOTO は禁断の味 [10/23/2020]
その昔、「GOTO なんか使うからスパゲッティになるんだ!」とか「GOTOは使うべきではない、禁止してしまえばいいんだ」なんて言っていた。そう、あの FORTRAN や BASIC にあった、プログラム中の予約語だ。制御を別のところに跳ばす、後のことは考えない命令だ。構造化プログラミングを妨げる元凶のように非難された。
今では、「Go To トラベル」とかで復活し、活躍中だが、これをキャンペーン用語として提案して、広めた人たちは、いったいどんなつもりでこんな表現を思いついたのだろうか?
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今度は X が動かない。(VineLinux 6.5 in VirtualBox 6.1.10) [10/21/2020]
すでに2020年5月に事態は発生していた。VirtualBox 6.1.8 から 6.1.10 にアップデートし、
VineLinux 6.5 にログインした後、CD-Addition を実行して Guest Additions のプログラムをコンパイルした後、
以下のようなエラーメッセージが出た。
2つほど前のバージョンから出るようになったエラーの一種かと思い、さほど気にしていなかったのだが、
再起動すると X が立ち上がらなくなってしまった。
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おや、仮想マシンが起動しない。 [01/24/2020]
アップデートは、すっかり日常的なできごとになった。Windows のアップデートはいらいらの原因だが、Ubuntu のアップデートは比較的スマートだと思う。 アイコン上の通知があったらクリックして、それほど時間を取られずに終了する。しかし、今回は VirtualBox 内の仮想マシンが動かなくなってしまった。
Ubuntu 18.04 LTS 上の VirtualBox 6.0.10 の中の Vine Linux 6.5 は順調に動いていたが、
先日いつものように Ubuntu のアップデートをしたら、Vine Linux 6.5 が起動しなくなった。
まずは、その時のメッセージから。
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さようなら Windows 8.1: ThinkPad X240 は Ubuntu/Vine Linux マシンへ [08/19/2019]
ThinkPad X240 を購入して使い始めたのが 2014年4月だったので、 それから5年たった。仕事の都合上、Windows を使わざるをえなかったので、 Windows の上に VirtualBox を載せ、そこでVine Linux を使うという方向に舵を切った。 思ったよりずっと使いづらかった ThinkPad X240 と Windows 8.1 だったが、「できの悪い子」もそれなりに可愛くなりつつあった。
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実際のところ、VirtualBox は、かなり頻繁にアップデートされ改良されてきたので、 そこそこ満足していたが、問題は、やはりWindows 8.1 だった。 Windows って、Linux に比べて安定しているんだろうな、 と勝手に思っていたら、実は全然そんなことはなかった。 アップデートが入ると、ほとんど仕事がストップしてしまい、不安定になってリブートされてしまうこともあり、 最悪の時は VirtualBox ごと落ちてしまい、泣かされた。
今回、Windows 8.1 に別れを告げる決心をしたのは、
以下の3つのエラーが ThinkPad X240 上で頻発するようになったからだ。
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おっと、インフルエンザ。追記 [3/14/2019]
以下のような「ゾフルーザ」に関する報道があったので、リンクを追記しておくことにした。
リンクは、東京新聞(TOKYO Web)(1/25/2019)、朝日新聞デジタルの記事(3/5/2019)、
薬事日報ウェブサイト(3/6/2019)、厚生労働省(資料2-7、PDF)の順。
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おっと、インフルエンザ。 [2/16/2019]
気がついたら、インフルエンザにかかっていた。 喉が痛い、咳が出る、ああ風邪をひいてしまったと思って、いつものように医者に行ってみると、 インフルエンザの検査をしてくれた。綿棒を鼻の奥に入れ粘膜を採取するやつだ。 その結果は、なんと陽性。インフルエンザにかかったという記憶は、本当に子供の頃にしかないので、やや狼狽えた。
インフルエンザってのは、ウィルスだよね、あの「生き物」なのか何なのか論争の的になるやつ。
この際、少し勉強してやるか、と思って購入したのがこれ。
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なぜ私は書かなくなったのか? -- ディープ・ラーニングとビッグ・データで分からない世界 [12/31/2018]
ずいぶん年をとってしまった。 あっという間に一日が過ぎる。 おっ、と言う間に一年が過ぎた。 今年このサイトに文章を書き込んだのは、なんと2回目。 その前は、この「雑多情報」の2017年12月30日だった。 もう、このサイトは死んだのかな、と思わせてしまったかもしれない。
なぜ書かなくなったのか、いろいろな理由がある。
体調不良だった時期もあれば、仕事に終われていた時期もあった(いや、今も追われている)。
論文やレビューの締め切りに追われていた時期もあった(いや、今も追われている)。
技術的な問題もあり、考えることもあって書かなくなった、という側面もある。
今年の締めくくりに、その部分をちらりと書いておくことにした。
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自動運転へ向かう自動車、これでいいのか? [03/15/2018]
知り合いの家に立ち寄ったら、ぴかぴかの新車が置いてあった。ああ、車を買い換えたんだ、 と思っていたが、こちらからは特に尋ねなかった。しばらくすると、「最近の車はうるさくて」と言う。 おや、何のことを言っているのだろう、と不思議に思った。 いまさら音がうるさい自動車なんて作られていないのではないかと不審に思っていたら、 「今度買った車は『センターラインを越えています』とか、『前の車はすでに発進しています』とか言うんだよ。うるさくって」
なるほど、そう言えば自動ブレーキとか、衝突回避とか、
最近の車のコマーシャルでやっているが、その延長線上にあるのかな、
と思って笑いながら聞いていた。
テレビのコマーシャルでは、自動ブレーキを訴えた場面のすぐ後で、
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短期間旅行の帰りは長かった。 [12/30/2017]
気がつくと、もう2017年が終わろうとしている。 2017年12月は、まだ終わっていないのだが、あまりにもめまぐるしい予定の中で、予定をちゃんと消化できずに迷惑をかけながら今日までやってきた。 一週間前からの風邪はまだ完治していない(Ich kann nicht klagen.) 。
12月7日(木)に日本をたち、ミュンヘンとウィーン経由でクラーゲンフルト (Klagenfurt am Wörthersee) へ行き、
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あ、NCIS に Tom Lehrer の曲が! [08/07/2017]
今頃になって、NCIS ( = Naval Criminal Investigative Service) なんかを時々見ている。
『NCIS ネイビー犯罪捜査班』と日本語では訳されているが、とにかく話の展開が速い。徹底したコンピュータを使った捜査をし、終わりは大抵の場合あっけない。
「あっ、終わっちゃった」という感じ。日本の犯罪捜査もののテレビドラマを見ていると、だらだらと事件後の話が続くこともあるが、それがほとんどない。
ちょっとおおげざだが、文化の違いを感じてしまう。
あの後、どうなるのだろう、とついつい想像してしまうが、話は時々つながって別の回の話にかかわることもある。
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とても遠く、とても近い [06/14/2017]
ヴィム・ヴェンダース(Wim Wenders) の映画に、昔 In weiter Ferne, so nah! というのがあったが、 とっても遠いのに実は近い、そんな逆説的な世界はけっこう多く存在する気がする。 少し比喩的に語れば、とても遠く離れていても、実は近くに感じるというのは、まったく似ていないものがよく見ると極めて似ている、という関係に近い。 比較的最近では、Subway to Sally の曲にも So fern, so nah というのがある。 人間関係の遠近というのも、遠いような近いような、なんとも不明なところがある。
そもそも相容れない 2 つの概念が並列されると(連言で結ばれると)、 それは矛盾になるのだが、レトリックの世界では撞着(どうちゃく)話法とか矛盾語法と和訳される oxymoron という表現法がある。 an open secret (公然の秘密)のように、 「公然な」という概念は「秘密」という概念と逆の関係にあるので、 これは本来矛盾でしかないが、考えてみると結構使われている(無意識に使われるものが多々ある)。 Renaissance Man の中では、 oxymoron の説明の例として、 military intelligence が挙げられていたのが印象に残っている。 日本ではおそらくこのような意識はほとんどないだろうが、 military は、 intelligence の対極にある、という考え方だ。
さてさて、今回は、実は非常に単純な対比をする。
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母音空間のプロット: Praat と R と phonR [05/23/2017]
[...]
今年は、学部でも大学院でも音韻論のお勉強をしながら、講義などをしているので、
久しぶりに第1フォルマントと第2フォルマントを計測して、母音空間のプロットをしてみることにした。
昔は、サウンドスペクトログラフ (sound spectrograph) という機械を使って、広帯域スペクトログラムを出力し、
曲尺で F1 と F2 を測って、グラフ用紙に F1 を Y軸に、F2 をX軸にとって自分の母音の「調音点」を描いた。
詳細な記憶はないのだが、かなりの時間をかけて描いていた記憶がある。
今回は、Windows 8.1 上の Praat を使い、
Vine Linux 6.5 上の GNU R に、
phonR をインストールして、母音空間をプロットする。
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Quittenmarmelade がお気に入り [02/18/2017]
たまたま、昨年おじゃました友人の家で、朝食時に Quittenmarmelade が出てきた。 最近のお気に入りだそうで、日本では見ないなあと思い、試してみるとあまり他にはない味で美味しいことがわかった。 Quitte というのは、日本語では「マルメロ」、英語では、quuince と呼ばれているやつだ。 そのマルメロ・ジャムは、マルメロ自体は細かく刻んであって、飴色の液体は比較的さらっとしていた。
ほぼ忘れかけたころに、今度はロシアの方から手作りの quince jam を頂いた。
これは、直径 1.5cm 程度、厚さは 3mm —5mm 程度にぶつ切りしてあるマルメロと、クルミが入っていた。
どちらかというと、ジャムというよりはマルメロのコンポート (Kompott) という感じだ。
懐かしい思いで頂いたのだが、そもそもマルメロって何だ、という疑問がわいた。
これがドツボにはまるきっかけだった。
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いったい誰が何をコントロールしているのか? [01/16/2017]
2016年は、イギリスが国民投票の結果、EU離脱を決定したこと、 11月のアメリカ大統領選挙で Donald Trump 氏が次期大統領に選ばれたことは、 大手メディアの予想と異なった結果となり注目を浴びた。 一方、日本では、大手メデイアの世論調査では、 相変わらず安倍内閣の支持率が高止まりしている。 例えば、 「報道ステーション(テレビ朝日)調査」2016年12月では安倍内閣の「支持する」は 51.6% だった。 しかし、Facebook の2016年12月集計の安倍内閣の支持率では、「支持する」がわずか 6.4% であった。 この差は何を意味するのだろうか。 続きは「雑多情報」へ
↑Windows 10 で撃沈、ThinkPad 240 は真っ暗に! [10/30 - 10/31/2016]
10月の予定が大きく狂ってしまったのは、9月17日に突然起きた Windows 10 のクラッシュからだ。 思い起こしてみると、8月の Windows update あたりからかなり不安定になっていた。 ハイバネーションができない、フリーズするという状況が週に数回起こる状況になり、 ThinkPad 240 のハードウェア・チェック・プログラムを走らせて見たものの、 特に悪いところはないように見えた。
Windows 10 の許せない挙動の 1つに、 Windows update の後に、いきなり再起動してしまうディフォールトの設定だ。 私の場合は、 Windows 10 の上に、 Virtualbox をのせ、 その上で Vine Linux 6.3 を動かして仕事をしていることが普通なのだが、 いきなり「再起動します」とかいうメッセージが出て、何の選択肢もなく再起動されてしまったことが過去に数回あった。 こういうことをされてしまうと、作業中のデータを失うばかりか、 Linux もクリーンにシャットダウンできないので、... 続きは「雑多情報」へ
↑自己免疫疾患とその原因? --- 内なる細菌が失われつつある! [06/11/2016]
仕事でもプライベートでも、休みなしの状況が続いたと思ったら、 かれこれ 2ヶ月前から多発性の alopecia areata になってしまった。 気がついたら、頭がヘムレンさん状態になっていた(ヘムレンさん、ごめんなさい)。 公式サイトによると「ヘムレンさんは、イライラしやすく、人を怖がらせてしまうことがあります」そうだ。 そういえば、この頃、自分でもイライラしているような気がする…。 お医者さんによると、「原因はわからないんですよ。でも、なぜか花粉症の薬が効くんです。」とのこと。 自分がかかっている病気の原因が分からない、と専門家に言われるのは、気持ち良いものではない。 私の場合は、さらに、 「ストレスが原因という人もいますが、本当にストレスが原因なのかどうかは分からないんです。 まあ、気にしない方がいいですよ。自己免疫疾患だと言われていますがね」 ときた。信頼しているお医者さんの言葉なので、... 続きは「雑多情報」へ
↑はや 2年近くに:Windows 8.1 上の VirtualBox 上の VineLinux 6.2 [03/23/2016]
ThinkPad X240 に変えてから、Linux 原理主義者をやめた。 あいかわらず Windows は大嫌いだが、仕事がら日夜 MS Office のデータが押し寄せてくるので、 LibreOffice ですべて処理して投げ返すと、結局いろいろなレイアウト上のトラブルに巻き込まれて時間のロスなる。 こちらから発信する文書は、基本的には、LaTeX で作成して PDF で送るのだが、 最近は Word でお願いされれば、 Word でお返しするようになった。 歳を重ねてマイルドになった、というところか(HA HA HA)。
以前書いたように、VirtualBox (Windows版) に決して満足しているわけではない。 現在では VirtualBox 5.0.16 r105871 を Windows 8.1 にインストールして、 そこで VineLinux 6.2 を使っているのだが、 なんで 2年間も使えたのか、この間どんなトラブルがあったのかを簡単にまとめておくことにした。
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↑なぜ「マイナンバー」は駄目なのか? [02/07/2016]
むかし、中学生だった頃、「マイカー」というのは和製英語で使ってはいけない、という説明を英語の先生から聞いた。 「これは私の車です。」と英語で言う時、This is my car. と言ってはいけないのか、と不思議に思った記憶がある。 もちろん、「自家用車」というのなら、 This is my own car. とか、 This is my private car. ということになるのだろうが、 問題はそこにあるのではなかった。別に、This is my car. と言うことがいけないのではない。
「自家用車」= 「マイカー (my car)」だと信じている日本人 A と B による会話場面を2つ考えてみよう。 ... 続きは「雑多情報」へ
↑「手書き」は消滅するのか? [12/31/2015]
気がつくともう大晦日になっている。 この頃、ここに文章を書く時間が取れないのは、仕事がたてこんでいるからにすぎない。 どんな仕事か、というと、ひたすら「文章を書くこと」に関係する。メール、論文、論文に関する問い合わせ、論文の審査、 その他さまざまな問い合わせ、これらはすべてコンピュータ上で文章を書くことで成り立っている。 こんな状態が当たり前といえば当たり前の毎日で、最近めっきり量が増えている。 しかも、締め切りがみんな迫っているものばかりだ。 なんで、こんなにみんな急ぐのだろう、と思いつつ、早く仕事を終わらせたい一心でひたすらキーボードを打っている。
かれこれ一ヶ月ほど前、隣の席に座っていたドイツ人同僚が、 Bastian Sick の新しい本が出たのを知っているか、 と訊いてきた。もちろん、知らなかった。 それは、あの一世風靡した本の第 6巻だった。 ... 続きは「雑多情報」へ
↑Duden: Die Aussprachewörterbuch (2015) が出た! [19/10/2015]
Duden の Aussprachewörterbuch というと、 あのシリーズ辞書の第 6 巻で、ドイツ人音声学者 Max Mangold 監修の辞書を思い出す。 ただし、近年このシリーズの他の辞書が次々と新しくなる中、なんとなく放置されているような印象を受けるものだった。 今回出版された第 7 版(7., komplett überarbeitete und aktualisierte Auflage) は、 Bearbeitet von Stefan Kleiner und Ralf Knöbl in Zusammenarbeit mit der Dudenredaktion となり、中表紙には、 Dudenverlag Berlin と、 INSTITUT FÜR DEUTSCHE SPRACHE の名前がある。中表紙の裏には、複数の著者名(Autoren) の中に、 Max Mangold (†) がある。そう、 Max Mangold 氏は 2015年に亡くなったのだった。
この Duden: Das Aussprachewörterbuch 第 7 版は、
Max Mangold の辞書に基づき、複数の音声学者、
Duden 編集部、
マンハイムの IDS が共同で手を加えて完成させたもののようだ。
さらに、表紙に以下のようなへんてこりんなシールが貼ってある。
日本語で論理的な文章を書くには [08/29/2015]
8月24日、日本への帰国便に乗る際に、読売新聞(国際版)が置いてあるのが目に留まった。 普通、日本に帰ったら読めるような新聞をわざわざ貰う気にはならないのだが、 トップのニュースがあまりにもショックだったので、一瞬にして手に取ってしまった。 以下は、見出しの2行と、リードの部分の引用である。
国立26大学 文系改廃へ
定員減や新学部転換
文系学部のある全国の国立大60校のうち、
半数近い26校が2016年度以降、文系学部の改廃を計画していることが、
各国立大学長を対象にした読売新聞のアンケート調査でわかった。
教員養成系学部を中心に計1300人以上の募集が停止され、
定員の一部を新設学部に振り分けるなどの改革が行われる。
国立大の文系に再編の波が押し寄せている実態が浮かび上がった。<解説☜・関連記事2面>
出典:読売新聞(国際版)2015年(平成27年)8月24日(月曜日)13版、1面
あの時何が起きていたのか? [05/09/2015]
過去を振り返って、あの時いったい何が起きていたのだろう、と考えることがある。 人間の経験は、場所と時間に制約されているので、自分で経験できる範囲は極めて限定的だ。 それでも、経験していないのと経験しているのとでは全然違う。 例えば、私は戦争の経験がない。 どんな形にせよ、第二次世界大戦を経験していないのは間違いない。
他方、2011年3月11日の「東日本大震災」と、その時の福島第一原発事故は自分なりに経験している。
経験したといっても、家が崩壊して故郷を捨てた訳ではない。
家の中のさまざまな物が落ちて壊れ、停電が起き、
ガソリンスタンドが閉まり、スーパーマーケットからは物がなくなり、
...
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無視する人々 [04/07/2015]
Peter Bichsel という人の書いた Ein Tisch ist ein Tisch.
というショートストーリーがある。
(Winfried Ulrich (ed.) (1973) Deutsche Kurzgeschichten Stuttgart: Reclam Verlag, .5-9. )
退屈な日常に飽き飽きして、自分の回りにあるものの名前を変えていく男の話だ。
最初は、Bett(ベッド)をBild(絵)と呼ぶところから始め、
自分の身の回りにあるあらゆるものの名前を自分で好き勝手に入れ替えていく。名詞だけでなく、動詞も入れ替える。
そんな自分の世界を構築していくと、そのうち、自分の話す言葉の意味を外の世界の人々が理解できないことが分かる。
さらに、気がつくと、自分が外の世界の人々の言葉が理解できなくなっていることに気がつく。
特定の音が、世界の特定の物と結びつく必然性はない。ソシュールの言う、言語記号の「恣意性」だ。
「椅子」は、日本語では、[isɯ] だが、「椅子」というものを指して [ʧeɚ] と言ってもよいし、
[ʃtu:l] と言ってもよい。
ただ、これは、「言語音」と「モノ」が言語記号によって結びつけられているところに、
必然的な関係が最初からあったわけではない、という話であって、
ある言語社会で決まった「言語音」と「モノ」の関係を個人が勝手に変えてよい/変えられる、という話ではない。
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HDD バックアップ・システム刷新 [02/26/2015,03/26]
USB 2.0 接続の外付けHDD (Ratoc RS UZEC5X) をバックアップシステムとして使い始めたのは、2007年頃のことだった。 すでに8年目で、そろそろ先が心配なシステムになりつつある。 容量も164GBで、加速度的に増加するファイル容量に対応するのが難しくなりそうな状況だ。 使用頻度からすれば、HDD の寿命にはまだ遠く及ばないはずだが、 ハードウェアの不調というのは予想もつかないところからの劣化が原因となることもあるので、まあ経験的には7, 8年動いていたら、 次期システムを構築しておくのが安全だと思う。
Windows だと、バックアップソフト付きのハードディスクを買ってきて、 インストールして定期的に動かしておしまいなのかもしれない。 しかし、どんなシステムでもハードディスクがクラッシュする可能性はある。 バックアップ・システムのハードディスクすらもクラッシュする可能性がある。 ソフトウエアにはバグはつきものだし、アップデートしていくうちにハードウエアとの相性が悪くなっていくことも起きる。 「いろいろ考えると、もう嫌になってしまう」という気持ちはよく分かる。 しかし、 日常的にコンピュータを使っていてバックアップシステムを作っておかないと、いざという時には痛い目にあう。 これもまた現実だ。
ハードディスクのバックアップの仕方はいろいろある。
...
