jok's page

<-- junji okamoto

cosmos
HOMERESEARCHEDUCATIONLinuxLaTeXet cetraPDGDamaranDEUTSCHENGLISH

[ThinkPad X31 ハードディスク・クラッシュ事件]

  1. [序論]

    もちろん事件といっても、私的なできごとです。2005年8月26日(金) の午後に起きました。 翌日にひかえたオープン・ キャンパスで使う音声資料をきちんと再生できる環境を作ろうと、 alsa-driver をコンパイルし、 波形とフォルマントを表示でき、さまざまな編集や逆転再生が可能な SND-7 http://ccrma.stanford.edu/software/snd/からダウンロードしてインストール。 *.wmaファイルがあることに気づき、 mPlayerのコンパイルをしている最中に事は起こった。 台風11号が過ぎ去った午後、気温は急激に上昇しているにもかかわらす、 熱い部屋の中でハードディスクを酷使してしまった。気がついた時には、 ハードディスクの異音。やがてフリーズ。リブートしても、 fschk で固まってしまう(別パーティションのWindows XP も立ち上がるのだが、しばらくするとフリーズ)。
    ハードディスクのクラッシュは、毎度のことではあるが、やはりショックは大きい。 よりにもよって、明日に講義が控えているというのに…。

  2. [用意したもの]

    (1) Knoppix 3.9 Live CD(日本語版)、(2) USB フラッシュメモリ(1GB)、 (3) 新しいハードディスク、(4) IBM リカバリーCD。   

  3. [バックアップ]
      

    1.1. Knoppix 3.9 Live CD を使ってブート(ウルトラベース+CD-ROM Driveを使用)。
    1.2. root shell をたちあげる。
    1.3. /etc/fstab の内容を見て、マウントするドライブパーティションを確認。
    1.4. USB フラッシュメモリ(1GB)を挿入。 マウントしてから、 右クリックして「動作」モードを read only から writable に変更。
    1.5. 生きているファイルを救出。 (最近のメールの一部、どうでもよい写真データなどが失われたが、 それ以外のデータは、ほぼバックアップできた。)
    感想:
    ◎ Knoppix 3.9 Live CD は便利。 ただ、アイコンをクリックするたびに CD-ROM を読みにいくので遅い。 ルートシェルからコマンドで作業すると一瞬で終了するのでお勧め。
    ◎◎ 久しぶりにUSB フラッシュメモリを購入したが、1GB(USB 2.0)で、9,800 円だった(メルコの RUF-C)。 2年前に、同社の256MB(USB 1.1) は、7000〜8000円 していた。
    ◎◎◎ 壊れ始めたハードディスクは、無理をせずに慎重にバックアップすること。 (熱い場所で長時間やるのではなく、涼しい場所で。振動を与えないように。などなど)
    ◎◎◎◎ Knoppix でたち上げた後は、Windows のファイルも読めます(私は、 Windows 環境に大事なデータは全くないのでちらりとのぞいただけでやめましたが)。

  4. [IBM リカバリーCD の注文]

    クラッシュしたのが金曜日の午後だったこともあり、翌週の8月29日(月)に、 電話でリカバリーCD の注文をした。  ThinkPad も「レノボ」という会社に売られてしまったので、 若干心配だったが、応対に問題はなかった。
    ThinkPad ThinkCentre BIOS・ドライバーサービスセンターの Web ページをあらかじめチェックした結果 「マシンタイプ、モデル、シリアル番号」 を尋ねられることを確認してからの電話だった。
    私のマシンタイプとモデルは、2672-C2J だったが、 それ用のリカバリーCDの価格は、7,350 円。 ファックスで確認書をもらい、その日の内に銀行のATMで入金。 入金確認の後,翌日発送するとのことだった。実際に、8月31日(水)には、 リカバリーCD が到着した。5枚のCD-ROM が入っていた。 (レノボ・ジャパンの BIOS・ドライバーサービスセンターは、IBM の大和事業所の中にあるらしい;-)

  5. [HDDの取り出し、新しいHDD の装着]