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そんなばかな: AC Adapter の突然死 [12/20/2014]
ThinkPad X240 にもようやく慣れてきて、Windows 8.1 上の VirtualBox の中の Vine Linux 6.2 を使う毎日だが、 いろいろと不満がある(それはそれ、また別にまとめて書く予定)。 あらゆる仕事を1つのノートパソコンに集中するととても便利な反面、 いざという時のリスクも大きい。だからバックアップ体制がとても重要だ。 そんな中で突然襲ってきたのが、「AC Adapter の突然死」だ。
いままで、AC Adapter は、必需品として複数用意して移動先でも楽に使えるようにしていたが、
ThinkPad X240 の AC Adapter
はちょっと変わっていた。
何気なく見て、これは USB コネクタを使って、
AC 電源を供給するようになったんだ、
と勝手に思っていた(これが第1の間違い)。
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びっくり!「学長」の定義 [12/03/2014]
《今回は、「学長」の定義にびっくりさせられた話。》
《みなさん、「学校教育法」に載っている「学長」の定義、ご存知ですか?》
《お恥ずかしながら、私は最近まで知りませんでした。》
昭和二十二年三月三十一日法律第二十六号で制定され、
平成二六年六月二七日法律第八八号で改正された
学校教育法
の第九十二条 第3項には、大学の学長を定義した以下の文がある(この部分は、実は改定前も変わっていない)。
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『アクセス独和辞典』で熟語を調べる話 [11/02/2014]
もう一年以上前に書いた以下の「電子辞書を買い換えた話」の中で、
EX-word XD-7100 に採用された『アクセス独和辞典』(第3版)で熟語が以前採用されていた『クラウン独和辞典』に比べて少ない印象を受ける、
という話を書いた。
その後、たまたま『アクセス独和辞典』の執筆者の一人と話をした時、
「schmutzige Wäsche waschen は成句としてちゃんと載っていますよ」
という指摘を受けた。ポイントは「成句検索」を使うことだ。
「成句検索」を選んで、例えば 「schmutzig & wasche」
のように &(アンパーサンド)でつないで 2語を検索エリアに入力すると、
以下のように表示される。
...
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なにこれ:朝日新聞の「リナックス」記事 [09/29/2014]
2014年9月28日、朝日新聞朝刊に「OS『リナックス』プログラムに欠陥:公官庁も利用」
という2段抜きの記事が載っていた。Linux ユーザとしては、
「えっ?」と思って読んでみて唖然とした。
これって、JPCERT コーディネーションセンター の
GNU bash の脆弱性に関する注意喚起 のことらしい。
私が唖然とした理由は、
(1) この新聞記事の最初の文が、そもそも内容的に理解不能であること、
(2) 情報源がほとんど分からない書き方をしていること、
(3) そもそも、この記事が誰に何を伝えようとしているのか分からないこと、の3点だ。
...
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節約した時間はどこへいったのか? [09/27/2014]
ローカルにもグローバルにも信じられない出来事が日常的に起きる日々。 いったい世界はどうなっていくのか、日本の政治、経済はどうなっていくのか。 未来のビジョンの無いままに突っ走る人々。 そんな中、私も気がつくと走りたくないのに十分に走らされている。
なかなか自分の時間が作れないのだが、 先日、それでも多少の時間を見つけた。 地元の本屋に立ち寄り、小川和也(2014)『デジタルは人間を奪うのか』(講談社現代新書 2283)を他の何冊かの本と一緒に購入した。 ネット書店で購入する本を決めて注文するのと違って、本屋で本を手にとってあれこれ立ち読みして購入するのは楽しい瞬間だ。 ... 続きは「雑多情報」へ
↑ジャーマンポテトは日本の味! [08/12/2014]
2014年8月3日に、オープンキャンパスの模擬講義で「『ジャーマンポテト』は、なぜドイツに無いのか?」という話をした。 いつ頃にこういう話を決めるかというと、今年の場合は5月8日が「要約」の締め切りだった。 私は、5月6日に書いて提出したので、およそ3ヶ月前だ。 実は、話のネタとしては、昨年度の Brezel の話を考えた時の対立候補だったので、 一年前から温めてきた(?)ものでもある。
模擬講義の表題から分かるように、結論は示されていないものの、
この疑問文には前提(presupposition)として、
「『ジャーマンポテト』はドイツに無い」という命題が含まれている。
しかし、世の中にはそう考えていない人も多く、
日本語のウィキペディアでは、この文章を書いている時にも、相変わらず以下のような説明が載っている。
...
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医学的根拠とは何なのか? [06/20/2014]
裁判には(金と)時間がかかる、と言われている。 さらに、公害裁判のように、病気の因果関係がからんでくると、もっと(金と)時間がかかると言われている。 それは、特定の病気の原因の認定は難しいからだ、と私はずっと盲目的に信じていた。 今回、まず (1) の本の広告を見て購入して読み始めたら、この本は、 実は2004年に単行本として出版されていたものを文庫本化したものであることが分かった。 その後、(2), (3)を購入した後、結果的には (3), (2), (1) の順で読んだ。
(1) 津田敏秀 (2014)『医学者は公害事件で何をしてきたのか』岩波現代文庫/学術311, 岩波書店。
(2) 津田敏秀 (2011)『医学と仮説:原因と結果の科学を考える』岩波科学ライブラリー 184, 岩波書店。
(3) 津田敏秀 (2013)『医学的根拠とは何か』岩波新書 1458, 岩波書店。
簡単に言ってしまうと、これまでの公害裁判での医学者の判定の仕方は...
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ThinkPad X240 のキーボードに まいった! [05/05/2014]
私にとってのキーボードは、昔で言えば、筆記具そのものだ。鉛筆にたとえれば、 鉛筆のにぎり心地、鉛筆の芯のかたさ、鉛筆の芯の滑り具合など、 すべてに関係する。だから、使い心地はとても重要で、キーボードの使い心地が悪いと仕事もできなければ論文も書けない。
ThinkPad X240 に乗り換えて一番まいっているのは、 「つるつるキーボード」だ。「パコパコ・パッド」と並んで、ダブルパンチ。 ...
私にとっての最悪の状況は、右上のキーの配置変更にあった。 無意識にブラインドタッチでキーを打っていて、 右上に「ページ・アップ(PgUp)」と「ページ・ダウン(PgDn)」があるとずーっと思っていたので、 右手薬指でポンと「ページ・ダウン」をしたつもりが、 ... 続きは「雑多情報」へ
↑Windows 8.1 の中の VirtualBox の中の Vine Linux 6.2 (ThinkPad X240) [04/30/2014]
ThinkPad X220 Tablet が LCD パネルの不調から、 修理に10万円以上かかることがほぼ確実になったことから、 30%引きで ThinkPad X-240 を購入することになった(およそ15万円)。 Tablet には懲りたので、220 → 230 → 240 と進化したものを選んだので、 ハードウエアの性能的にはかなり満足のいくものだが、 キーボードが使いづらくなり、「タッチパッド」が「パコパコ・パッド」(パコパコ音を立てるのでこのように呼ばれている) になってしまい、かなり参ってしまった。 「パコパコ・パッド」で左クリック、右クリックのアクションをするたびにパコパコ、 パコパコ。 中央のクリック部もなくなったので、Unix 系のコピー操作ができなくなってしまった。
基本的に、アクションとして左クリックも右クリックもできるではないか、
という開発者?の声が聞こえてくるが、...
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ブレーツェルを焼く[再チャレンジ] [03/22/2014]
2013年のオープン・キャンパスで、Brezel(ブレーツェル)の話をしたことは、 ブレーツェルの話 [08/26/2013] に書いた。 「ふっくらとした食感が出せず、ヘビーなものになってしま」ったという反省から、 いつかは再びチャレンジしようと思っていた。
すると、2013年のオープン・キャンパスで話を聞いていた学生が、12月になんとドイツの小麦粉 (Weizenmehl Type 550) を持参してくれた。感謝感激だ。 これがあれば、前回より本物に近いブレーツェルが作れそうだ。 簡単に復習しておくと、このType 550 の小麦粉は、 「灰分(かいぶん)量(ミネラル量)が0.55%」という意味だ。
そこで、前回の反省に基づき、以下のものを用意して、時間が取れるまで辛抱強く待つことにした。
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↑『解説がくわしいドイツ語入門』発刊 [03/03/2014]
2013年春、きちんとしたドイツ語の入門書を書いてくれませんか、という依頼を受けました。 しばらく前から、中級ドイツ語の解説を書きたいと思っていたので、 当初は入門書(=初級)を書くつもりはなかったのですが、説得されてしまいました。
↑LCDパネル不良:横じまが縦に発生(ThinkPad X220 Tablet) [03/01/2014]
ある日、朝いつものように ThinkPad X220 Tablet を開いたら、 今まで見たこともない横じまが縦にベルト状になって表示されていた。 この横じまは、幅が4cm 位でチラチラする。 まずは電源ケーブルを疑い、 画面に模様が入る という Lenovo のサイトの情報をもとに検証した結果、 これはやはり LCD パネルのハードが故障したのかな、と思った。
...
いろいろと観察している内に、 LCD パネルを前後に動かすと模様が濃くなったり薄くなったりすることに気がついた。 さらに、うまくLCD パネルを後ろから押してやると、一時的にかなり改善する。 この縞模様は、(1) 出る位置がいつも同じであること、 (2) 画面をキャプチャーしても何も映らないことから、もう決定的に LCD パネルの不良であることを確信した。 実際に、幅広い縦縞が画面に表示されたり、表示ブロックがかけたりする - ThinkPad T400s, T410s, T410si という報告も Lenovo のサイトにあった。
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↑国語辞典の中の「日本」 [02/22/2014]
2013年12月20日に発売された多和田葉子氏の 『言葉と歩く日記』(岩波新書:新赤版 1465) を読んだ。私は多和田葉子氏の作品をこれまで読んだことがないのだが、 『言葉と歩く日記』はなかなかおもしろかった。多和田葉子氏は、 同書の後書きによれば、「22歳でドイツに移住」し、「31年」ドイツで暮らしてきたそうだ。 彼女はドイツ語と日本語を使って作品を書いている現代の作家だ。 さらに彼女は、「今も日本語とドイツ語の関係が自分の中で日々変化していくのを感じる...」 (同書の後書き P.231)そうで、同書の成立過程に関して以下のように説明している。
...[中略]...
『言葉と歩く日記』の P.64~65 に『広辞苑』(第四版)で「日記」という単語を引いた時の話が書かれている。 「日記」という単語が載っている次のページに「日本」という単語が載っていて、...
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↑さよなら HL-5070DN、こんにちは HL-3170CDW [1/19/2014]
BROTHER HL-5070DN は、 2003年11月13日にメーカー希望小売価格(税別)79,800円で発売されたポストスクリプト互換レーザープリンタで、 気がついたらもうかれこれ10年も使っていた。 ペーパーハンドリングもよく、Linux ドライバも(その時々、ドライバの相性があって使い勝手が変化したが、一応)ちゃんと動いていた。 しかし、今回仕事で大量のプリントアウトをしていた時に不調になり(弱り目に祟り目)、 ついに急遽買い替えることになった。 結果的には、 BROTHER HL-3170CDW というカラー・レーザープリンタを19,000円で購入。 この値段でカラー・レーザーというのは、やはり隔世の感だ。 カラーでなくても2桁違った時代があった。今回は、PostScript互換にはこだわらなかった。
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↑言い訳と「信念と事実」 [12/08/2013]
子供の頃、大人たちに怒られた時の思い出というのがある。 自分なりに理由があって、怒られるのが不当だと感じた時は、一生懸命に説明をしたものだ。 しかし、そんな時の大人たちの態度は、往々にして冷たかった。 「そんな言い訳は聞きたくありません!」 というのは、そんな時に聞かされる1つの決まり文句だった。
日本では、「言い訳」というのは、どうやら「好ましくないもの」、 「見苦しいもの」、「いさぎよくないもの」として扱われているように思う。 国語辞典を見てみよう。
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↑now arriving の話 [10/31/2013]
久野暲・高見健一著 (2013)『謎解きの英文法:時の表現』(くろしお出版)を頂いた。 「時の表現」即ち、時制というのは、昔は非常に抽象的で近寄りがたいものだと勝手に思っていたが、 近年は ATM(Aspect - Tense - Modality) をセットに考える分析が面白くなり、この本も帯につられてついつい読みふけってしまった。 実際の書物の帯は、 『謎解きの英文法:時の表現』くろしお出版 を見ていただくとして、今回は、その帯の裏に書いてある「成田空港でのアナウンス」について、記憶をもとにちょっと書くことにした。
成田空港でのアナウンス ... 続きは「雑多情報」へ
↑ブレーツェルの話 [08/26/2013]
2013年のオープン・キャンパスで、Brezel(ブレーツェル) の話をした(8月3日)。これまでは、「言語」の話、「ドイツ語」の話がテーマに関係するようにしてきたのだが、 英語や日本語の場合とは異なり、ドイツ語そのもののイントロダクションをしなければならず、 ある程度深い話、面白い話にまでもっていくのが難しい。 それならば、思い切って言語の話をメインにせずに周辺的なところからちらりと言語の話をして、 印象的に語ることも1つのやり方かもしれない、そう考えてテーマを探した。
ドイツの食材に関するネタを探している時に、 昨年、Herford に行く日の昼食に 2€ の Riesenbrezel mit Sonnenblumenkernen を買って電車の中で食べたことを思い出した。あれはおいしかった。 ... 続きは「雑多情報」へ
↑哲学者の目、言語学者の目 [08/02/2013]
6月のある日、西村義樹・野矢茂樹 (2013)『言語学の教室:哲学者と学ぶ認知言語学』中公新書2220 を頂いた。認知言語学の入門書としても使えるかと期待して読み始め、 楽しく読み終わった後、この哲学者の突っ込みはただものではない、 と思うようになり、さっそく以下の2冊を購入した。
野矢茂樹 (2011)『語りえぬものを語る』講談社.
野矢茂樹 (2012)『心と他者』中公文庫 857 中央公論社.
結論から言うと、どちらの本も非常に面白かった。 ... 続きは「雑多情報」へ
↑電子辞書を買い換えた話(EX-word XD-N7100) [06/19/2013]
2007年3月に、EX-word XD-GW7150 を購入して以来、 一回アップデートをしたものの、その後はずっとそのまま使い続けていた。 一部の周囲の人達が、新機種を使っているのは横目で見て知っていたが、特に魅力も感じずにいた。 2012年にEX-word のドイツ語版が、 『クラウン独和辞典』から、『アクセス独和辞典』に切り替えたという話を聞き、 「アクセス独和ってどうなんだろうか?」という相談を受けた。 「語彙数は多いよね」というのが当時の私の(しようもない)率直な答えで、 実際にそれ以外の面ではどうなのか、気になっていた。
6年間経って、新しいモデル(EX-word XD-N7100)を買う気になった動機はいくつかあるが、 ...
↑『実践 日本人の英語』を読んで [05/03/2013]
4月は、職場復帰で大わらわ。ようやく落ち着いてきたと思ったら、もう5月。 ふと見渡すと、まだ読んでいないいろいろな本が出版されている。 ハヤカワ文庫、ベスト&特選フェア「2011年最も売れた本」に入っていたマルコ・イアコボーニの 『ミラーニューロンの発見:「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学』は、 読んでいなかった。確かになかなかおもしろく書けている。 ついでに、E. Hatfield, J. T. Cacioppo and R. L. Rapson (1994) の Emotional Contagion. Cambridge: Cambridge Univ. Press も遅まきながら購入。やはり、感情は「うつっちゃう」のねぇ、と妙に納得しながらいろいろな引用に感嘆。 吉成真由美[インタビュー・編](2012)の『知の逆転』 NHK出版新書 395 も、そうそうたる顔ぶれの人達 (Jared Diamond, Noam Chomsky, Oliver Sacks, Marvin Minsky, Tom Leighton, James D. Watson) に惹かれて購入。いずれもなかなか面白いインタビューだ。 そうこうするうちに、2013年4月19日第1刷発行で出たばかりの マーク・ピーターセン著『実践 日本人の英語』(岩波新書(新赤版) 1420)を発見。 前著『日本人の英語』、『続・日本人の英語』も存分に楽しませてもらったので、今回も期待して購入した。
↑さよなら Ubuntu、こんにちは Linux Mint [03/31/2013]
ThinkPad X220Tablet にモバイル・マシンを変更してから、 軽くなったのはよかったのだが画面が狭いことにフラストレーションを感じていた。 ThinkPad X220Tablet でも、外部ディスプレイを接続すれば、 1,366x768 ではなく 2,048x1,536 までの表示ができる。だったら、この際、安くなった LCD を買ってみようと思った。
購入したのは、I・O Dataの LCD-MF234XPBR。
「最大解像度が1920×1080ドット、表示色数は1677万色、
コントラスト比は1000:1(ダイナミックコントラスト比8万:1)
視野角は上下/左右ともに178度で応答速度が中間色14ms(オーバードライブ時8ms)」
というのが、だいたいのスペック。およそ15,000円弱で、23インチというのは隔世の感がある値段だ。
本当は、27インチが欲しかったのだが、安かったのでこれで妥協した。
...
しかし、Ubuntu 12.04 でも、Ubuntu 12.10
でも、デジタルケーブルでつないで X の出力が安定しない。
...
X が立ち上がって10秒程度の間に画面が乱れてXがクラッシュし、そのうちにフリーズしてしまう。
ターミナルを立ち上げてエラーを確かめるだけの時間がない。
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ドイツ語の長い単語の新種は Eierköpferの新種だった。 [02/05/2013]
先日、夕食の席で「こんなの知ってる?」という例の話が始まった。 ドイツ語では、ながーい単語を比較的簡単に作ることができる。昔から有名 なのは、Donaudampfschifffahrtsgesellschaftsraddampferkapitän みたいなやつだが、これも、まだまだ長くできる。… 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑Haselnuss を食べる [01/11/2013]
Haselnuss は、近年では「ヘーゼルナッツ」と呼ばれることが多いが、 辞書を見ると「ハシバミ」とか、「ハシバミの実」と書いてある。 「ヘーゼルナッツ」という呼称は、英語の hazelnut から入ったものだが、 チョコレートやアイスクリームなどに入れたれたものが知られるようになって広まったような気がする。
昔、「灰かぶり」(Aschenputtel:≒「シンデレラ」)を読んだ時、
「ハシバミの木」(Haselbaum)が出てきて不思議に思ったものだった。
それは、こんな風だった。以下に3箇所引用する。
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デジカメとオート・モード [12/05/2012]
[デジカメを買い替えた]
RICOH の Caplio R5
だった。初めから欲しかった訳ではなく、
それまで使っていたデジカメがあまりにも故障続きで嫌気が差していたところ、
あるお店で店員さんに勧められて買ってしまった。
実に主体性のない購入の仕方だったが、Caplio R5 はおよそ6年使い続け、
結果的にはかなり気に入っていた。
たまたま、デジカメで撮影した画像を使った実験を行ったのだが、... 続きは雑多情報へ
↑ピダハン語は、再帰構造を持たない言語か? [10/04/2012]
あっという間に10月が来た。9月は、夏休み前にHさんから勧められていた Daniel Everettの『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』(2012) を読んだ。せっかくなので英語のオリジナルでと思い、途中から英語で読み、 その後で日本語版に戻り、次にドイツ語でも読んでみたくなりドイツ語版を読んでしまった(英語の用例の多くがドイツ語に変更されていて、違和感があった)。 あるキリスト教宣教師が妻と子供を連れてアマゾンのある地域に入り、 そこで話されている1つの言語を学び、 やがて言語学も学び、ついには生成文法の枠組みでこの言語を分析して博士号まで取った。 著者は、そのうち文化の重要性に気づき生成文法に懐疑的になる、キリスト教も捨て無神論者になる。 どちらかというと、フィールドワークの報告をエッセイ風に書いて、… 続きは雑多情報へ
↑ThinkPad X220Tablet へ [09/10/2012]
ThinkPad T60(1954-G2J) から、 ThinkPad X220Tablet (4294CTO) にノートPCを変更した。2012年8月末の時点で、 ThinkPad T60 は Vine Linux 6.1 にアップデートしてなんとか動いていたのだが、 サスベンド/シャットダウンができなかったり、不審な挙動が何度かあったので見切りをつけることにした。 ThinkPad X220Tablet を選んだのは、タブレット的な利用も想定していたからだが、 ThinkPad X1 Carbon がもう少し早く発売されていれば、そちらを選んでいたかもしれない。
スペックは、およそ次のようなものだ。 続きはLinux関連へ
↑0655 と 2355 はすごい! [08/15/2012]
2012年7月31日(火)に札幌コンベンションセンターで開かれた日本認知科学会夏のシンポジウムに行った。 タイトルは、「身体を体感する芸術 — 理性と感性の融合 —」。 4人の講演者の内、最初に登場する予定だった佐藤雅彦氏(東京藝術大学大学院教授、慶應義塾大学環境情報学部特別招聘教授)は、アクシデントがあり最後に登場。 佐藤雅彦氏は「情報が欠如した表現 — 見るに値すると判断された視覚情報」という... 続きは雑多情報へ
↑ペンシルベニアから帰る [07/24/2012]
短期間だが、ペンシルベニアに行っていた。 「無事に帰ってきたの?」と聞かれたので、本来の目的とは関係のない「セミ」と「ネコジャラシ」と「モンシロチョウ」 の話をメインに書くことにした(本論は、日本独文学会のコラム 「ペンシルベニアへドイツ語を求めて」(2012-08-10))。 場所が違っても、同じ(ような)生き物・植物を見つけると、けっこう嬉しかったりする。 続きは雑多情報へ
↑Schirach を読む [06/09/2012]
日独協会「ドイツ語圏文化セミナー49」:酒寄進一氏による<ドイツミステリが熱い!!> で、Ferdinand von Schirach を勧めるにあたって、 まずは、Verbrechen (2009) を、そして、次に Schuld (2010) を読んだ。短編集なので、がちっとした長編を読まないと読んだ気がしない、という人には向いていない。 自ら、刑事弁護人 (Strafverteidiger) でもあるという著者 Ferdinand von Schirach だが、 読んでびっくりするのは、その飾り気のないコンパクトなドイツ語表現だ。 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑嗚呼、スマホ [05/09/2012]
2012年2月27日に、長年利用してきたnifty から、以下のようなメールが来た。
[...]この度、@nifty(アット・ニフティ)で提供しておりますモバイル接続サービス「AIR-EDGE対応PHS端末接続サービス」提供につきまして、
サービス多様化に伴い見直しをおこなうこととなりました。
その結果、サービス開始後多くのお客様にご利用いただいて参りましたが、
本サービスについては残念ながら2012年6月30日をもってサービス提供を終了させていただくこととなりました。
お客様には大変なご迷惑をお掛けし誠に申し訳ございませんが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。[...]
AIR-EDGE の私の利用状況は、確かにこのところ急速に減少していたので、
この際、何か新しい解決法を考えねばならないと思っていた。
外出中にネットが使えるという意味では、スマートホン(以下、「スマホ」)に移行すればそれで済むだろう、と考えた。
そこで、さっそく…
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直接操作感と身体の拡張 [04/05/2012]
Bamboo CTH-470 は Vine Linux 6.0で動かなかったが... [04/04/2012] で書いたように、実は、ペン・タブレットという製品を初めて使ってみた。 手元のタブレットは、センサー付きの板のようなもので、そこに画面はない。 専用のペンでそこに絵や文字を描くと、ディスプレーに絵や文字が現れる。 もちろん、手元のタブレットには、絵や文字は残らないので、 ヴァーチュアルな黒板みたいな感じだ。 普通に文字を書く時は、手元を見て、 鉛筆なら鉛筆の先が紙の表面に作り出す軌跡を目で追いながら線を描いていくことになるが、 ペン・タブレットの場合は、 手元には何も残らないので、手元を見ずにディスプレーを見ることになる。
使ってみると、不思議な違和感を感じる。 それは、… 続きは雑多情報へ
↑『ドイツ文法へのプロローグ』第5刷 [03/10/2012]
2012年1月27日に郁文堂から在庫が僅少になったから、 第5刷を出すという知らせを受けました。 この機会に、たまった小さな修正をすることになりました(第2版を作るという話は、残念ながら出ていません)。 以下に今回修正を加えた10箇所を列挙しておきます。 続きは、Prolog zur DG (Errata)へ
↑おや、ffmpegがない? [03/03/2012]
コマンドラインで使える video converter として、 あるいは、 Digital VCR and streaming server として、Unix/Linux 系ではゆるぎない立場にある ffmpeg が、気がついたらインストールされていない状態になっていた。 Synaptic で見ると、 self-build-ffmpeg-0.6.4-1vl6.x86_64 がインストールされているが、 肝心の本体のffmpeg-0.6.4-1vl6.x86_64が、 Vine Linux 6.0 (Haut Brion) にインストールされていない。 ということは、self-build が失敗している可能性がある。 続きは、Linux関連へ
↑Tee vs. Ocha [1/30/2012]
「あったかいお茶でもいかがですか?」と言われると、断りきれずにずるずるとお邪魔してしまうことがある。 田舎でのコミュニケーションでは、「まあお茶でも」と始まることが多い。 そんな感覚で、ドイツ語で Wie wär's mit warmem Tee? とか言うと、 「??」とびっくりされてしまう。 warm (deutsch) ≠ atatakai (japanisch) なのだが、これは、言語文化的違いだという人もいるが、 そうではない、というのが今回の話。
元はと言えば、拙著『ドイツ語文法へのプロローグ』を... 続きは、ドイツ語あれこれへ
↑ああ、2011年! [12/28/2011]
2011年も年末になり、12月26日に政府の原発事故調査・検証委員会(委員長・畑村洋太郎)の中間報告が出たため、 テレビではあちこちのチャンネルで原発事故の特集を組んでいる。 時間的余裕が多少できたので、見てみたい気もするが、 見て失望することも予想できるので、ほとんど見ていない (12/27のNHKには、原発事故調査・検証委員会委員長が出ていたのでちらりと見た)。 というのも、今回の福島第一原発事故のテレビ報道があまりにひどかったからだ。 日本のテレビと新聞が、これほどまでに駄目なメディアだということを思い知らされたのが、 2011年だった。
3.11直後の原発事故の問題点として、 … 続きは、雑多情報へ
↑IEとISO-2022-JPの関係 [12/11/2011]
IE 9 から、日本語のエンコーディングで、
ISO-2022-JPが選べなくなっているという話を聞いたのは、
2ヵ月ほど前だった。でも、IE 8 や、
IE 7 でも同様な状態になることにようやく気がついた。
そう、Windows Update が書き換えてくれていたのだ。
… 続きは、雑多情報へ
なぜ、いまだにこんなに多くのIEユーザがいるのか? [12/10/2011]
私は、 Microsoft Windows を使ってはいるが、 場所と用途は限定されているので、 IE(Internet Explorer) はめったに使わない。 しかし、今年、ある別のサイトで、日本語のエンコーディングを ISO-2022-JP にしておいたら、 文字化けして読めない、という知らせをうけた。結局、結論は、 「IE を使っていると、 ISO-2022-JP でエンコードされたサイトは、読めないことがある」ということだ。 しかも、その挙動はバージョンによってことなる。 いろいろ調べてみた結果、どうやら Shift-JIS でエンコードすると、この種の文字化けは起きないようだ。 UTF-8 でも多分それほど大きな問題は起きない。結局、 そのサイトにあるすべてのページをShift-JIS でエンコードし直すはめになった。
問題は、ページのヘッダーに <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=iso-2022-jp" /> と書いておいても、IE(バージョンによって)は、ディフォルトでこの日本語エンコーディングを使わない、という点だ。 これは、たとえて言えば、
「この後は、ドイツ語で話すからね。」と言って、
Thomas war rot.(トーマスは赤くなっていた。)
と言った時、
聞き手が勝手に、英語で解釈し、
「トーマス、戦争、腐敗」
と解釈して平然としているようなものだ。
つまり、あらかじめ決めておいたことを守らない、ということ。 その意味では、「赤信号が点灯したら停止、ということにしましょう。」と決めておいても、 その後で、赤信号が点灯しているのを見て、止まらないようなものなのだ。
では、なんで「このような仕様」の IE が、
特に日本でこんなに多く使われ続けているか、
というと、それには2つの理由があるように思える。
1つは、 IE が Microsoft Windows に標準で付いてくるブラウザで、
それに慣れてしまっているから、もう1つは、…
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『独検対策 2級新問題集』について [11/23/2011]
2011年9月25日に、『独検対策 2級新問題集』が発売になった。 もうすでに2ヵ月あまりの月日が経ったが、あまり広告も見かけない。 献本も遅れているので、なんとなく宙ぶらりんな感じで、 本日はドイツ語技能検定試験(独検) の試験日になってしまった。 そこで、区切りをつける意味でも、執筆者の一人として今回の問題集に対して一言感想を書いておくことにした。
今の独検2級が新設されたのは、2008年秋からで、今日(2011年11月23日)行われる試験を入れれば、合計7回行われたことになる。
準1級(旧2級)と3級の間に新設されたこの「2級」(以下、「新2級」と略)は、これまでになかった中級レベルということになっている。
今回出版された(2011年9月)『独検対策 2級新問題集』は、
2010年秋の試験までの5回の分を過去問題として取り入れて解説し、
独自の問題を加えたものだ。2011年春の問題も入手していたが、
…
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原発事故 vs. 事故で破損した原発 [10/12/2011]
2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第1原子力発電所の事故に関する一連のドイツ語報道を収集していて、 日本語とは違ういくつかの表現に気がついた。 いずれ、「ドイツ語で語る原子力問題」なんていう表現集をまとめるつもりだが(本を作っても売れないでしょうね)、 今回はその前フリとして、3つの表現をピックアップしてみる。
Vine Linux 5.2 から 6.0 へのアップデート [08/12/2011]
OS のバージョンアップというのは、うれしくもあり、 不安でもある。今、使っているハードウエアの性能を精一杯発揮できるようになるかもしれないし、 一方では、ひょっとして時代から取り残され、特定のハードウエアが、もうサポートされなくなる可能性もあるからだ。 ソフトウエアのアップデートは、基本的に大歓迎だが、本当に改善されているのかどうかは、使ってみるまでは分からない。
2011年8月6日に、Vine Linux 6.0が正式にリリースされた。 Vine Linux 5 から約2年ぶりのメジャーバージョンアップだそうで、 時間が経つのが早いと感じさせる。 今回は、たまたま仕事の合間だったので、 さっそくADM64/Intel64 PC (64bit) 用 DVD/USB ISO イメージをダウンロードして DVD に焼き、ThinkPad T60(1954-G2J) のVine Linux 5.2 をアップグレードすることにした。結論的には、今回のメジャー・バージョンアップは、 プラスの面が大きく、大歓迎だった(感謝 > Project Vine)。
節電と『電力不足説』 [08/01/2011]
0. イントロ:「消費は美徳」な社会での「節電」
「福島第一原発大爆発」以来、東京電力管内では「原発が停止しているから電力不足だ」(=電力不足説)、だから、
「節電しないと、今年の夏は乗り切れない」という認識が広まり、あちこちで大規模に節電が実行されている。
電気使用制限等規則と
電気事業法第27条による電気の使用制限の発動
に基づき15%の節電を義務づけられている大企業だけでなく、
一般家庭でも節電をしようと呼びかけられ、実際にかなり実行されているように思う。
照明が減らされた東京都内のターミナル駅、ふだんから明るすぎると思っていたので、けっこういい感じになった。 駅のエスカレーターが間引き運転中で、それに伴ってあのうるさいエンドレステープも止められたのは、大変結構だ。 研究室の蛍光灯も、強制的に2本抜かれてしまったが、特に困る明るさではない。節電は、「無駄な電気を使わないようにする」 という観点からは、大賛成だ。ただし、私の場合は「原発が停止しているから」電力を節約しているのではない。ここが重要だ。
そもそも、資本主義社会では、「消費は美徳」という考え方が支配的だ。簡単に言ってしまえば、 消費者は、どんどん商品を購入し、生産者は、どんどん商品を生産する。それで、資本主義経済が回る。 消費者が商品を購入しなくなると、「消費が落ち込んだ」、「消費が冷え込んでいる」と言って、深刻な事態に陥っていると大騒ぎをする。 商品とここで呼んだものには、さまざまなものがあるが、「電気」も実は商品で、電力会社は「電気」という商品を売って儲けているはずだ。 そうすると、「節電」して、「電気が売れなくなる」と電力会社は困るはず。それにもかかわらず、 電力会社も政府もしきりに節約を呼びかけている。変ですねぇ。
Ubuntu 11.04 でエプソンのスキャナGT-F570を動かす [07/17/2011]
どたばたと日々仕事に追われながら、6月についにスキャナを設定する必要に迫られた。 普段なら、きちんと手順をメモしながら進めるのだが、今回は記録が曖昧だ。結果としては、xsane もiscanもちゃんと動いている。手順は、 エプソン アヴァシス(株)のサイトから、 Linux用のダウンロード・ページへ飛び、 RPMをダウンロードして、alien パッケージでdeb ファイルに変換してインストールし、その後、いくつかの設定をする、 という流れだ。
ようやく自作: Sandy Bridge のUbuntu マシン [06/09/2011]
2011年3月11日に、これまでつかっていた自作機(2005年12月組み立てた 4P800-E Deluxe, P4 3GHz) が地震で故障してそもままになっていた。 なんとかディスクトップ機を動かさねば仕事上も支障がでるので、一時は安い出来合いのマシンを購入するか、 中古製品に手を出そうか迷っていたら、2ヵ月近く経ってしまった。 何しろ、次々と仕事が押し寄せ、それに従って締め切りもどんどん増える。日々福島第一原発を気にしながら、 もう自作なんて無理だ、と一時は思ったが、「日経Linux」2011年5月号に勇気づけられ、少しずつパーツをそろえ、 少しづつ組み立てれば何とかなると思い始め、一ヶ月前から実行に移し、5月末には完成した。
結果としてみると、「日経Linux」2011年5月号のマシンと構成的には...
「ただちに安全上問題が生じるわけではない」なんてダメ! [05/02,03/2011]
2011年3月11日14時46分頃、宮城県牡鹿半島東方130km、深さ24kmを震源とするマグニチュード9.0の「東日本大震災」が起こり、 地震、津波、そして福島第一原子力発電所の事故が日本列島を今日まで震撼させ続けている。この3月11日をもって、 どうやら日本は見えないところで大きく変わってしまったように思う。今日は、もう一方で変わらない一面に関して一言。
[...]
被災地の映像、その後、福島第一原子力発電所の情報を見たいために、 テレビを見続けていたが、気がつくと AC ジャパン(旧:公共広告機構) の CM を「繰り返し」見させられ、 金子みすゞ原作の「こだまでしょうか」などには、かなりやられてしまった。 ...
「頼むから、繰り返さないで!」 [03/07/2011]
「日本のニュースは、なんでいつも同じニュースを繰り返しているんだ?」と、在日暦の長いドイツ人の友人に尋ねられたことがある。 その時は、さして気にしてもいなかったのだが、その後よく観察してみると、本当にその通りだということにしばらく前に気がついた。 気がついてみると、気になってしようがない。 NHK のニュースなどは、本当に繰り返しが多い。最初にヘッドラインを紹介し、そのニュースの場面では さっき言ったばかりのことを、また繰り返し、さらに最後に今日のニュースのまとめ、とか言って、また繰り返す。 私の知っている限りにおいて、アメリカ、イギリス、ドイツのテレビニュースでこんなに繰り返すのは見たことがない。
世の中、絶えず新しい出来事が起こっている。その「新しいこと」を知らせてくれるはずのニュースの中身が、 同じことの繰り返し、というのはいったい何なんだろう、と不思議に思っていた。それだけの時間があれば、 もっと多くのニュースを伝えられるのに、なぜそうしないのだろうか。民放のニュースも繰り返しという点では、 大差はないし、そもそも、ニュースの中身が表面的であまりにも薄い。気がつくと、はるかに多くの時間を芸能ニュースに使っている局もある。 もうテレビでニュースなんか見るな、という声もあるが、ニュース以外にテレビを見ようという動機はほとんどないので、どうしようもない。
うがった見方をすれば、日本のテレビ局は、そもそも、多くのニュースを報道しようという姿勢がない、 ということなのかもしれない(ニュース専門チャンネルとかいうのも、某民放で始まっているらしいが、未確認)。 ここには、視聴者が興味を持つだろうと一方的に考えたニュースをよりすぐって、それだけをリピートする、という構造があるように思える。
一方、こんなに繰り返しをしているニュースに苛立ちを感じている人があまりいない、というのも驚きだ。 聞いていても聞いていないのかもしれない。繰り返し耳から入ってきている情報は、無視しているということだ。 ...
Wine で、MS-Word [01/26/2011]
Wine と言っても、飲み物ではなく、 " Wine is an implementation of the Windows Application Programing Interface (API) library, acting as a bridge between the Windows program and Linux. " (wineusr-guide.pdf, P.2) のこと。 Vine Linux 5 リリース直後は、Wine の x86_64版が提供されていなかったために、 qemu-0.9.1 をインストールして使い始めたが、kvm が動かないため、 kqemu-1.3.0 をさらにインストールして時々使っていた。しかし、やはり重い。 VMWare-Player 3.1 は、それ自体は快適に動くのだが、 コマンド・ライン端末でのエコーバックが微妙に遅くなり、いらいらして嫌気がさし、消してしまった。 そうこうする内に、またまたMS Word を使うことを指定した仕事がばたばたと入ってきて、 悲鳴をあげていた。そんな時、 Wed, 19 Jan 2011 にMLに以下のような情報が流れた。
謎解きは科学者への第一歩 -- 謎の紙袋 -- [01/10/2010]
昨年の年末、地元の本屋で、遠藤秀紀著『ニワトリ:愛を独り占めにした鳥』(光文社新書 445)を購入した時のこと。 「カバーをかけましょうか?」と問われたので、「あっ、そのままでいいです」と答えた。ドイツだったら、 さしずめ Geht so. というのに相当するなあと思っていると、本屋の店員は、 がさがさとレジの下の方から、再生紙から作ったような紙袋を出し、その中に本をポイと放り込んで、 セロテープでとめて、こちらに手渡してきた。ドイツなら、いったん Geht so. と言ったら、 もう本にレシートを挟んでそのまま差し出してくるのに(東京の一部の駅の本屋でも、最近はこのスタイル)。 紙袋なんていらないよ、と心の中で思いながら、その紙袋を見て唖然としてしまった。そこには、 意味不明な以下のような英文が並んでいた…。
「ペン回し」ドイツ語の小説に発見! [12/20/2010]
Daniel Kehlmann の Ruhm を読んだついでに、
Unter der Sonne を読んでいたら、
「ペン回し」らしき記述が出てきた。「ペン回し」というのは、英語では、pen spinning
というらしいことは知っていたので、ドイツ語の Wikipedia のサイトを見てみると、
Penspinning という項目があり、
Stiftdrehen という言い換えが載っていた(最終更新履歴 am 31. Oktober 2010 um 01:23 Uhr の時の記事)。
そこでは、「ペン回し」は、どこでもできるので、生徒や大学生によって授業中に好んで行われると書いてあり、
笑ってしまった。また、「ペン回し」とバトン・トワリング(Stabdrehen)やジャグリング(Jonglage)
との共通点が指摘されていたのも面白い。(ちなみに、独和辞典では、Jonglage
が載っていない。バトントワリング(baton twirling)にあたる Stabdrehenは、独独事典にもない。)
で、さっそく、 Kehlmann に載っていた例文から紹介する。
カーソルは上へくっつき、バッテリーは65%で「わずか」と言った。 [11/15/2010]
ノートパソコン、あるいはラップトップ・コンピュータの寿命はどれくらいだろうか? 周囲の人達を見ていると、2〜3年で買い換えるという人達が多いような気がする。 今、私が使っている ThinkPad T60 は、2006年製。現在4年目だ。 まだまだ使えると思っているのだが、「物持ちがいいねえ」と言われたこともある。 一般的に、ハード、ソフトのどちらかの面で、 コンピュータをかなり使い込んでいる人ほど長く使う傾向があるように思う。 中古のノートパソコンを激安で購入して、Linux 系の OS を入れて活用している人達もいる。 「2〜3年で買い換える」のは、もったいない。 Windows が重くなって動きが遅くなったからという理由で買い換えるとしたら、もっともったいない。
ただ、どんな機種でも、長持ちするかというとそうではない。 結果から言って、 ThinkPad T60 は結構優秀な部類に入ると思うが、しかし…
トラブル (1)
先日、しばらく使う内に、カーソルが画面の上の左にくっついてしまった!
しばらく観察していたら、どうやらコンピュータ本体が熱を持ち始めてしばらくしてから起こること、
タッチパッドの右側あたりに触れると、カーソルが変な動きをすることがわかり、
どうやらタッチパッド周辺の問題だと思うようになった。…
赤ん坊は哲学者? -- Gopnik (2010) を読んで -- [09/27/2010]
突然9月23日になって、夏が終わっていることに気がつかされた2010年。猛暑の中で読んだ本の中で記憶に残るのは、 Gopnik, Alison (2010) The Philosophical Baby: What Children's Minds Tell Us About Truth, Love, and the Meaning of Life. New York: Picador. だ。幼児の言語習得に関する一般書(ポピュラー・サイエンス物)だが、 簡潔で分かりやすく、さらに、問題の本質をそらさない筆者の意気込みが伝わってくる良書だ。
「簡潔で分かりやすい」というと、外山滋比古『読みの整理学』の言葉では 「既知を読む」アルファ読みに分類されてしまうが、…
ウムラウトと pdf と LaTeX の関係 (2) [08/17/2010]
奥村晴彦著『[改訂第5版]LaTeX2e美文書作成入門』 (技術評論社,2010年8月5日,ISBN978-4-7741-4319-4,C3055,DVD-ROM付,本体3180円+税) が発売になっていました。俗に『美文書』と仲間内では呼ばれていたこの本、TeX 関連の本として、1997年に初版が出て以来、実に13年、[改訂第5版]というのは金字塔です。 ただ版を重ねるというのではなく、その都度、焦点が変わり、最新版ではついに付録ソフトもDVDに収録されるようになった、 というのは隔世の感があります。
で、第12章「欧文フォント」に関する部分を読んでいたら、12.4 「ファイルのエンコーディング」 の章があり、inputenc 関連の説明に次のような一節がありました。
[...]
続きは、LaTeX 関連へ
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Die Welle と日本の教育 [08/11/2010]
「08年ドイツ国内映画興行成績第1位!! 本国で240万人が熱狂! サンダンス映画祭で絶賛!」 という売り込み文句の映画 The Wave(2008)のDVDを、先日購入して鑑賞した。 2009年11月14日から、日本でもロードショーになっていたが、そのころ映画館へ足を運ぶ時間はなかった。 DVDジャケットの裏側には、次のような一節がある。
√ あなたも洗脳される!!
洗脳のルール
ルール1 先生には"様"をつける
ルール2 許可なく発言しない
ルール3 仲間は助け合う
ルール4 白シャツを着る
ヒトラーの独裁制は、現代でも簡単に繰り返される。
この「洗脳のルール」を読んで、「おや?」と思う人は多いと思う。 そう、日本ではけっこう普通の光景だからだ。 [...]
冬眠から目覚めなくても死んでいない! HDD/TuxOnIce/Vine 5.1 [06/30/2010]
ハードディスクを新しくして1ヵ月もたたない頃、またまた Vine Linux 5.1 が起動できなくなった。 今回は、クラッシュではないとの確信から、いろいろと調べているうちに、本当の原因は不明だが、問題はハイバネーション(hibernation(冬眠)) にあることが判明。結論としては、起動時に Grub から1つ前のカーネルを選択し、以下の (A) を (B) のように書き換え、 その場で b を押してboot し直すと、 無事に立ち上がった(書き換えた後にESCを押して戻ると、編集結果が反映されないので要注意)。
[...]
そもそも、最初の Western Digital のHDDも、同じように復活できたので、実は、クラッシュではなかった、 というアサハカな話だ。われながら、よく考えれば分かったのに、と今頃になって後悔。 それにしても、フリーズするのではなく、異常を検知したらリブートしてくれてもいいのに、と思う(異常を検知できなかった、ということかも)。 冬眠状態から覚めることがなければ、普通は、死んでしまったと誰もが想像しますよね(言い訳です)。
Vine Linux 5.1 で skype? [06/16/2010]
疾風怒濤の5月に、シンポジウムの打ち合わせのために、(今頃になって) 初めて Skype を使ってみた。最初、USB接続でソフトが不要のエレコムの UCAM-DLP130T(BK) を2,980円で購入したら、 これが不良品。しようがなくて、返品したついでにもう少し上の UCAM-DLV300T(BK) を4,980円で購入。 Skype会議は、 この Webcam を使い、 場所の関係から Windows マシンで行った。回線の状況から動画が見れなかったが、 音声は良好で2時間超の打ち合わせも無事に終了した。 [...]
UCAM-DLV300T は、Vine Linux 5.1でもハードウエアはちゃんと認識していたので、 動かすのは6月の課題とした。 [...]
結論から言うと、Vine Linux 5.1(x86_64) では、一見要件を満たすようだが、 gcc-4.1.2 に含まれる libstdc++.so.6 が GLIBCXX_3.4.9 に対応していないため、動かない。だったら、gcc のバージョンを上げればよい。 [...]
一通りリビルドが終了し、一時休憩と思いハイバネートしたら、ハードディスクがお亡くなりになってしまった(涙)。[...] 折も折、VMware Player 3.1(Build 261024) が 2010/05/25にリリースされていたので、 Ubuntu 10.04 と組み合わせれば、Skype が簡単に使えるかも、 と思った。[...]
ということで、今回は、Skype の話なのだが、結果的には、 Vine Linux 5.1(X86_64) 上で、 VMware Player 3.1(Build 261024)(X86_64) を動かし、その中で、 Ubuntu 10.04(32 bit) を動かし、 そこで Skype 2.1.0.81 を動かした、という話。 考えてみるとかなりの回り道だ。「人生、これすべて回り道」なんてネ。
"bigoted woman" は、なぜ失言なのか? [05/03/2010]
2010年4月28日、イギリスのブラウン(Gordon Brown)首相は、イングランド北西部のロッチデール(Rochdale)で遊説中、 労働党支持者ジリアン・ダフィー(Gillian Duffy)さんと話をした後、ニコニコして "Good to see you, good to see you." と連発しながら車に乗り込んだ。ただし、胸につけた Sky News 社のマイクのことをすっかり忘れていたため、 その後の会話がすべて報道陣に筒抜けになってしまった。総選挙前でマスコミからも注目されていて、テレビカメラも回っていたため、 その様子はあっという間に世界中に配信されてしまった。(見そこなった人は、YouTube で、 http://www.youtube.com/watch?v=TbhPWAMx2y0 ) などでその様子を確認できる。
今回、注目したいのは、ブラウン首相の使った "bigoted woman" は、なぜ失言なのか、 という点だ。日本の新聞がこれらの語をどのように日本語に訳して報道したか、 というところから始め、"bigoted" がどのような意味を持っているのか、 また、その語の歴史を少し調べてみた。
kluge は map hater の所産 [03/27/2010]
友人が最近読んだ本として薦めてくれた Marcus, Gary (2008) Kluge: The Haphazard Construction of the Human Mind Boston: Houghton Mifflin Company. を1月に読んだ。 タイトルからすると、なにやらドイツ語みたいだ、と思ったのだが、筆者 Gary Marcus によると、
A kluge is a clumsy or inelegant — yet surprisingly effective — solution to a problem.
Marcus, Gary (2008) Kluge: The Haphazard Construction of the Human Mind Boston: Houghton Mifflin Company. p.2
ということで、直訳すれば「kluge とは、不器用あるいはエレガントではないが、驚くほど効率的な問題に対する解決(法)」。もともと、 Marcus (2008: 3) によれば、ドイツ語の Kluge から来たもので(元々は、形容詞の klug(かしこい)) The Hacker's Dictionary of Computer Jargon によれば、 1935年にまで遡れるのだそうだが、ここでは、語源が話題なのではなく、「人間は、ハードウエアも kluge だが、 ソフトウエアも kluge だ」という主張が中心だ。http://klugethebook.com/ に、本の概観と筆者の紹介がある。
QEMU でWindows XP (Vine Linux 5.1) [03/04/2010]
「Windows は、できたら使いたくない」というのは、今でも偽らざる気持ちだ。 使わざるを得ない状況というのは、基本的に、Word, Excel, PowerPoint のデータをやりとりする時だけ。 「Openoffice.org writer で十分」と言えればいいのだが、残念ながらレイアウトは100%同じにはならない。 Vine Linux 4.2 の時は、 Wine を使って、Word を動かしていたのだが、Vine Linux 5.0 では Wine の x86_64 版が提供されていないので、 以前使っていた ~/.wine 以下のディレクトリにあるデータが無駄になっている。 この状況を打開する1つの策は、QEMU を導入し、そこに Windows XP 環境を作ってしまうことだ。
今回、2010年2月末の Vine Linux 5.1 へのマイナー・バージョンアップを機に、2009年11月にやりかけた QEMU のインストールの顛末をまとめておくことにした。…
ウムラウトと pdf と LaTeX の関係 [2/16,17/2010]
ドイツ語まじりの日本語の論文を、いつものようにLaTeX で書いて、pdf 化して提出した。そうしたら、ウムラウトの付いた文字がばらばらで原稿として使えない、と言われてしまった。 つまり、ü の替わりに、¨u となってしまうのだ。 Linux + LaTeX + Emacs が基本の人間としては、そんなことを言われても当惑してしまう。 なんとかならないかと実験する内に、気がついたら「PDFファイルの直書き」までしてしまった、というのが今回のお話。
事の顛末としては、今回は、幸いにして有能な方がテキストファイルとして保存したものを Word に吸い上げて、 文字置換をして再提出してくれたので、知らない内に片付いてしまった。感謝多謝 > Mr.E.
jok's Galerie オープン [2/09 /2010]
デジカメで撮影した写真をぱらぱら見ていたら、 一群の奇妙な写真があることに気がつき、公開してみることにした。 コメントは、ドイツ語なのであしからず。少しづつ、増やしていく予定ですが、更新予定は不明です。
翻訳本も、また楽し。 [12/25,30,31 /2009]
本を読む時は、できるだけオリジナルが書かれた言語で読みたい、と考えてきた。 翻訳本に特に敵意を抱いているわけではない。 でも翻訳というのは、半分(?)は翻訳者の作品だと思う。 だったらオリジナルに使われた表現の意味を100%理解できているか、と言われれば、 そんなことはないだろう。 そう考えると、オリジナルにこだわる意味は少し減る。
以前、『世界の測量』(Die Vermessung der Welt)の中の間接話法 でやったように、オリジナルと翻訳を比べてみるのは、実に面白い。 今回は、日本語がオリジナル、という形で日本語、英語、ドイツ語の比較をしてみた。
私は、コーヒーだ。 [11/23/2009]
その昔、「ぼくはうなぎだ。」のようないわゆるコピュラ文が、ドイツ語でも可能か、という議論をしたことがあった。 例えば、喫茶店に入って、飲み物を注文する時に、ドイツ語で、„Ich bin der Kaffee.“ のように言えるかどうか、という議論だ。
Bastian Sick (2009) Der Dativ ist dem Genitiv sein Tod, Folge 4. Köln: Verlag Kiepenheuer & Witsch. を読んでいたら、 Ich bin die gelbe Markise (S.146)という章があり、再びこの問題を思い出した。
Bastian Sick のこのシリーズも、これで4冊目となり、「柳の下のどじょう」 は、もういないよ、という感もいなめず、かなり新鮮味は欠いてきた。 と言っても、飽きてきたのは読者としての私の方であって、書き手の方に責任があるわけではないのかもしれない。 別にドイツ語だからといって特別な事情があるわけではないのだが、昨今の出版界、 ベストセラーがでると、その著者に第2、第3の同じような本を書かせて、<どじょう>を狙う、という風潮はある。 ただ、このシリーズ、基本的にネットのコラム(Zwiebelfisch-Kolumnen)なので、 ネットのコラムが終わらぬ限り、本として後追いして出版され続ける可能性はある。さて、いつまで続くことやら。
さて、問題を元に戻そう。日本語では、助詞の「は」は、... 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
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Openoffice.org 3.1.1 でドイツ語(Vine Linux 5.0) [10/09/2009]
一般人が時々使うようなソフトウエアのユーザー・インターフェイスは、 バージョンアップにおいても大きな変更をしない方がよいと思う。 イメージとしては、Microsoft Word のような製品だ。 この場合、一般ユーザーは極めて保守的なので、一旦慣れた使い方を大きく変えるようなユーザー・インターフェイスの設計をしてしまうと、 もう見向きもしなくなる。Word 2007 は、おそらくこのようなソフトウエアに属する。 Word 2003 以前のユーザーの中には、新しいパソコンの導入に伴って、 Word 2007 を強いられる場面に遭遇し、混乱し Word 2003 に戻ってしまったり、Openoffice.org に乗り換えるケースがある。 慣れているものを捨てて新しいものに飛びつくのは難しい のだ。
もちろん、このような総合オフィス・ソフトをプロ、あるいはセミプロの人達が使うとなると、話は別。 彼らは、細部に渡る特徴を使いこなしているので、場合によっては Word 2007, Excel 2007, PowerPoint 2007... を歓迎しているかもしれない。あるいは、新たなるバグと日夜戦っているかもしれない。
面白いのは、かなり使い込んでいる Windows ユーザーでも、 「コントロール・パネル」をわざわざ「古いもの」(classic) に切り替えているのをよく目にすることだ。 どこに何があるのかを、ユーザー・インターフェイス上で覚えている場合、なかなか他のシステムに慣れることができない例だと思う。
さて、Openoffice.org の話。
「フリーなオフィス・スィート」(Office Suite) として、MS-Office との互換性を保ちながら発展してきたもので、
... 続きは「Linux 関連」へ
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AX520N を wvdial で動かす(Vine Linux 5.0) [09/07/2009]
Vine Linux 5.0 から ppxp, tkppxp などがなくなり、
AX520N を今までと同じように動かすことができなくなった。
2年契約の使いたい放題で、学会出張でもバッチリだったはずが、これでは台無しだ。
そこで、急遽 wvdial を試してみることになった。
予想通り、NetworkManager が邪魔をしてくれたので、
ちょっと手間取ったが、一応動いたので、その顛末を書いておく。
... 続きは「Linux 関連」へ
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Vine Linux 5.0 インストール雑感 [08/31/2009]
2009年8月24日に Vine Linux 5.0 がリリースされた。 Vine Linux 4.2 からアップデートしたかったが、 少し様子を見て、クリーンインストールを選択することにした。 およそ2年半ぶりのバージョンアップであり、かなり大きくベースが変わっているからだ。 まだ、すべての移行作業が終わっているわけではないが、雑感をメモしておくことにした。 なお、インストールの対象は、ThinkPad T60(1954-G2J), Memory(1.5GB) だ。
1. 全体的印象
Vine Linux 4.2 と比較して、
ThinkPad T60(1954-G2J) では、
ハードウエアの性能をよりよく引き出すことができている。
具体的には、以下の3つだけでも劇的にパフォーマンスは向上する。
·x86_64 アーキテクチャー対応、
·TuxOnIce 採用によるハイバネーションの安定、
·X.Org X11 server 1.6 採用により、
Intel Graphics Media Accelarator 945GM にも対応。
... 続きは「Linux 関連」へ
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Word2003(ドイツ語版) の文法修正機能 [08/30/2009]
以前から試してみたかった Word の文法修正機能。 Wine on VineLinux 4.2 で MS-Word の環境ができたので、手軽に試せることを思い出した(VineLinux 5 へ移行する前の話)。 試した版は、Word2003 のドイツ語版。 今や、Word2007 や、 Word2008 が出回っており、 さらに、Word2010 まで射程に入っているので、 いささか古い情報となる。
Word2007 から、ユーザ・インターフェイスが大幅に変わり、
ただでさえ使い辛い Word が、ますます使い辛くなった。
この春、使わざるをえない状況に追い込まれて、
Word2007 で原稿を書いたが、
「リボン」に隠された機能(脚注機能など)がなかなか見つからなかったり、
Excel
の表を張りつけたら、プリント時に右端が印刷されなかったり、
<怒り>の連続だった。
Word2007 の文法修正機能がどれだけ進化した(?)のかは、
分からないことを最初に念を押しておく。
... 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
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「傷は消毒しない方がいいんです。」「えっ?」 [08/22/2009]
2009年1月のある日の午後、私は階段から足をすべらせて落ちてしまった。 気がついた時は、石の階段の踊り場に顔から落ち、 落ちた衝撃で重くずっしりとした痛みを感じながら立ち上がると、 顔から血がしたたり落ちていた。 急いで近くの水道で顔を洗い、緊急外来をやっている病院に駆け込んだ。 緊急外来といっても、受付でどのような状態かを判断され、 本当の緊急(?)の患者はすぐに診察となるが、 私のような本当の緊急ではない(?)患者は後回しになる。 30分程度待たされたので(その間、水で洗浄した患部にタオルを押し当てていたのだが)、しびれを切らして受付に文句を言いに行った。
私:「とり急ぎ消毒くらいしてくれてもいいじゃないですか。」
看護士:「水で洗浄してあるようだし、血も止まってきているので、大丈夫です。
消毒はしない方がいいんです。」
私:「えっ?」
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「チッコンッカッポカッポジュッジュッブチュ」 [07/31/2009]
[...]「読めない!」という人には、オリジナルの英語表記をご紹介。
tsk-pop-clip-clop-gee-gee-smack
こちらの方が分節化しているので可読性が高い。 試しに、表題の日本語表記の方も分節化してみると、 「チッ - コンッ - カッポ - カッポ - ジュッ - ジュッ - ブチュ」。
この言葉の正体は、コイサン語(Khoisan)
の吸着音(clicks)だ。
正確には、コイ語(Khoi)と、サン語(San)
なのだが、語族としてまとめてこのように呼ばれることがある。
コイ語の有力な方言、ナマ語(Nama)が専門家の間ではしばしば話題になるが、
南アフリカ共和国の北部、およびナミビアに分布するのがコイ語だ(ブリタニカ国際大百科事典電子辞書版参照)。
一方のサン語は、サン族(蔑称と見なされる Bushman,
Hottentot という呼称しか知らない人達がいまだに多いのは残念なことだ)
の言語。アフリカ南部、アンゴラ、ボツワナ、ナミビア、南アフリカの一部にサン族は暮らしている(同上文献参照)。
コイサン語の吸着音に出会ったのは、
ライアル・ワトソン著、福岡伸一/高橋紀子訳 (2009)『エレファントム:
象はなぜ遠い記憶を語るのか』木楽舎。
オリジナルのペーパーバック版も入手したのだが、こちらは、
Watson, Lyall (2003)
Elephantoms: Tracking the Elephant.
W.W. Norton &Co. Inc.: New York.
それぞれの本の引用箇所は、翻訳本がP.59, ペーパーバック版は、P.49.
もともと、象のコミュニケーションの様態に興味があって購入したのだが、
象のコミュニケーションの部分は少なく、
むしろ、アフリカ象がいかに大量虐殺されていったか、
という悲しい過去(アメリカン・バイソンの大量虐殺の歴史を思い出してしまった)
と象の生態が中心だった。
吸着音との出会いは、まったく予期していなかった。
... 続きは「雑多情報」へ
↑
『世界の測量』(Die Vermessung der Welt)の中の間接話法 [06/21/2009]
[...]
2005年に発売された Daniel Kehlmann の
Die Vermessung der Welt
(Rowohlt Verlag GmbH:Reinbek bei Hamburg)
は、2007年にドイツの本屋で平積みになっていたので手に取り、
面白そうだと思って購入していた(入手したのは、2007年1月の第36版)。
その後、ぱらぱらと30ページ程読んだところで、別の本に浮気してしまい、
家のどこかに消えてしまっていた(時々起こる行方不明事件)。
忘れかけていたところ、
2009年4月6日に朝日新聞(The Asahi Shimbun Globe, G-7)
に ダニエル・ケールマンのインタビュー
が掲載されているのを読み、この際、三修社
から瀬川裕司訳で出版されている日本語訳
『世界の測量』
と読み比べてみるのも面白いかな、と思い、急遽、邦訳を購入して読んでみた。
『世界の測量』(初版が2008年5月20日)は、2009年6月4日に amazon 経由で購入したが、
入手したのは、2008年7月20日の第2刷だった(後日、書店で、7月30日の第3刷を発見)。ということは、
順調に売れたのは、最初のうちで、その後はあまり売れていない、という状況かもしれない。
日本語訳は、土日にかけて読み終え、ドイツ語のオリジナルは、
土日では終わらずに、空き時間を利用して一週間かけて読むことになった。
... 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑
なーんだ、USB マウスか! [05/11/2009]
[...]
Windows + PowerPoint の発表形式がいつ頃から広まったのか、
定かな記憶はないのだが、私自身の事を振り返れば、
Magic Point を使って学会発表をしたのが2001年だったから、
その1〜2年前だったと思う。それまで、unix
系のOS しか使っていなかったはずのある研究者が、
Windows は好きではないが、PowerPoint
はよい、とほめていた記憶がある。なんと節操がない、
なんてその頃は思っていたが、「良い物はよい」というスタンスに半分呆れていた。
今年が2009年なので、およそ10年前のことだろう。
時が移り、Linux の垣根も随分と低くなった。 「Linux は、Windows と違い、 原則的には無料なんですよ」と言っても、パソコンを買えばWindows が付いてくる時代。わざわざLinux をインストールする人は、 日本ではあまりいないようだ。Ubuntu などは、 標準設定でもWindows よりはるかに使い易いことを知らない人達が大多数だ。
Windows + PowerPoint のプレゼンテーションで、
これもあっという間に広まったのが、PowerPoint
のリモコン。「いいなあ」と思いつつ
「どうせPowerPoint 専用なんだろう」
と思い、「あれは何と呼ぶのだろう?」、
「あの正体は、Bluetooth かな?」
なんて考えていた。
... 続きは「Linux 関連」へ
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『月刊言語』(Vo.38, No.5)の書評「認知言語学」 [05/02,03/2009]
2009年1月、次年度の「認知言語学ゼミ」をどのように展開するかを考えつつ、 研究費残金で認知言語学関連の和書を30冊、洋書を10冊程購入した。 通常、和書はめったに買わないのだが、 学部学生にいきなり英語の本をテキストとして与えて、すんなりと授業ができる訳ではないので、 参考図書として和書の購入に踏み切った。 時、ちょうどシラバスのネット入稿締切日が迫っている頃。 とりあえず、方針を決め、図書を指定し、購入した本を仕事の合間に読み耽っている2月のある日、 原稿依頼のメールを受け取った。
認知言語学関係の書評の依頼だった。 時期としては、まさにピッタリ。
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人間以外の動物も「教える」のか? [03/31/2009]
3月11日の京都新聞に「母ザル、子に『教育』行動」という記事が掲載された。 まずは、記事のリードの引用から。
人の髪を使って歯磨きする野性のカニクイザルの母親は、 子どもが見ていると髪を何度も口から出し入れするなど大げさに道具や使い方をみせる教育のような行動をすることが、 京都大学霊長類研究所の正高信男教授(霊長類行動学)らのグループの研究で分かり、 米科学誌「プロスワン」で十日に発表した。
見出しにあるように「教育」と括弧付きであり、リードの中でも「教育のような行動」 と紹介している。 この行動をするのは、「タイのバンコク北東部に生息するカニクイザル」で、 なんと「女性の肩に乗って髪を抜き、両手にもって歯にはさまった食物の断片を取り除く『歯磨き行動』」をするというのだ。 そして「歯磨き行動」を子ザルに「教えている」ように見えなくもない (京都新聞の記事では、母親ザルが子ザルに「歯磨き」を「教えている」ように見える写真付き)。 この新聞記事の最後の方で、正高教授の以下の言葉が引用されている。 ... 続きは「雑多情報」へ
↑豊島清掃工場見学会 [02/25/2009]
すでに2ヵ月以上経過してしまったが、2008年12月13日(土)に豊島清掃工場を見学した。 池袋駅の近くに立つのっぽの「ビルもどき」(=実は煙突)は、 しばらく前から気になっていた。 気がつくと同様の「のっぽビル」が都内のあちらこちらに見られる。ネットで調べると、 清掃工場の煙突であることはすぐに分かったが、なんとか見学できないものかと思っていた。
そんなに簡単には見つからなかったのだが、
最終的に東京二十三区清掃一部事務組合
のサイトに行き着き、
清掃工場個人見学会
のページにまでたどりついた。
上記の「東京二十三区清掃一部事務組合」(略して『清掃一組(せいそういちくみ)』と言うそうな)
のサイトには、21か所の清掃工場がリストされており、
「原則、東京23区在住または在勤・在学の方。ただし、それ以外の方でも見学できます。」
と明記してあった。また、申し込み方法は以下のように記されていた。
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Wine on VineLinux 4.2 で MS-Word [01/30/2009]
日々、MS-Word の添付ファイルが送られてくるが、その多さには辟易。 OpenOffice.org で読めるから、別に気にしないと公言していたが、 最近は平気で docx ファイルを添付してくる人もいる。 さらに、論文の添削ともなると、レイアウトも問題になり、 しようがなく仕事場の Windows XP に持っていきプリントアウトすることになる。 docx ファイルは、ODF Converter をインストールした Ubuntu の OpenOffice.org で変換して読めるが、なんとも不経済。 MS-Word を使いたくないという気持ちは強いが、 考えてみると新しいコンピュータを買うたびに Windows は付いてくるし、おまけに数年前には、ドイツ語版の Windows XP と MS Office も購入している。意図しない内に、Microsoft にちゃんとお金を吸い取られている構図だ。 先日のハードディスク装換でハードディスクからWindows XP を追い出したものの、 MS Word は持っているのだから、 この際 Wine 経由で、 VineLinux 上で使ってみようと思いたった。 基本的にレイアウトが崩れずにdoc ファイルを読めればよいのだ。
Wine は、 http://www.winehq.org/ でGNU LGPL の元に配布されている「フリーソフトウェア」で、 Unix 環境のための Windows 互換レイヤーだ。 このレイヤーのおかげで Windows のプログラムを Unix 環境で手を加えずに動作させることができる可能性がある。 つまり、すべてのプログラムが問題なく動くことが保証されている訳ではない。 Wine Application Database を参照すると、どのようなアプリケーションが動作するか、およその見当がつく。
すでにベータの時から、... 続きは「Linux 関連」へ
↑ブート可能USB disk作成(Ubuntu 8.10) [01/11/2009]
Ubuntu 8.10 では、 ブート可能 USB disk の作成が簡単にできるようになった。 USB boot ができるコンピュータであるという条件があるが、 ちょっと他人のコンピュータを借りて仕事をする場合に、 ハードディスクに何の情報も残さずに自分の仕事ができる。 また、ハードディスクがクラッシュして再起動できなくなった場合にも、 USB からブートして部分的にデータを救出できる可能性がある。
そんなことを考えながら、 I/O Data の TB-ST4G/K を 1,610円で購入。 もちろん、もっと低価格の製品もあるが、手堅く I/O Data を選択。それでも 4GB がこの値段なので、1GBあたり402,5円。 ブート可能 USB disk は、予想以上に簡単に作成できたので、 そのうち出番がくるかなと思っていた。
その矢先に、今度は本当に自分のハードディスク・トラブルに見まわれてしまった(涙)。 久しぶりにハードディスク売り場に行くと、いきなりワゴンセールで、 1TB の 3.5' が 8,000円台(頭がテラクラ)。 その足でバルクのハードディスク売り場へ行き、...
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↑刺激過剰社会とニューラル・ハイパー・リアリズム [12/24/2008]
もう2008年も終わり。締め切りに追われる生活からもちろん抜け出せるわけもなく、 ひとつひとつ仕事をこなしてはいるが、他方では積み残しの仕事が加速的に山積して行く。 そんな中で、 下條信輔著 (2008)『サブリミナル・インパクト:情動と潜在認知の現代』(ちくま新書 757)を読んだ。 下條信輔氏の一般書としては、『サブリミナル・マインド』(中公新書)、 『<意識>とは何だろうか』(講談社現代新書)に続くものだが、 「あとがき」で書かれているように、「空中分解寸前」なところがこれまでとは違う。 周到に一貫性を持たせた計画された本というよりも、テーマの周辺を追いながら、 脱線を繰り返しながら進んでいく、その<スリル>という観点からは、 これまでになかった<味わい>の本となっている。
現代という社会、つくづく刺激が過剰な社会だと思う。 過剰な刺激が満ちあふれているにもかかわらず、その刺激に馴れさせられてしまい、 気がつくと<もっと強い刺激を求めている>自分がいることを発見する、 あるいは、発見できない(気づいていない)、という状況に陥っているのではないか。
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↑Nichts ist perfekt. [12/01/2008]
「人間の不完全さ」というとおおげさだが、「最善を尽くした」はずでも、間違いは起こる。 気がついた時には、青くなり、へんこんでしまう。
今回は、先頃出した『独検対策準1級問題集』の誤植・間違いが発見された時のこと。 半分覚悟はできていたのだが、3人の目をくぐり抜け、なんと初歩的な人称変化の語尾が欠けていた。 なさけなくて、涙が出そう。
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↑『独検対策準1級問題集』について [11/10/2008]
10月31日に、『独検対策準1級問題集』(白水社)が出版された。 執筆者の一人として、背景を少し書いておくことにする。
まず、基本的には、『独検対策2級問題集』の改訂版として作られたものだ。 初版が1997年で、誤植の訂正や利用者からの間違いの指摘、フィードバックなどを採り入れ、第4刷までいっていたが、 過去問がすべて20世紀の問題のままだったので、さすがになんとかしなければ、と思っていた。 そこで、過去問を2000年以降を中心にすべて差し替え、傾向分析もそれに従って、変えることにした。
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↑悩ましき downloaden [10/31,11/7/2008]
ドイツ語に入って来た英語は、当然、借用語(Lehnwörter)だが、 特に英語風慣用語法(Anglizismus)とか、 アメリカ語法(Amerikanismus)と呼ばれ、 近年、その数はおびただしいものがある。 そんな中でも、downloaden という動詞が今回のテーマ。 この動詞は、当然ながら「ダウンロードする」という意味だが、 ドイツ語では、ちゃんとherunterladen という同じ意味の分離動詞が作られて使われていた。 しかし、いつのまにか、downloaden という動詞も現われた。
[...]
「クラウン独和辞典」第3版の電子辞書(XD-GW7150)で、downloaden を調べてみると、次のような記述がある。[...]
ご覧のように、本文と変化表で、過去分詞の形が違っている。
辞書記述の一貫性という観点からは、修正すべきところだ。
そこで、本日の課題です。
(1)
なぜ、「クラウン独和辞典」第3版は、このような首尾一貫しない記述をしてしまったのか?
(2)
どちらの過去分詞形(gedownloadet
oder downgeloadet)に合わせて修正したらいいだろうか?
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↑日本独文学会(岡山大、2008年)でのシンポジウムでの発表 [10/17/2008]
「構文文法は、話しことば研究の救世主となりうるか?」 というタイトルで、2008年10月12日に岡山大学で話をした。 この発表は、「構文文法は、話しことば研究の(文法記述を確立するための)救世主となりうるか?」 という趣旨であり、裏読みして、「話しことば研究は窮地に陥っているから救い出そう」 ということをいわんとした訳ではない(会話分析が基本的に 「観察者の影響を受ける」という原理的問題を抱えているため、 自分ではコミットしたくないと思っているのは事実だが)。
「またまた立場を変えて、今度は Construction をやっているの?」とか、 「形式言語理論からの裏切りだ!」との声をもらったが、 本人は、自然な流れでここまで来たのだと思っている(2001年には、用法基盤モデルの紹介もしている)。 もともと形式化は大好きな人間だが、言語を形式的にトップダウンに捉えようとすると、常に規則が過剰生成してしまい、 押さえ込むのが大変なことになる。だったら、規則そのものをローカルにして、大きな声で「普遍、普遍」と叫ばないのがよい、 と思うこの頃。
タイトルに対しての答えは、「YES」なのだが、... 続きは「研究:関心事」へ
↑崩壊、崩壊また崩壊 [09/20/2008]
0. 「崩壊」を英語で言うと
「〜崩壊」を、英語では何というのが適切かというと、
fall だろう。
大きなものががらがらと音をたてながら落ちてきて壊れる様子が想像できる。「ローマ帝国の滅亡」と言う時に、the fall of the Roman Empire
と言うが、「ローマ帝国の崩壊」と訳してもよい。この場合の fall
は、「落ちる」という動詞ともちろん関係していて「橋が落ちる」、「壁が落ちる」というのは、「橋が崩壊する」、「壁が崩壊する」と日本語では表現できる。
ドイツ語の fallen もこの点では同じだ(ただし、橋の場合は壊され方によって英語でもドイツ語でも独特な「破壊」に関した表現がみられる)。
1. ジャーナリズム崩壊
今日の話題は、上杉隆著『ジャーナリズム崩壊』と『官邸崩壊:安倍政権迷走の一年』だ。
同一の著者による2冊の崩壊本、ということになる。
周囲を見回すと、「食の信頼性の崩壊」(牛肉、豚肉、ウナギの産地偽装)、
「食の安全性の崩壊」(汚染米、中国製ミルク)、
「教育委員会の崩壊」、「企業倫理の崩壊」、そして「証券会社の崩壊」(Lehman Brothers)など、ちまたには「崩壊」があふれている。
古くは「学級崩壊」なんていうものもあった。
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今年のオープンキャンパス模擬講義 [08/08/2008]
気がつくと7月は、ほとんど暇なしの状況で、あっと言う間に8月2日のオープンキャンパスの日がやってきた。 5月中旬に概要を書いたものを肉付けして話すことになったのだが、 その時点では、『ドイツ語における「はやり言葉」』 というテーマと概要だけで、具体的な資料収集は2ヶ月かけて少しづつ進めていた。 そもそも「認知言語学」という専門分野について、 いきなり一般人に45分で話をするのは無理だ。 そこで、近年興味をもっている「言語のダイナミズム」に関連したテーマとして、 言語変化を扱い、その中でも想像しやすいものとして、「はやり言葉」 を選んだ、というのが真相だ。決して、私の専門が「はやり言葉」 そのものにある訳ではない。
話をする限りは、面白い話をしたい、と思う。もちろん、amusing な話ではなく、 interesting な話という意味だ。 たまたま、7月下旬に、川島隆太+安達忠夫著『脳と音読』講談社現代新書、1716、(2004) を読んだ後だったので、音読の効用に興味があり、... 続きは「雑多情報」へ
↑「音声解析ソフトPraat入門」に参加して [07/14/2008]
かれこれ3年前に、praat: パソコンで音声解析 [11/05,11/06/2005]
という文章を書いたが、
2008年6月28日(土)に、言語科学会
(JSLS: Japanese Society for Language Sciences)
と麗澤大学言語研究センター共催の
「音声解析ソフトPraat入門」
という講習会があることを知り、参加してきた。
考えてみると、ソフトウエアの講習会に参加したのは初めてである。
ノートパソコン(Praatインストール済み)を持ち込むことが原則となっていたが、
実際には、数台のノートパソコンが用意されていた(参加者が、
Praat のインストールできない、うまく動かない等のトラブルを見越してのことだろう)。
私は、前日に最新版のLinux 用の Praat (praat5026_linux_static.tar.gz)
をインストールし、簡単な動作確認をしてから出かけた。...
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ドイツ語版「ふるさと」を聞いた時の違和感 [06/15/2008]
5月31日(土) 田辺とおる氏のトークコンサート(於:学習院大学) に行った。 ドイツリート、ウィーンの歌、日本の歌のドイツ語版、 アニメソングと盛りだくさんで、会場の音響がいまいちだったが、 面白い話とすばらしい歌を堪能させてもらった。 講演会の形でもあったのだが、終了後は、 コンサートと同じようにピアニストと手をとりあって挨拶し、 拍手で退場したと思ったら、なりやまぬ拍手で再登場、 そしてアンコールというパターンになった。
さて、そのトークコンサートで、 日本の曲「ふるさと」のドイツ語版が披露された。 あらかじめ、日本語の歌詞とドイツ語の歌詞が併記されている楽譜が配られていたので、 途中でそれをみながら聴衆も合唱するということになり、 やってみたらなかなか見事、私の後ろの席のドイツ人女性は、 すでにドイツ語版を歌ったことがあったようで、 大きな声で情感豊かに(?)歌い上げていた。
田辺氏の解説によると、ドイツ語の歌詞は、
Goethe Institut の先生がつけたそうで、
スイスのテノール歌手、エルンスト・ヘフリガー(Ernst Haefliger, 1919-2007)
が歌っていたそうだ。
...
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AX520N でモバイル (VineLinux 4.2) [05/31/2008]
それまでモバイル用途で使っていたAH-N401C-ADP だが、さすがにメールのやり取りだけならいざしらず、 たまにブラウザを立ち上げねばならない時は、かなりいらいらしていた。 そんな時、W社から、一枚の葉書が舞い込んだ。
「新つなぎ放題」へ料金コースを変更すると、接続時間制限がなくなります!
月額料金を削減!年間11,268円おトク!
さらに機種変更すると高速に!
「より速く、より安く、しかも使い放題」 と誘われると、一瞬ふらふらっとして、誘惑に負けそうになる。 しかし、そこはLinuxユーザ。「そんな新しいカードなんて動くわけはないよね。人柱になっている時間はないのだ」 と思いつつも、葉書に記されている2つの機種名(AX520N, AX530IN) とLinux をキーワードに検索してみると、AX520N の方は動いているという報告を見つけてしまった (AX520N は最大 408kbps, AX530IN は最大 512kbps)。 さらに、価格を調べてみると、のきなみ1円との表示。 「こういうのは、必ず何か裏にあるんだ」と思いつつ店へ直行してしまった。 われながら誘惑には弱い、と反省。しかし、現代を象徴するような、 誰でも引つける3語だな、と一方で感心してしまう。 「速い、安い、し放題」 というのは、 確実に現代社会では 危険信号 だ。近づいてはいけない! ...
↑Happy Aua って何? [04/21/2008]
Bastian Sick のHappy Aua: Ein
Bilderbuch aus dem Irrgarten der deutschen Sprache.
が2007年8月頃に発売になったことは知っていたのだが、入手したのは、
すでに11月になってからだった。Happy はドイツ語だが、
Aua って何だろう、と思っていた。本を手にとって、
知らず知らずのうちに声を出してタイトルを読んでみたら、すぐに分かってしまった。
Aua は、英語の Hour だったのだ。
日本では、和製英語という言葉があるが、
独製英語とでも呼べるような英語がある...
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昆虫の脳 --- 今、分子生物学がおもしろい [03/23/2008]
中公新書1860、水波 誠著『昆虫 -- 驚異の微小脳』を読んだ。 著者は、哺乳類の脳を「巨大脳」と呼び、それとある意味では対極にある昆虫の脳を「微小脳」と名づけている。 生き物の中で、陸の王者というと「人間」だと考えてしまいがちだが、 以下の筆者の指摘を待つまでもなく、陸の王者は昆虫である。
[...]
この繁栄を支えるのは、 「小型・軽量・低コストの情報処理装置の傑作である昆虫の微小脳」(P.16) だというのだ。昆虫の複眼、単眼の働きを初め、空を飛ぶしくみ、 匂いを感じるしくみ、匂いの学習と記憶とつづきミツバチのダンスなどの話が、 分子生物学(molecular biology)のレベルで語られる。
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↑Harry Potter 第7巻のドイツ語英語 [02/27/2008]
以前、ハリーポッター最終巻(第7巻)英語オリジナル版にドイツ語の文が2つ登場することを紹介した。 ドイツ語版では、そのドイツ語の文がどのようになっているか、 予想しつつも、その工夫した翻訳を期待していたのだが、 期待はずれに終わった。 英語版オリジナルにあったドイツ語のシーンをよく見直してみると、 別の問題も浮上してきたので、引用してコメントしておくことにした。
まずは、英語の該当箇所。 VoldemortがGrengorovitch を探しに行った時に登場する無名の女性が言うせりふが2箇所あった(P.191)。
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↑VineLinux 4.2/ThinkPad T60(1954-G2J)で無線LAN接続 [02/17/2008]
長いイーサネット・ケーブルが邪魔になる、と言われ、薄べったいタイプに変えたら、 今度はネコにかじられるようになり、ほとほといやけがさして、 ついに無線LAN を導入することになった。 本当は、有線の方が確実だし、安全だと思っているので、 ちょっと残念である。 化石化しつつある ISDN 回線を撤去し、「光」 へ移行することにもなった。結果的に見ると、 些細な「きっかけ」が予期していなかった大きな変化へとつながる、というよくある話だ。
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↑聴えないけれど聴えている音 [02/04/2008]
もうかれこれ2年以上前(07/01/2005)、大橋 力「音と文明:音の環境学ことはじめ」(2003), 岩波書店、 を読んで感想を書いたことがあった ([ハイパーソニック・エフェクトを体験したいが,…])。 当時は、断片的感想しかかかなかったのだが、それがきっかけとなり、 先日、竹中工務店技術研究所で、実際にハイパーソニック・サウンドを体験する機会を得た (通常、一般公開している研究所ではない)。
まず、ハイパーソニック・サウンドの定義を 大橋 力著「音と文明:音の環境学ことはじめ」から引用しておこう。
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↑ころばぬ先のバックアップ [01/21,25/2008]
今年も卒論、卒研の提出の季節が終わり、今さらながらにバックアップの重要性を強調しておけばよかった、 と思っている。少なくとも1名の犠牲者が出たからだ。 なんでも、ファイルを保存する時、無意識にただWindows上のWordで「保存」 を選んだようで、どこかに何かの名前で保存されたと思い込んでいたらしい。 default の名前でどこかに保存されているか、 それともファイル名のところをブランクにしたまま終了してしまったか、 そこらへんの事情はよく分からない。
どこまで自動に任せるか、というのは実は大きな問題だったりする。 ここぞ、という所では、手動に切り替えて、「意識して行動する」 必要がある。
私のように、文章を書く時は、いつもEmacs と決まっている人間からすると(時々、Word を使わざるを得ない時もあって ふくれているが)、名前を付けずにファイルを保存するなんて、 まったく想像できない世界である。書きながらも、 オートセーブがあるにもかかわらず、 ついつい Ctrl-x-s してしまうのが習慣になっている。
バックアップの基本は...
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↑ネコはコードをかむ。さて対策は? [01/12/2008]
気がつくと2匹のネコが同じ屋根の下に住んでいる。 どちらも瀕死の状態にあった子猫の時に救い出したのがきっかけで、 うちの住人、いや、住猫(じゅうびょう)になってしまった。
それまで、家族の生活場所として「家」が存在すると思っていたが、 ネコ達が一緒に暮らすのを眺めていると、 彼らにとっての「家」は、人間にとっての家と別物であることが見えてくる。
まずはネコ達の身体能力。 80cm 以上ある家具の上に助走もつけずにいとも簡単にジャンプして飛び乗ることができる。 さらに、気がつくとあちこちで爪研ぎをしていたり、 椅子の下や物陰に入って昼寝をしている。 生まれつきのハンターでもあるので、 家の中にハエとか蛾が入ってくると追いかけ回り、一撃でしとめることもある。
段ボール箱は、人間にとって物を詰めて、場合によっては発送するためのもの。 我家のネコたちにとって、段ボール箱は、かじって穴を空け、 中に入って身を隠す、あるいは休息するためのもの。
このような行動能力と特性、目的論的認識の違いが空間に別の意味を与えているのだ。 斉一的な時空が最初に存在するのではなく、 認識主体が時空を作り出しているように感じる瞬間である。
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↑Ubuntu 7.10 でスキャナ GT-F570を使う [12/31/2007]
Ubuntu7.10 のSynaptic でパッケージをつらつら眺めていると、 意外なものがいろいろある。もともとDebian 譲りのパッケージなのだろうが、 yatex, tipa, mew とかまである(OpenSUSEにはなかった)。 別に、パッケージになっていなくても困らないものなので、 こういうものもパッケージか、と思いつつ、スキャナ(Epson GT-F570) の エプソンアヴァシス(株)が提供するiscan を探してみたのだが、 見つからない。ふーむ、Debian 的には、 ソースコードが見えない商用ソフトということで、パッケージとして提供しない、ということなのかもしれない。 OpenSUSE では、提供されていたので、期待していたのだが。
ならば、ということで、エプソンアヴァシス株式会社の http://www.avasys.jp/linux/から, 該当するスキャナGT-F570を選び, iscan をダウンロードした. 今回は、tarball と RPM パッケージ、両方を試してみることにした。
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↑ドイツ語版 Harry Potter Band 7: Der gesprochen hatte, saß... [12/09/2007]
ドイツ語版のHarry Potter 第7巻は、2007年10月27日に Carlsen Verlag から発売になった。 ドイツ語のタイトルは、Harry Potter und die Heiligtümer des Todes だ。日本語版は、「ハリーポッターと死の秘宝」(仮題)で、2008年7月23日 発売予定だ。
Heiligtümer とは、Heiligtum の複数形で、 「神聖な場所、神聖なもの」のこと。 オリジナルの英語版タイトルが、Deathly Hallows となっていたので、「聖人、聖職者」のことかと思ったが、「神聖なる物」(複数) の意味で使っているようだ。その意味では、今回のドイツ語のタイトルは、 ぴったりとしている。日本語では、「死の神聖なるもの」ではタイトルにならないので、 「秘宝」が選ばれたのだろうか。 「秘宝」は、言葉として確かに分かり易いが、ちょっと違うなあ、と思う。
…
中略
…
それでも、ぱらぱらと読み始めたら、「なんだこれ?」と思う文に遭遇した。
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↑Ubuntu 7.10 の LaTeX 環境でドイツ語処理 [12/02/2007]
VineLinux を4.1にアップしてから、 特に何事もなく使いつづけていたのだが、 ひょんなこと からドイツ語機として利用しているThinkPad T60 に、Ubuntu 7.10 のドイツ語環境(こんな感じ)を作った。 ディスクトップ機では、Ubuntu 7.10の日本語環境を作ってあったので、 いろいろと比較してみた。今回は、Ubuntu 7.10 で、babel を利用したドイツ語ハイフネーションの話。
TeXのインストール自体は、 JapaneseLocalizedDerivative/LaTeXForJapanese を参考にSynaptic あるいは、 apt-get を使って必要と思われるパッケージを選択してインストールする。 ただし、現時点では、まだメタパッケージ latex-env-ja は完成していない模様。
babel package 自体は、 texlive-latex-baseに入っている。 apt-cache search babel をやってみれば分かる。 注意したいのは、アスキーが開発している日本語版LaTeXは、 teTeXを土台にしているが、 Ubuntu(Gutsy以降) では、 teTeX がすでに開発を終了(2006年5月)しているため、 TeX Live へ移行しているという点。 結論としては、texlive-lang-german パッケージをインストールすれば LaTeXで 普通に、 babel でのハイフネーションや ngerman.sty などが使える状態になる。 参考までに texlive-lang-german パッケージに入っているもの (Synaptic の情報)をメモしておく。
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↑openSUSE 10.2 から Ubuntu 7.10 へ [11/16/2007]
気がついてみると、VineLinux 4.1 では、ログイン時にディスクトップ環境を多言語から選択できるメニューがなくなってしまった。 英語と日本語だけになっていく、という現代の日本の風潮と一致しているようで、 気になることである。 (「日本人にとって、外国語は英語だけでよい」、 という幻想が大手をふって歩いている世の中だ。もう一方で、 グローバリゼーションだと声高に叫んで、 英語だけで世界を理解できると思っている人達が多いのには、 笑わされる。)
もちろん、メニューやメッセージを除けば、VineLinux 4.1 でも、かなり多くの言語を使えるように設定できる。そんな状況で、 私にとっては OpenSUSEが、多言語環境を実現できる環境だった (Mac なら、昔から実現されているよ、と横槍を入れる友人はいたが...)。
しかし、openSUSE 10.2は、その重さが気になり (GUI の反応に時間がかかりすぎる)、だんだんと使わなくなっていった。そこへ、 openSUSE 10.3 への自動アップデートの失敗 (X が起動しなくなる)というトラブルが発生し、 ログを見てもすぐに解決できそうな状況でなかったので、この際、 最近ユーザが増えているLinuxディストリビューションである Ubuntu7.06を試してみることになった。 軽快に動く、という評判が決め手となった。… 続きは「Linuxメイン」へ
↑「もっと早く起きなくっちゃだめだよ」 [10/27/2007][11/03/2007]
学生と一緒に、「点子ちゃんとアントン」(Pünktchen und Anton) のDVDを見ていた時、カルロスに点子ちゃんが壁に追い詰められ、おまえの家は金持だよな、 金よこせ、と言い寄られた時に次のように言ったのが聞こえた。
Pünktchen: Du machst mir keine Angst, Carlos. Da musst du früher aufstehen.
映像を見ていると時間がどんどん過ぎていき、聞いている言葉が頭に残らないことも多いのだが、 この時はたまたま下を向いてドイツ語を聞いていたので、はっとした。 後で確認したところ、字幕には、「あんたなんかぜんぜんこわくないわ。」 としか出ていなかったので、この部分はとばしたことが分かる。
もともと、この言葉は、本日の表題にあるように
「だったらもっと早く起きなくっちゃだめだよ」という意味でしかないのだが、
・・・
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The Sky Crawlers との出会い [09/24/2007]
8月の最後のあたりに,Harry Potter and the Order of the Phoenix
の映画を見た。第5巻というとあの分厚い本の映画化だが,案の定,
かなりの部分をカットして話を作りあげている。映像としては十分に楽しめるものだった。
映画本編が始まる前に,別な映画の宣伝とかが流れたが,そこで
押井 守監督が2008年に贈る映画:The Sky Crawlers
というようなテロップを一瞬見た。「ん?」
調べてみると,すでに The Sky Crawlers
というサイトが出来上がっていた。なんでも,同ページによると(以下引用):
・・・
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QOLが低下していますね! [09/03/2007]
「QOLの低下している」という言葉を聞いた。初めは何のことかよく分からずにいたが, QOL (=Quality of Life) であること, 例えば病気にかかった人が「自分のこれまでの生き方を実現できないこと」 を指すらしいことがなんとなく分かってきた。「生活の質」なのか, それとも「人生の質」なのかと問われれば,「(個人の)生活の質」なのだろうが,当然,人生の問題でもある。
過去3ヶ月,そう言えば「QOLの低下」に悩まされてきた。
「自分のこれまでの生き方を実現できない」《はがゆさ》が堆積していたと言える。
そこで,
「QOL」とは何か,どのように定義できるのかが気になり,
まずXD-GW7150 で複数アルファベット検索をしてみた。
・・・
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Harry Potter 7 [07/28/2007]
7月21日,「時間 8時01分以降 お届け願います。」と書かれたシールが貼られ,
amazon から午前中に Harry Potter and the Deathly Hallows
が届いた。実は,この2ヶ月,体調不良のため家ではほとんど廃人と化し
liegen している身としては,新しい本の到着は何よりのプレゼントである。
第6巻からは,イギリスのAdult Editionが気に入り,購入している。
装丁,特に表紙のデザインが気になっていたが,
これは最初に破壊されることになるHorcrux
であるロケット(locket) だった。
かなりリアルな仕上げの実物を作って,写真にとった感じだ。
もし,そんな具合に作ったとしたら,「新しく古いものを作る」
というイギリスの技術が活かされているのかもしれない。
ちなみに,タイトルにある Deathly Hallows
は3つあるが,いずれも表紙の題材にするのは難しい。
さて,
J. K. Rowlingは,この最終巻の結末部分を
・・・
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aspell から ispell へ(VineLinux 4.1) [07/23/2007]
VineLinux 3.*の時は,geditがaspell に依存していたために,geditを削除したくなかったので,そのままにしておいた。 この状態だと,8ビットエンコーディングされたドイツ語のテキストをEmacsでスペリング・ チェックすることはできたが,LaTeX表記のドイツ語文章をスペリング・チェックすることはできなかった。 かといって,geditを別途ソースからコンパイルし直す気力もなく放置しておいた。
一方,openSUSE10.2では,aspell が使われておらず,Emacsでも,ispell が使われるようになっていた。新旧正書法に対応し,7ビットエンコーディングで, LaTeX表記のドイツ語文章も問題なくスペリング・チェックできる。
最初は,aspellを生かして,ドイツ語のスペリング・チェックをやってみたが, VineLinux 4.1のgedit を調べてみたら,aspellに依存していないことが分かったので, aspellをはずし,ispell に移行してしまうことにした。
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↑VineLinux 4.1 の gnome-keyboard-applet の憂鬱 [07/16/2007]
Gnome 2.4までは,Keyboard Layout Switcher(GKB 国際化キーボードアプレット) でキーボードを切替えて geditや,Firefox などでドイツ語入力が普通にできる環境だった。 しかし,Gnome 2.14.2 を採用しているVineLinux 4.1 では,「キーボード表示器 2.14.2」(gnome-keyboard-applet) になってしまい,タコになった。
「キーボード表示器の設定」→「レイアウト」を選ぶと,標準では以下のような窓が開く。
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VineLinux 4.1CR の ThinkPad X31 へのインストール [06/06/2007]
ついに,ThinkPad X31 にインストールしてあった
VineLinux 3.2 を捨てて, VineLinux 4.1CR
をクリーンインストールすることになった.その3つの理由をあげると;
(1) HDD の異音が聞こえるようになった.経験的に,この音が聞こえ始めると,
およそ1ヶ月の内にHDDはクラッシュする.
(2) VineLinux 3.2 からのアップデートも可能だが,後々,特殊環境に悩まされる可能性がある.
(3) CR を購入すると美しい商用フォントが簡単に使える環境ができる.
以下では,今回の事の顛末を紹介する.
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Harry Potter 第7巻,7月21日発売 [05/25/2007]
Harry Potter and the Deathly Hallows (Harry Potter 7) がついに7月21日に発売になるそうだ(amazon情報). いつもながら驚かされるのは,ドイツ語版の発売日. 10月27日に発売されると予告されている.翻訳する側は, 期限を守って仕事をし,それを印刷に回すのだろうが,大変ですな. 今回も,ドイツでは,ネットを使って翻訳の輪ができるのだろうか.
↑EX-WORD (XD-GW7150)の無償修理のお知らせ,届く [05/21/2007]
5月20日に書いたカシオの電子辞典EX-WORD
(XD-GW7150) の無償修理のお知らせが,購入店であるYから届いた.
当然といえば当然だが,きちんと対応してくれるようなのでうれしい.
ただ,せっかく使い慣れてきたのに,一時的に手放さなければならないのは,ちょっと辛い.
基本的に,昨日書いたのと同じ種類の間違いが他にもあるようなのだ.
例として示してあったのが,kennzeichnen の最後の例文.
本来は,kennzeichnend
と現在分詞でなければならないのだが,そこにkennzeichnen と表示されてしまう.
販売店から連絡がなくても, http://casio.jp/support/exword/st3/info.html で確認できるので,不具合のある人は連絡を取るとよい. 正常品もあるらしいこと,フランス語の辞書でも不具合が見つかっていることは意外だった.
↑EX-WORD (XD-GW7150)の大独和に間違いを発見 [05/20/2007]
EX-WORD (XD-GW7150) は,日常的に便利に使っている. 特に,小学館の『独和大辞典』の威力はすばらしい.電子辞書になったことで, 簡単にその限界も見えてきた.そんな中で,つい一ヶ月ほど前に発見した間違いを紹介しておこう.
『独和大辞典』第2版コンパクト版のS.344.
beschäftigenの下の
II beschäftigtの項目.
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2007年度にあわせて「教育」のページをアップデート [05/04/2007]
気がつくとすでに5月,現状にあわせて,教育 のページをアップデートしました.
ついでに,Prolog zur DG のページに,
かなり以前に V. Calenberg さんから頂いた,「まえがき」のドイツ語版を掲載しました.
自宅は,書類のゴミ屋敷となっているので,目下,精力的に「整理+処分」しているのですが,
思わぬ発見があると作業が中断してしまいます.今回のドイツ語版「まえがき」
も捜索中だったもので,発掘されたお宝の1つです.
そう言えば,昨年(2006年),偶然,Wikipedia にも自分の名前が載っていることに気がつきました.
推測するに,X大学の方(おそらく「文学」と「言語学」の区別もつかない門外漢の方)
が書かれたようで,私が「ドイツ文学者」になっているのには,笑ってしまいました.
wiki なので,誰でも編集可能ですが,「本人が直すのもね...」と思い,
放置してあります.ご丁寧に,こちらのページをリンクしてくれていますので,
リンクをクリックすれば,私が「文学者」ではないことがわかりますね.
Wikipedia には,高い評価を受けている記事もあり,私も時々利用します.
ただし,wiki のシステムは,利用者側に
「間違った記述,不十分な記述は積極的に直していく」
という「真理追求」の姿勢がないと,内容的に腐っていくのも事実です.
「無保証」と言いつつも,常により正しいものを求めていく姿勢というのは,
実は私のスタンスと同じです(「絶対的な真実など,無い」という立場です)が,
飽くなき「真理追求」の心を持ち続けるということは,
大変なことです.疲れた,とか,もういいや,と妥協したら,
そこで終わりですから.
「退化」は「進化」の逆ではない! [04/22/2007]
「現代人は退化している」とか,つい口走ってしまうことがあるが, 「退化」は「進化」の逆ではない, と言われたら,ちょっと耳を疑うのではないか.
犬塚則久著『「退化」の進化学:ヒトにのこる進化の足跡』ブルーバックス B-1537,講談社(2006) を読んだ.実は,読み終えるのに2週間もかかってしまったのだが, それには,それなりの理由がある(この点に関しては後で). 読書後にも,ヒトを系統発生から見るという冒険の余韻が残る本だった.
まずは,「退化」についての同書の指摘 (P.18) を引用しておく....
↑Prolog zur deutschen Grammatik が重版になりました [04/15/2007]
拙著Prolog zur deutschen Grammatik 2004(郁文堂)が重版になりました. 3年かかって重版というのは,決して売れ行き好調というわけではないのですが, それでも突然,「あの文法書を使っているよ」と思わぬ人から言われたりすると,うれしくなります. 文法の説明が書いてあるから,という理由で,なぜかドイツ語ネィティブの先生方が, 参考書的に学生に購入を勧めていることもあるとか. 文法格の表示順序を,1 4 3 2 にするだけで, いやがる人もいますが,だからこそ勧める人もいます.
重版にあたり,Prolog zur DG, Errata(初版)に挙げてある間違いはすべて修正しました. もちろん,その修正をしたのは,今年の3月あたりの話なので,それ以後, 何らかの間違いが見つかるかもしれず,その分は,引き続き,Prolog zur DG, Errata で公開していきます.
さて問題です. 初版と,今回の重版の違いをどうやったらすぐに見分けることができるでしょうか?...
↑Straßburg の Flammkuchen [04/06/2007]
ついにアルザス地方の中心都市,シュトラスブール[Strasbourg](ドイツ語読みでは, シュトラースブルク[Straßburg]) のレストランで撮影した Flammkuchen の写真を送って頂いた.感謝! なんでも2004年の冬に撮影したものだとか. 以下に,送って頂いた方のコメントを引用する:...
↑Freiburg の Flammkuchen [04/03/2007]
フライブルク(Freiburg) でFlammkuchen を食べた,という方から写真を頂いた(感謝!).まるでピザのような趣きである....
↑Flammkuchen の作り方 [3/19/2007]
EX-WORD (XD-GW7150)の使い心地 で,思わぬ方向にずれて,Flammkuchen の話になってしまったが,作り方が知りたいという要望に答えて, Marions Kochbuch というサイトを紹介しておくことにした.このサイトでは, 2007年3月19日の時点で,2750ものレシピーが紹介されている (ただし,ドイツ語と英語).そこに, Elsässer Flammkuchen の作り方が,写真とともに解説されている. ちなみに,Flamm は,前回の話にもあったように, Flamme (炎)から来ていると考えられるので, さしずめ和訳すると「炎のケーキ」となる(ちょっと驚いてしまう名前だが). Federweißとか, Baujoulais Primeur といった 「発酵し始めのワイン」と一緒に食べるとおいしい,と解説されている. さて,Marion で紹介されている作り方を簡単にまとめると:
↑EX-WORD (XD-GW7150)の使い心地 [3/15/2007]
2007年2月23日に発売予定だったCASIO EX-WORD(XD-GW7150) は,発売が3月2日に延期されたが無事に発売された.今回は,その使い心地をちょっとレポートする.
これまで,私は電子辞書を自分で購入して使ったことはなかった. ただ,学生が使っているものを手にとって,単語を検索したことはある. なぜ自分で電子辞書を買わなかったか,と言われると,(1) 全文検索ができないから, (2) 独和辞典と言っても「クラウン独和辞典」しか入っていないから,という理由だった. 冗談のように,電子辞書もこれからはワンセグの時代でしょ, なんて言っていたら,本当に,ワンセグ対応, ネット対応をうたう電子辞書が出てきてしまったので,様子を見ていたら, 小学館の独和大辞典第2版(収録語数:約160,000語)を収容した電子辞書が登場した. それが,このCASIO EX-WORD(XD-GW7150)だ. まずは,恒例の重量測定から. キッチンで計量の結果,...
↑ノートパソコンのバッテリーはいつまで製造しているのか? [02/12/2007]
持ち歩いているノートパソコン(IBM ThinkPad X31) のバッテリーがいよいよへばってきた.本来は,バッテリー駆動で 5.2時間 (JEITA 1.0)もつはずだが,拡張用Li-ion バッテリー・パック (02K7046/02K7045) を装着していても, フル充電して 1時間ともたない状態になっていた(そもそも, ノートパソコンのバッテリーの寿命は2年程度なので, 予備を最初から購入しておくのが賢明だ). そこで,2006年11月頃からバッテリーを購入しようと思い,Lenovo のサイトをさまよってみたが,結局もう製造していないことが判明した. 正直言って,あせった. ThinkPad X31 は, 2003年3月12日に発売されたのだが, 2006年11月の時点では,もうバッテリーを製造していなかったことになる.
どこにもノートパソコンのバッテリー製造期限について明記されていないので,以下は想像である.
「ThinkPad X31 は,ThinkPad X32
が2005年4月20日に発売になった時点で製造中止となった.
その後,一年間ひょっとしたら,バッテリーも製造していたかもしれない.」
(ThinkPad X31 とThinkPad X32
のバッテリーは微妙に端子の位置が違っていて互換性がなかったようだ.)
次にやったことは,どこかの店でまだ在庫が無いかどうかをチェックすることだ. すると...
↑ドイツの『犬の生活』 [2/02/2007]
Hundeleben という語がある.直訳すると,「犬の生活」 だが,ein Leben in Armut und Not (Langenscheidt) 「困窮した生活」 のこと.では,ドイツの犬たちは,そんなに悲惨な生活を送っているのか, と言われると,まったくそのようには見えない.悠々と紐(Hundeleine) で引っ張られることもなく人間と一緒に街中を歩き,信号が赤ならちゃんと止まる. 「どうやったらあんなに良くしつけられるのだろう?」と常日頃から思っていた. 「犬と子どもはドイツ人にしつけてもらえ」なんていう言葉もどこかで聞いたことがある.
そんな疑問に答えてくれるのが, 福田直子著『ドイツの犬はなぜ吠えない?』 (平凡社新書359)だ.2007年1月11日に発売された本だが,筆者は, 『大真面目に休む国ドイツ』の著者でもある.フリーランスのジャーナリストとして, 滞独歴15年,さまざまな知識と体験を持っているだけではなく, 独自の観察眼を持っている人だ.
最初に言っておくが,もちろん,ドイツの犬も吠えます. 筆者が言いたいのは,まったく吠えないということではなく,…
↑ケーブルを疑え! 失敗談 [1/15/2007]
年末にかけて,SUSE Linux 10.1から, openSUSE 10.2 への移行作業をした.まずは,その時の(結果としては成功したのだが)失敗談から. バージョンアップした結果,サウンドが変,プリントアウトができない, という状態に陥った.それ以前は,ちゃんと動いていたことを思い出すと, ソフトウエアを疑うのは当然のことだ.さんざん疑いまくった挙げ句, 実は,その原因はどちらもケーブルにあった,というお粗末な結果だった. 昔から,「ケーブルを疑え!」という合い言葉があったのを思いだし, 苦笑いをせざるをえなかった.
コンピュータのトラブルに見舞われた時に,さまざまな可能性を疑うのは常識だが, その時の症状から,経験則に照らし合わせて,最短の解決法を模索する. 世の中,何が本当に正しいのか分からないところはあるが, 間違いを見抜く力は常に必要とされている.実はこれが難しい. 続きは「Linuxメイン」へ
↑Zwiebelfisch Folge 3 [1/2/2007]
年末の締め切りに追われていたが,ようやく一区切りつき,昨年12月に出た 「玉ねぎ魚」本, Der Dativ ist dem Genitiv sein Tod. Folge 3 を読み始めた. SPIEGEL ONLINE の Zwiebelfisch の最近のコラムをまとめたもので,Verlag Kiepenheuer & Witsch から,€ 8.95(D) で出版されたものだ. 第3巻にもなると,そろそろ読み手側としても飽きてくる部分もあるが, 相変わらずBastian Sick 氏のコラムは, よく書けている.ひねりの利いた「落ち」が解読できないと面白さは半減するが, 「落ち」が分かると,「よくできました!」と拍手をしたくなる.
まだ全部読んだわけではないが, 一番笑えたのは,Haarige Zeiten(S.127-131) だ.日本だと…
↑「考えることを思い出させる」方法 [12/23/2006]
世の中,怖い物に満ちている.ポロニウム210,ノロウイルス,トランス脂肪酸. 地球レベルでは地球温暖化,日本を含む一部の地域では少子化も非常に怖い. そして,世界的に広まりつつある国家主義的傾向や, 政治に対する無関心,貧富の差の拡大も深刻だ.ただ, そんな中で物質的な危機的状況よりも私が危惧するのは,人間の精神的な危機だ.
以前から心配していることは, 「思考停止人間」の増加によって,民主主義が破壊され, 一部の指導者が「自由に世界を操れる」社会が到来するということだ. 日本も,そのような方向に進んでいるように思える.怖い怖い.
考えなくなった人間に,再び「考えることを思い出させる」, これが今,教育に求められる最大の課題ではないか, なんて思う今日この頃だ.
いじめ問題にしても,命を軽視する傾向にしても,そもそも「弱肉強食」 論理の動物界から離れて,なぜ人間が「弱者救済」の人間社会を考えるに到ったか, その根本的な考え方を忘れていることと無関係ではない. 弱い者をいじめるのは簡単だし,弱い者が強い者に退けられ, 淘汰されるのは,動物界では自然なことがだ. 人間は,弱者であっても一個人として同じ機会を与えられ, 権利を有する存在でなければならない.そこには, 社会的弱者の立場を考え,理解し,思いやる心 が必要である.しかし,そもそも「思考停止人間」には,それができないのだ.
では,再び「考えることを思い出させる」 にはどうしたらよいだろうか? ここに1つの簡単な方法を紹介をする(ちょっと大げさ)... 続きは「雑多情報 メイン」へ
↑Harry Potter Band 7 [12/22/2006]
アマゾンから,ハリーポッターの第7巻のタイトル決定というニュースが飛び込んできた. Harry Potter and the Deathly Hallows だそうだ.本当かな? 発売日は,未定だそうだ.
teTeX 3.0 を openSUSE 10.1 へインストール [12/10/2006]
VineLinux が2006年11月22日に 4.0 になり,Kernel-2.6.16, GNOME-2.14, teTeX 3.0 等の環境となった.一方, openSUSEは,2006年12月7日に 10.2 をリリースした.が,しかし,私は全然追いついていない.VineLinux 3.1 へapt-line を向けていたVineLinux 3.1 マシンが,apt-get upgrade で,いきなり3.2 へアップグレードされてしまい,あせってしまった.しかし,kernel-2.4.33-0vl0.5 用に lilo.confを書き換え,alsa の再コンパイルを強いられたほかは,特に問題は出なかった.
日常的にTeX を使っている関係上, VineLinux 3.2と openSUSE 10.1 の互換性を確保しておかないと困ることは目に見えているので,急遽, openSUSE 10.1と, VineLinux 3.2 に, teTeX 3.0 をインストールすることにした.
unix系のOSに, TeX をインストールするのは,結構大変だが, それに輪をかけて大変なのは,日本語環境の整備だ.しかし,... 続きは「Linux メイン」へ
↑3冊の本 [12/03/2006]
このところ,「夜討ち朝駆け」的生活が続いているので,書く機会を逸してしまっている. 今日は,前々から書くつもりだった,私が最近読んだ本の中から3冊を紹介する. と言っても,どれもありふれた本ではない.ある程度の知識と若干の覚悟(?)がないと読めないかも知れない.
(1) 石山禎一・牧 幸一訳『シーボルト日記 ─ 再来日時の幕末見聞記』八坂書房, 2005年(ISBN4-89694-855-6, 本体4,800円+税)
(2) 水林 彪 著 『天皇制史論 ─ 本質・起源・展開』岩波書店,2006年, (ISBN4-00-024022-6, 本体3,800円+税)
(3) 野崎昭弘 著 『不完全性定理 ─ 数学的体系のあゆみ』 ちくま学芸文庫4-1,筑摩書房,2006年(ISBN4-480-08988-8, 本体1,100円+税)
↑SUSE Linux 10.1 の第一印象 [10/31/2006][11/03修正]
SUSE Linux は,ドイツでは主流のLinux のディストリビューションで, もとは Slackware をベースに,1992年に始まった. 外から見ていて,新しいものをどんどん取り入れる巨大なディストリビューションという印象で, 2002年に日本で正式販売が開始されてからも,気にはなっていたが, 見送っていた.その後,いろいろあって,2003年には,Novell が SuSE を買収,2005年には,コミュニティベースの openSUSE プロジェクトが立ち上がり,2006年5月に SUSE Linux 10.1 が公開された.
今回,SUSE Linux 10.1 をインストールすることになったのは, いくつかの動機があったが(その1つが,Der digitale Grimm のインストール),普段,どちらかというと保守的なVineLinux を使っていると,時には,新しいソフトウエアを使わねばならなくなった時, ソースからのコンパイルを強いられ,場合によっては,ライブラリから入れ直さねばならなくなる. これは,コンフリクトが起きたりして, 難しい作業となることもある(その点では,Gentoo は,すばらしいのだが...) SUSE Linux 10.1 は,「てんこ盛り」とか, 「ヘビーな最新オートマチック高級車」というイメージだったが, 日本語にも現在ではきちんと対応しているということだったので,チャレンジすることにした.
「オープンソースマガジン」8月号に,DVD-ROM が付いていたので, 新しいHDD をセカンダリー・マスターにし, DVD-ROM からブートし,インストールした. 何の問題もなくインストールは終了.その後,すぐにやらねばならないのは, YaST2 で,ソフトウエアのアップデート. なにしろ,「オープンソースマガジン」8月号は,2006年6月頃のものを収録しているので, 4ヶ月のギャップがある.国内のネットワークレポジトリを登録し,アップデートとなった. Windows 並み(?)に2度リブートさせられたが,山のようなアップデートを済ませてなんとか終了.
しかし,最後の最後で,オートログインとかの窓が出たのに対して,クリックしてしまい, 後悔した...
↑Linux でも Der digitale Grimm! [10/28/06]
もうしばらく前に購入していた Der digitale Grimm を一ヶ月ほど前にようやくインストールして使い始めた. ドイツ語の最大の辞典と言えば, グリム兄弟によるDeutsches Wörterbuch であり,dtv(Deutscher Taschenbuch Verlag) のペーパーバック版(33巻, 1999年)を購入しても,499.00 € (2006年10月のレートは,1ユーロ およそ 150円なので74,850円)で, 置き場所に困ってしまう程の量だ.しかも現在絶版となっており,出版社には, 再版する予定はない.そこに今回インストールした Der digitale Grimm: Deutsches Wörterbuch の登場となる.値段は,たったの49.9 € (上記レートで換算すると,7,485円!だが,国内の本屋さん経由だと, 税込みでおよそ1万円), Windows 98/2000/XP, Linux, Mac OS 10.3以降で動く. Linux 使いとしては,見逃せません.
SuSE Linux 8.0 で検証済みというのがちょっと気になるところだが,インストールは, クリック一発とはいかないが, ちょっとコマンドを入力するだけだった.以下は, VineLinux 3.1CR の環境でのインストールの模様だ.
↑日本認知言語学会での発表に関して [10/16/2006]
2006年9月23日に,日本認知言語学会で「オートポイエーシスを取り込んだ理論の構築へむけて」 という題目で研究発表をした. すでに一ヶ月近くたってしまい,気抜けした感もあるが, 背景説明と追加情報を書いておくことにした. Maturana and Varela (1973) に端を発するオートポイエーシス (autopoiesis) のシステム論は, 免疫システムや神経システムにおける観察と考察に端を発しているが, すでに発表から30年以上経過し,新しい理論というわけではない.
創始者の1人である Francisco J. Verela (1946-2001) も また社会学への応用として一斉風靡した Niklas Luhmann (1927-1998) も,すでに他界し, 当初第三世代のシステム論として注目を浴びた時ほどオートポイエーシスが今, 議論されているわけではない.なお, Humberto R. Maturana (1928-) 本人の許可のもと, 現在では,Maturana and Varela (1973) に収録(P.5-58)されている Biology of Cognition(1970) の原文は, http://www.enolagaia.com/M70-80BoC.html で読むことができる. この論文自体は,オートポイエーシスの概念規定がされる前の Maturana のものだが, すでにその基本的考え方の基本的輪郭を見て取れる. …
↑ゲドとアレンは,Ged と Arren:あまりにも違う世界 [09/13/2006]
8月のある日,ジブリファンに捕まり,とうとう「ゲド戦記」を鑑賞するはめになった.
映画化される前の本がある場合,基本的には本を読んでから映画を見ることにしているのだが,
今回はそんな基本的方針をすっとばして,最初に映画を見てしまった.
感想といえば:
(1) 相変わらずのジブリの世界,
(2) どこかで見たことがあるようなキャラが登場する,
(3) どこかで聞いたことのあるような声,
(4) それにしても,冒頭の「子供が父親をナイフで刺す場面」は何?
というところ.これはやはり決心して原作を読まねばなるまい,
そんなことを考えていた.
8月29日,地元の本屋で,The Earthsea Quartet を発見.これは,Penguin Books(Puffin Books), ISBN 0-14-034803-4 で,なんとシリーズの第1巻から第4巻まで入っていて,1710円だった (£10.99). これは超お得だったので迷わずに購入した. 日本語版だと,一冊1600円位なので,4冊買うと6000円以上の出費となる. そのうち読もうと思っていたのだが,たまたま, 葉山での研究会へでかける際に,電車の中で読み始めてしまった. とぎれとぎれに読んでいたのだが, ついに第4巻は待ちきれずに,周囲の迷惑を顧みず2日で読破.
↑私の LaTEX 環境 [08/27/2006]
私の普段使っている LaTEX 環境の紹介です. 環境設定,スタイル,マクロ,フォントなどを紹介しますが, その前に,これから Word を使わないで文書を書きたいと思っている人で, unix 系OS に興味があり, ドイツ語などの欧州言語を使いたい人向けの簡単な入門から始めます.
Word のようなワープロソフトは,What you see is what you get 「見ているものが(結果として)得られるもの(と同じ)」 という考え方で作られています(が,十分にそれを実現していないソフトウエアです). TEX での文書作成は,
- 好きなエディタで文書整形などのコマンドを入れてソースファイルを作成し,
- TEXでコンパイルし,
- dviout あるいは,xdvi というプレヴューアで画面やプリンタに出力する
という手順を踏みます.初めはややっこしく感じるかも知れませんが, 文書の「見かけ」と「内容」を分離して作業できる点や, 一括して「見かけを変更」したり,高い精度で文字の位置を決めたりできる点は, 印刷屋さんへ回す組版原稿のレベルにあります. また,上記の3つのステップは,統合した環境として実現されていますので, 慣れるとまったく違和感なく使えます.
私の使う Emacs での LaTEX 環境 [08/27/2006]
1. Linux 環境について
VineLinux 3.1CR, 3.2 を普段使っていますが,ディスクトップは, GNOME Desktop 2.4 で,エディタは,Emacs 21.3.1 です.今では,Linux も数多くのディストリビューションがあり, この環境は決して新しいものではありません. VineLinux は,本年度中には,4.0 へとバージョンアップしますが,基本的には安定志向のディストリビューションです.
2. Emacs 環境について
VineLinux では,Emacs をインストールすると,同時に YaTeX(やてふ:野鳥) という LaTEX 支援環境が使える状況になっています. LaTEX のコマンドをうろ覚えでも入力補完してくれ, コマンドの部分を違う色で示してくれます.
… 続きは「私の使う Emacs での LaTeX 環境」へ
↑「数独」と Sudoku のアクセント [8/21/2006]
前回,正書法辞典(Duden Die deutsche Rechtschreibung.) 第24版に日本語の「数独」から入ったSudoku が採録されていることを指摘した際に
>この記載が正しいなら,「スードク」と発音することになる. 本当かな?
と書いたが,付属の CD-ROM をインストールしたところ, なんと Sudoku の項目には,このように … 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑第24版 Duden 正書法辞典到着 [8/15/2006]
2006年7月22日にDudenverlag から Die deutsche Rechtschreibung. (24. völlig neu bearbeitete und erweiterte Auflage) が発売になった.これは,8月1日から発効された 「2006年版新正書法」の参照されるべき辞典として登場した. 私は,CD-ROM 付きを購入(25,50 €) したが,CD-ROM が付かない辞典との差額は, 5,50 € にしかすぎないので付いているものを購入した方がお得だ. ちなみに CD-ROM を単体で購入すると19,95 € だ. Windows 2000/XP, Mac OS X, Linux で使える Office-Bibliotheik Express (Version 4.1) が付属し, その上で,正書法辞典をひくことができる.およそ1万語には,音声データも付属する.
さて,今回の辞書の特徴を簡単にまとめると:
- 2006年新正書法対応
- およそ13万語の見出し語(23版よりも,約5000語増のはずだが,なぜか帯には,新語3000語増と書いてある)
- 4色刷りとなり,黄色の網掛けをしてある表記は,いくつかの選択肢がある場合,Duden のお薦めの書き方
- いわゆる「新正書法」での表記は,赤字で示されている
- 青のインフォメーションボックスで,(表記上)難しい語や制限のある語を説明している
- 正書法規則(Rechtschreibung und Zeichensetzung)が全文掲載されており, 本文中での表記箇所では,青で参照ページが記されている
手始めにLeid/leid のインフォメーションボックス (Informationskästchen) を一部分比べてみる. … 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑やっと夏休み,でもネコが... [08/08/2006]
8月5日のオープンキャンパスが終わり,ようやく夏休みモードに入った. 夏休みというと,バカンスというわけにはいかず,たまっていた読みかけの本や論文を読んだり, 書きかけの論文をなんとかする季節だったりする. 普段,ちらかし放題になっている部屋をなんとか整理するのもこの季節の課題だ. フランスにいるドイツ人の友人からは,もう夏も盛り(Hochsommer) を過ぎたというメールをもらい,うーん,こっちはようやくこれから夏だ, と返事をした矢先に,とんでもない事態が生じた.
庭の物置きの中に,見捨てられた子猫が2匹発見されたのだ. … 続きは「雑多情報」へ
↑ジダンの「頭突き」と「ヘディング」 [7/13/2006]
FIFA ワールドカップサッカーの決勝戦,フランスのカリスマ的サッカー選手, ジダン(Zinédine Zidane) が, イタリアのマテラッツィ(Marco Materazzi) に 対して「頭突き」をくらわした.マテラッツィが侮辱的な言葉を3度発したのに 対してジダンが反応したものだと言われている.この事件そのものの良し悪しに コメントする気はないが,「頭突き」は暴力.だからもちろんスポーツ選手とし て,やってはならないことだ.しかし同時に,言葉も暴力となる という側面も忘れてはならない.当人同士はすでにマスコミで語っているが, 真相は,おそらく当事者の2人にしかわからないだろう.言語媒介行為 (perlocutionary act) の成立は,話しかけられた当人の 心の中の状態を結果としてもたらすのだが,それは,その場の状況を再現しても, なお第三者にとっては特定できないものだからだ(発話行為論を復習しましょう).
さて,ドイツ語の話.この事件で,「ジダンの頭突き」はどのようにマスコミで 表現されただろうか? … 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑「表計算ソフト」との一ヶ月 [7/06/2006]
気がついてみると,ほとんど表計算ソフトを使いまくる一ヶ月だった.
学会の開催校だったり,また研究会関係の事務仕事を引き受けていたり,
ある種の公式文書の提出を求められたり,とにかく毎日,表計算.
そう,Windows では,Excel,
普段使っているLinux 環境では,
OpenOffice.org Calc を使っていた.
基本的に,私は表計算ソフトは嫌いだった,そして,今でも正直言って,
あまり好きではない.なぜか?
… 続きは「雑多情報」へ
「本当のことが知りたい!」 vs. 「本当のことなんて知りたくない!」[06/22/2006]
久しぶりに,日曜日の「サンデー・モーニング」の「風をよむ」を見ていたら, 今は「本当のことなんて知りたくない!」という人が多いのではないか,という発言が出ていた. その背後にある考え方は議論されなかったのだが,確かにそうかもしれない,と考えた. つまり,次のような思考回路である.
(1) 現代社会では,本当のことを知るためには,大変な苦労・労力が必要だ.
(2) それだけ苦労して「本当のこと(と思えること)」を発見しても,
それが(実生活に)役に立つわけではない.
(3) 「本当のこと(と思えること)」は,しばしば大きな矛盾を含んでいて,
絶望するのがオチである.
もちろん,これ以外の回路も存在するだろうが,典型的に私の思い浮かべたものは,このようなものだった.
実は,私は若き頃,「(あなたは)なんのために生きているの?」という質問を最愛の人から尋ねられたことがある.答えは, … 続きは「雑多情報」へ
↑「ゲルマン魂」は »Kampfgeist« か?[06/07/2006]
学会の折に,突然,「先生,そういえば,『ゲルマン魂』は »Kampfgeist« ですよ」と声をかけられ, ぎょっとした.私の頭の中での瞬間的反応としては, Ja! だったので当惑しながらも,しばし心の中では <違うぞ,ありえない>と思いつつ,反論の準備をした. »Kampfgeist« とは, Kampf (≈ fight, battle) と Geist (≈ spirit) の合成語なので,「闘魂」(≒ファイティング・スピリット)のことだ.
しばし冷静さを取り戻し,「ゲルマン魂」という言葉に戻って考えた. … 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑「ゲルマン魂」ってドイツ語でなんていうの [05/27/2006]
先日,サッカーに関する石井学氏の講演を聞いた時のこと. 講演の中で,石井氏は,「大和魂」という言葉と合わせて,「ゲルマン魂」 という言葉を使った.講演後,たまたまその場に居合わせた K氏から, 「『ゲルマン魂』って,ドイツ語でなんて言うんですか?」と尋ねられ, 私はちょっと考えた.私の答えは,「そんな表現,ありませんよ.」 というもの.ドイツ語と付き合い始めてから,「ゲルマン魂」 に類する表現に出会ったことはない.だから,とっさにそう返事してしまった.
そこで,さっそく講演者である石井氏に直接尋ねてみたところ, … 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑♨ ああ,悩ましき文字コード ♨ [5/18/2006][5/19/2006]
先月書いたページの一部の文字が読めない(「豆腐」になっている),というクレームが来て調べたところ, Internet Explorer 6 では, ISO10646 (UNICODEと同等) で定義されている音声記号(Phonetic Extensions, Range 1D00-1D7F)が, HTML character entity として参照できないことが判明した. Character entities references in HTML 4 を参照したり,そこからリンクされている ISO10646 関係のサイトをさまよい,ようやく事態が分かってきた. そこで,問題の文字は,Firefox で表示されたものを, グラフィックとして張り込んだのだが, 今度はグラフィックの表示される位置が微妙に上にずれてしまい,表示位置を調 整してもFirefox ではうまくいっても, Internet Explorer 5.5 ではうまくいかないことが分かった. (Internet Explorer 6なら OK.[5/19/2006]) その結果は,… 続きは「雑多情報」へ
↑教育基本法改悪を憂う[5/05/2006]
Heinrich Heine
Ich hatte einst ein schönes Vaterland....
Ich hatte einst ein schönes Vaterland.
Der Eichenbaum
Wuchs dort so hoch, die Veilchen nickten sanft.
Es war ein Traum.
Das küßte mich auf deutsch, und sprach auf deutsch
(Man glaubt es kaum
Wie gut es klang) das Wort:»ich liebe dich!«
Es war ein Traum.
Aus: Gutenberg-Projekt, http://gutenberg.spiegel.de/heine/gedichte/hh000077.htm
教育基本法が変えられようとしています.考えていることをまとめてみました.
詳しくは「だまらん for 教育問題」へ
今年度の情報を追加[5/03/2006]
↑サイボーグ社会の到来[4/26/2006]
4月24日,普段まともにテレビを見る時間などないのだが,NHK総合テレビで プレミアム10「立花隆が探るサイボーグの衝撃」 (22時 〜 23時30分)を見てしまった.その内容は確かに予想を超えた衝撃であると同時に, 予想通りでもあった.評論家・ジャーナリストとして活躍中の立花 隆氏は, 2005年10月から東大大学院総合文化研究科科学技術インタープリター養成プログラム特任教授 だが,そこでは,ゼミ生との共同作業を通じて SCI(サイ) というWeb site を立ち上げており, そこでNHKの番組で紹介しきれなかった情報などを発信している. 4月24日(月)の番組は,実は,2005年11月5日から始まって全4回のNHKスペシャル 「サイボーグ技術が人類を変える」として放映されたものの番外編(?)だった.
衝撃的だったのは, 脳・コンピュータ・インターフェース (Brain Computer Interface; BCI) の予想をはるかに超えた発展にある.人間の神経を流れる電気信号を機械で受け取ったり, 機械装置からの電気信号を人間の神経へ流したりする「神経インターフェース」 が現実のものとなってきた.番組では,例えば… 続きは「雑多情報」へ
↑エスツェットって何だ?[04/20,25/2006]
1. 最初の疑問と,その答え
ドイツ語を学び始めて最初に出会う文字の中で,3種類のウムラウトの付いた母音 (ÄäÜüÖö) とエスツェット (ß) という文字は不思議な存在だ. ウムラウトの付いた母音は,変音 (Umlaut) したという印が母音の上の「テンテン」 (¨) で, 実際に手書きで書く時には,縦長の2本の線として書く. 音の変化を表わした文字ということで,ウムラウトについては一件落着なのだが,エスツェット (ß) は何者か,という疑問に答えていない入門書,文法書が多い.そこでまずこれから答えることにする.
エスツェット (ß) とは, エス (s) と (z) という文字の 合字(ごうじ,あわせもじ:Ligatur)だ. 2つの文字を合体させて1つの文字としたものなのだが, エスという文字は,現在広く使われている (s) ではなく「長いエス」(langes s) と呼ばれる ( ſ ) と… 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑『言語進化とはなにか ことばが生物学と出会うとき』[新刊紹介][04/10/06]
野村泰幸氏の編集,訳,解説付きの『言語進化とはなにか ことばが生物学と出会うとき』 (本体1890円+税)が大学教育出版から出版された. 原稿段階から通読させてもらった本がこうして日の目を見るのはうれしいものだ.本書は, Christiansen, Morten H. and Kirby, Simon (eds.) (2003) Language Evolution. Oxford: Oxford Univ. Press.の中から,3編を 和訳し,解説を付けたものだ.その3編とは:
Steven Pinker "Language as an Adaptation to the Cognitive
Niche."
James R. Hurford "The Language Mosaic and its
Evolution."
Natalia L. Komarova and Martin A. Nowak "Language, Learning
and Evolution."
原書の17編の論文すべてを和訳したら,相当ぶ厚い本になり,その分, 高価な書物になってしまっただろう.現実的な選択として,この3編を選んだのは妥当な選択だったと思うし, … 続きは「雑多情報」へ
↑[ネットという非現実,ネットという現実][03/31/06]
3月29日にネットの言語データを使った研究発表をした.
これに関しては,いろいろな裏話があるのだが,あまりに内容が雑多なので,
雑多情報に押し込めるしかないと思い,その一部をここに書くことにした.
話題としては,
(1) 「ネットは特殊な非現実ではない」
(2) 「OpenOffice.org の Impress を使ってみた」
(3) 「今回の発表内容に関して」
の3つだ.
(1) 「ネットは特殊な非現実ではない」
ネットに広がる言語データの位置づけの話をする時に,
うっかり「現実世界のデータではなくサイバースペースのデータである」,
とような説明をしてしまったが,考えてみるとこれはまずかった.
ネット世界は,仮想空間であっても,これも一種の現実だからだ.
… 続きは「雑多情報」へ
Linux でも OCR を使うぞ![03/20/06]
OCRとは,Optical Character Recognition の略.「光学文字認識」と訳されている.スキャナで読み取るデータは,基本的に画像イメージなので, たとえオプション機能でPDF に変換してくれるソフト付きのスキャナであっても,データとしては, 画像イメージのPDF化でしかないことがある. 最近では,このようなソフトウエアにOCR 機能を持たせているものもあり, 画像イメージから文字認識をして,文字コードに変換してくれる.こうすれば,文字から成る文書として, 全文検索の対象になる.
元来,文字認識は,パターン認識(Pattern Recognition) の一種で, コンピュータ処理としては,かなり高度なものに属する. 以前は,Omnipageとか, Recognita のような優秀だが非常に高価なソフトウエアと高分解能スキャナが前提とされていた. しかし,近年では,Windowsソフトウエアで, 日本語と英語に対応したOCRがお手頃な価格で出回っているし, スキャナの価格は劇的に下がり,性能も十二分に高くなった.
だだし,日本語と英語以外の言語に対応した,いわゆる多言語対応製品となると, それほど選択肢は多くない.2006年3月現在で, 市販されているものではOmniPage Pro 15(62,800円), CROSS OCR JX(15,642円)は,9カ国語に対応する. Presto! OCR Proは,欧米15カ国語対応で 14,800円だったが,今はすでに販売を終了している.
しかし,Linux上で動くOCR ソフトというのはあまり聞いたことがない.そこで,今回は,2006年3月現在での Linux上のOCRソフト探しと, その結果をまとめてみた. 日本語対応のOCRソフトは, 発見できなかったことをまず最初に明記しておく. … 続きはLinuxのページへ
↑新しくなったマイスター(Meister neu)[03/13/06]
独和辞典の中でも,ヴァレンツ理論を組み入れた辞書として1992年に登場し た大修館の「マイスター独和辞典」が新しくなり,2006年3月1日に発売になっ た.日本語名は,「新マイスター独和辞典」,ドイツ語名は,MEISTER Neu Deutsch-Japanisches Wörterbuch.だ.いくつかの基礎データで比べてみると:
サイズ(WxDxH) | 重さ(g) | 総ページ数 | 見出し語数 | 和独語数 | 値段(円)+税金 | |
旧 | 134x187x39 | 746 | 1788 | 6,5万 | 5000 | 3786+114 |
新 | 122x187x34 | 612 | 1583 | 8万 | 8000 | 4200+210 |
中味ではなく,外見で判断することに抵抗感のある人もいるだろうが,
このように比べてみると,何が変わったのか,おおよその見当がつく.
ある意味で驚くべき結果なのだ.
ドイツ語見出し語が1,5万増え,
和独の見出し語が3000増え,幅が12mm減り,総ページ数が205ページ減り,
重さも134g軽くなっているのだ.
… 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
[また新しくなる(?)「新正書法」 (Neue Rechtschreibung): [03/05/2006]
追加修正[03/6,7/2006], 追加修正[03/8/2006]2006年2月27日,ドイツでは1つの衝撃的なニュースが報道された. タイトルにもあるように,またまた「新正書法」が改訂されるようなのだ.
2006年3月6日追加情報[★3月9日修正]
正確な情報は、
Kultusministerkonferenz のサイト、あるいは、
Rechtschreibrat のサイトからたどって、
Regeln (PDF-Datei, ca. 3 MB) と、
Wärterverzeichnis (PDF-Datei, ca. 1.1 MB) と、
Bericht des Rats(PDF-Datei, ca. 550kB)
をご覧下さい。(2006年3月8日に2つのファイルが変更されました!)
例えば,German Newsの2006年2月27日
版では,Empfehlung des Rechtschreibrats
としてその概略が伝えられた.
以下は私の意訳:
「一年間の協議のすえ,正書法に対しての協議会は,
本日ベルリンで,正書法改革の修正のための勧告書を文部大臣会議に提出した.
今週中に,文部大臣会議では,
この勧告を2006年8月1日からの学校の新学期に間に合うように導入するかどうかを決定する.エルトズィーク-ラーヴェ
(Erdsiek-Rave)議長によれば,これはおおいにありえ
ることのようだ.修正案の重点は,分かち書きと続け書きである.この修正案に
よれば,再び多くの動詞が続け書きされるようになる.前バイエルン文部大臣
ハンス・ツェヘットマイァ(Hans Zehetmair)の座長の元で,
全ドイツ語圏からの専門家を交えた協議会は,一年間の協議を経て,
1996年に決まった正書法改革の特に議論の多い部分に対しての改善提案を作成し
たものだ.」… 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
「遍在」と「偏在」,そしてubiqitous[03/03/2006]
日本語で文章を書く時に,コンピュータを使用すると,漢字変換にお世話になる. ぱぱっと入力して変換,手書きで書くときよりもはるかに速く文章は完成する. いや,完成するように見えるだけかもしれない. 音声として脳の中を駆け巡る言葉を,変換操作によって文字という形に確定する. その際,日本語では表音文字ではなく表意文字が用いられているため, 確定された文字は音声との直接対応を離れ, 「意味を表わす形」(=表意文字)へとジャンプするのだ.あたかも, デリダの脱構築を地で行くかのように,言語の中心が音声ではなく文字中心に展開する時だ.
何が言いたいかというと,「漢字変換を間違いました」ということと, その背後で起こったこと(お粗末). マイクロチップとユビキタス・コンピューティング:本当にこれでいいの? を書いたとき,うっかりubiqitousを「偏在」と変換し 満足(?)してしまった.おそらく一瞬のことなのだが, 変換後に出てきた文字の形を見て, 「多分,これだったな」と思って確定してしまった.正解は, もちろん「遍在」.文字が小さくて分からないという人のために, 拡大版を表示させると:… 続きは「雑多情報」へ
↑NHKトリノ・オリンピック総集編を見て[02/28/2006]
17日間に及ぶトリノ・オリンピックが終わった.
ほとんどオリンピックをテレビで見る機会がなかったので,
「NHKトリノ・オリンピック総集編」を途中から見た
(気がつくのがちょっと遅かった).
荒川静香の金メダル獲得の話はニュースでやっていたので,
それ以外の競技を見たかったのだが,あまりにも日本人選手中心の編集なので唖然としてしまった.
冬季オリンピックで初めての黒人選手の金メダル獲得の話,
インド人のスキー選手の話はあったが,とにかく日本人選手ばかり.
0.04秒差で日本人選手が4位だった,とやっておいていったい誰がメダルを取ったのか,まったく紹介しない.
冬季オリンピックの最後の最後を飾るアイスホッケーの優勝チームを知りたかったのだが,
… 続きは「雑多情報」へ
マイクロチップとユビキタス・コンピューティング:本当にこれでいいの?[02/25/2006]
コンピュータ技術との関連で一躍有名になった「ユビキタス」
"ubiquitous" という言葉.
本来の意味は,「同時に複数の場所に存在すること」.
日本語では,「遍在する」(訂正)とか訳されている.
物質の世界では,厳密に言えば,本来あってはならない事態だ.
つまり,「1つの物(=token) が,同時に複数の場所に存在する」というのは,ありえない.
唯一の例外は,これまで「唯一神」(God)だった. 「遍在する神」"ubiquitous God" とキリスト教では言われてきたが,その意味するところは,「神はどこにでもいる」"omnipresent" ということだ.唯一神のはずなのに,あそこにもいれば,ここにもいる,同時多発的(?)に存在してしまう,というのだ.
--- 中略 ---
しかし,コンピュータ技術は,第2の「ユビキタス」な存在を作り出してしまった.それは,「情報」である.
唯一であるはずの特定の「情報」が,世界に遍在することを実現しているのだ.
しかも,世に言う「ユビキタス・コンピューティング」は,
マイクロチップの出現とともに加速しつつある.
今回は,この「遍在情報社会」(Ubiquitous Information Society)の問題点を考えてみたい.
… 続きは「だまらん for コンピュータ関連」へ
おやっ,と思った2つの発見[02/14/2006]
(1)
2006年2月11日の朝日新聞に,
ドイツやその他のヨーロッパ地域での大雪に関する記事が載っていた.
写真も付いており,そこには大きく
Vorsicht Dachlawinen
と書いてある看板と,雪下ろしをしている人の姿が写っていた.
Lawineとは,「雪崩(なだれ)」のこと.
Dach(屋根)から落ちてくる大量の雪なので,
Dachlawineというのは納得ができる.が,しかし,
なぜ複数形にしなければならないのか? もちろん,
「雪崩」が何回も起こることを前提としているならば,当然複数形にしてよいのだが,看板に書く言葉としては,
Vorsicht, Dachlawine!でよいはずだ.
ちょっと気になったので辞書で調べてみると,なんと
… 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
大Duden CD-ROM 版[02/07/06 追加情報]
(1) 手元にWindows版, PC-Bibliothek V.2.0の Langenscheidts Großwörterbuch Deutsch als Fremdsprache があったので,早速, Office-Bibliothek V.4.0に 辞書として追加できるかどうか試してみた … 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
↑Google mapsの与えた衝撃[02/04/2006]
このところ,あちこちでGoogle maps (http://maps.google.co.jp) が話題となっている.ただ目的地の地図を表示するだけでなく, 衛星写真でも同じ場所を見ることができる.しかも,十分,反応も速い. みんなが,まずやってみることは,自分の住所を入力して, 自分の住んでいる場所が衛星写真でどのように見えるかを確認することのようだ. 結果は衝撃的である.なぜなら,自分の家,あるいは住まいが衛星写真から判別できるからだ.
次の瞬間,多くの人の脳裏をかすめるのは, 「見られている」という不安ではないだろうか.住所さえ分かれば, どんなところに住んでいるのか,「見て確認できる」からだ. もちろん,現在の衛星写真の解像度からすれば,庭にある犬小屋… 続きは「雑多情報」へ
↑大Duden CD-ROM 版[01/31/2006]
「ドイツ語の辞書で最も大きなものは何?」と尋ねられたら, それは,「Jacob Grimm(1785-1863), Wilhelm Grimm(1786-1859) による Deutsches Wörterbuch だ」と答えるのが正解. グリム兄弟と言えば,「グリム童話」しか知らない日本人が大部分だろうが, ドイツ語の最大級の辞書を作った,いや,構想して作り始めた2人としても有名だ. 1854年に第1巻が出版されたが,Wilhelm Grimm は, D まで,Jakob Grimm は, 第4巻の最初の方のFrucht まで書いたところで他界してしまった. その構想を引き継いだ後世の学者が,この辞書を完成させたのは 1960年,32巻(およそ32万の見出し語)に及ぶ. 実に百年以上かかって完成されたものだ.これだけでも感服してしまうが, この辞書は,2004年にDer Digitale Grimm としてCD-ROM 化されたのだ. これも,またものすごい偉業である(このデジタル版辞書に関しては,また別の機会に).
では,「現代ドイツ語の辞書で最も大きなものは何?」と問われたら,Duden のDas große Wörterbuch der deutschen Sprache. (1999年10月)だ.赤の紙表紙の10巻本で,見出し語はおよそ20万語.俗に, 「大Duden」とか, 「赤Duden」, 「青Duden」と呼ばれていた(その時々の紙表紙の色から). この大Dudenは,すでにかなり前から CD-ROM 化されていたが,今回は, 3つのOS(Betriebssysteme)に対応した版が出た,というので購入してみた. … 続きは「ドイツ語あれこれ」
↑新たなPDGへ向けて[01/23/2006]
PDG の出版から2年がたとうとしています. これまでPDGを利用してドイツ語を教えた方, あるいは,学んだ方からさまざまな意見をいただきました. まずはお礼申し上げます.
いろいろな反応がありましたが,その中で目立ったものをまとめると:
… 続きは「Prolog zur DG」へ
既存メディアが伝えない情報[01/14/2006]
昨年の11月に講談社から クーリエ・ジャポン(COURRiER Japon)という雑誌が発売になった. 月に2冊というペースで出版される雑誌.そのキャッチフレーズを引用すると:
「世界は日本をどう見ているのか」 「日々起こる世界中のニュースを、海外の現地メディアはどう報じているのか」。 クーリエ・ジャポンはこの双方向の視点をコンセプトに、 フランスの週刊誌『クーリエ・アンテルナショナル』と提携。 全世界1000メディア以上の有力メディアから記事を厳選し、 日本の既存メディアが伝えない情報を月2回お届けします。 ワインから戦争までをカバーする「地球サイズのニュースマガジン」。 それが、クーリエ・ジャポンです。
「日本の既存メディアが伝えない情報」という部分
にたいそう魅力を感じて,これまで出た4冊の内,3冊を購入.
さて感想:
(1) 確かに世界のさまざまなメディアから発信されている情報が載っているという点で,
アメリカ中心に情報発信している日本の既存メディアとは違う印象を受けた.
ただし,… 続きは「雑多情報」へ
rootkit をCDに入れた人,rootkitの入ったCDを知らない人たち[01/10/2006]
いつものように音楽CDをパソコンで聴こうと, CDをCDドライブに入れ, 音楽を聴いた.すると,本人が知らないうちに,パソコンの管理者権限を 利用した<ほとんど個人では削除できない>プログラムがインストールされ, そのCDのメーカーに個人情報が自動的に送信されていた. そんなことが実際に起こってしまった.
あなたは,海外から
http://www.sonymusic.co.jp/xcp/のリストに載っている音楽
CDを買っていませんか?
もし買っていて,それをWindows PCで再生したことがあるなら,
あなたのPCには,rootkit
が仕掛けられてしまっています.XCP
と呼ばれる「コピープロテクト」の入ったCDをPC
で再生するのは,目下のところ危険です.
… 続きは「だまらん
for コンピュータ関連」へ
Harry Potter 第6巻(ドイツ語版)[01/04/2006]
ドイツ語版のHarry Potterシリーズ第6巻は,
2005年10月1日に
Carlsen Verlagから
Harry Potter und der Halbblutprinz
というタイトルで発売になっている.
その冒頭の文が英語の原文と比較して,ちょっと面白い:
… 続きは「ドイツ語あれこれ」へ
LANTANKに手を出してしまった...[12/31/2005]
アイ・オー・データ機器といえば,コンピュータの様々な周辺機器を製造販売している会社で, 昔はシャープのMZシリーズ向けのボードなんかも出していたので愛着があります (私は,昔,MZ-80Bユーザだったので). そこからのPCパーツブランド「挑戦者」なるものが出ていて,一部でかなりの人気になっています.
私は,つねづねデータのバックアップ体制が自宅で確立されていないことが不安でした. そこで,バックアップ専用のコンピュータ導入を検討していたわけです. 候補としては,(1) 玄箱(玄人志向),(2) LANTANK(アイ・オー・データの通称 「白箱」,正式名称(SOTO-HDLWU)),(3) miniPC(MP915-B, AOpen JAPAN),(4) Mac mini(Apple Computer)あたり.
結局,一番安いLANTANKを選択しました(1万9800円).
決め手は,その安さと,『日経Linux』(2006年1月号)での特集を読んで,
できそうだという感触を得たから.メーカーからのサポート無し,HDD無しの
NAS(Network Access Storage) ですが,
同社のサポート有りのLANDISK
と互換性がある(というか,ほとんど同じ).
自作に自信がない人はLANDISKを購入しても,
同じような使い方ができるのも見逃せません.
私は,本体を挑戦者オフィシャルホームページ
から注文し,
… 続きはLinuxのページへ
この冬にやって来た果物4種[12/25/2005]
果物には様々な大きさのものがある.例えば,リンゴ.日本のリンゴは, ヨーロッパで普通目にするリンゴに比べて,大きい. ちょっと大きいというよりは,倍以上大きい.なぜそんなに日本のリンゴは大きいか,というと, それは品種改良の結果であろうと想像している.がしかし, なぜヨーロッパやアメリカのあの「かわいいサイズ」 (ポケットに入れても邪魔にならないサイズ)のリンゴが日本に入ってこないのか? それは,輸入が制限されているからだ.国内リンゴ農家の保護, という理由があるのだろう.日本から出たことがない人たちは,リンゴは, あの日本のサイズが当たり前だと思っている.「井の中の日本人,世界のリンゴを知らず」ということか.
さて,今回は,この冬に我が家にやって来た4種類の果物を紹介する. 鬼柚子(オニユズ),愛宕梨(アタゴナシ),X-洋梨(ヨウナシ), 筑波ミカンなのだが,洋梨だけは正体が分からなかった(だから,「X-洋梨」と呼ぶことにする). 4種の果物の内、3つは異様に大きい.「大きければ良い」,「甘ければ良い」 というものでもないと思うのだが,これも日本的発想と関係があるのだろうか? … 続きは「雑多情報」へ