    ThinkPad X31のハードディスクは、ネジ一本を外すだけで取り出せてしまう。 取り出したあと、固定用の別のネジを左右1本づつ外し、 カバーとなっている部分の固定ネジを2本はずすと、 ハードディスクが丸裸になる。その結果、私の X31 には、以下の仕様の Travelstar が使われていたことが分かった。
    40GB 4200RPM, ATA/IDE
    Model: IC25N040ATMR04-0
    5V 1.0A DC
    Seek time 12ms
    26AUG 03

    IBM と HITACHI の合弁会社が作っていたこともあり、 両者の製品番号が付いているし、今は無き URL (www.hgst.com)も書いてある。今では、 Hitachi Global Storage Technologies から製品情報を検索できる。
    8月30日には、地元のパソコンショップで、 2.5インチの新しいバルクの ハードディスクを購入した。 それほど品揃えはないので、あまり迷うことはなかった。
    Travelstar 80GB 5400RPM, ATA/IDE
    Model: HTS548080M9AT00
    5V 1.0A DC
    AUG-05

    倍の容量で若干回転数アップ、 たぶんキャッシュ容量もアップという結果になった。 購入価格は、14,259円、メーカー無料保証は、2006年6月までだそうだ (購入後、10か月ということ)。ハードディスクのタイムスタンプを見ると、 前のハードディスクは、ちょうど2年で壊れたことになる。
    ハードディスクの物理的装着は極めて容易だった。メーカーもサイズ(高さ9.5mm)も同じだったので。

  6. [リカバリーCDx5]

    「リカバリーCD使用上の注意」という説明書がついていたが、 肝心の CD で起動した後の状態に関してはほとんど書かれていない。書いてあるのは、
    「リカバリー・メニュー画面で、適切なオプションを選択してください。」
    「リカバリー処理の完了のメッセージが表示されるまでお待ちください。」

    で、結局分かったこと。1枚目のディスクからブートし、 メッセージに従って 5枚すべてのCD-ROM を順に入れていく。 これだけで、1時間30分位はかかった。 IBM 「Disk to Disk」と Windows XP Pro が導入されるが、 圧縮されたファイルをそのまま作業領域にコピーし、pkunzip が解凍し、 適当なディレクトリに配置し、インストール作業、設定作業をし、 何個かのソフトのインストールをした後に、再起動する。 結局、時間の測定をしなかったが、3時間ほどかかったように思う。途中でのぞいてみると、 jre-1.4.1のインストールをしていたり、最後の方では、 Windows XP のインストールがほぼ終わった段階で、FAT32 を NTFS にコンバートしていたり。 こんなに時間がかかるとは思わなかったので、8月31日は、これで終了。

  7. [WINDOWS UPDATE だ!]

    翌日は、朝早くからネットに接続して、WINDOWS UPDATE をする予定だった。 しかし、最初にアップデートを要求してきたのは、Norton Antivirus だった。 これも一度にはできずに、3〜4回の再起動を要求。その内に、 WINDOWS UPDATEも3つほど入るが、最終的には、その他に、 29ものアップデートファイルを実行することになった。最後にもう一度、再起動。
    新しいハードディスクがかわいそうになったので、 およそ90分に渡るアップデートの終了で、休憩となった。

  8. [Partition を切ってようやくVineLinux3.1のインストール]

    Partition Commander で、Windows XP を 36,400MB の Partition(hda1) に押し込める。 Partition Commander には、System Commander が付属しているので、 それもついでにインストール。空いた領域に VineLinux をインストールし、 Partition Commander で、hda2(/boot) をブート可能にして終了。 再起動すると、なんかlogin 後のGnomeで、カーソルがうまく制御できない。 調べてみると、
    /etc/X11/xorg.confのマウスのセクションを、 書き換えると直るらしい情報をネットで発見。

    Option "Protocol" "IMPS/2"

    Option "Protocol" "GlidePointPS/2"

    に書き換えてX の再起動。これで、何とか使える状況に復帰。 後は、 apt-get update;apt-get upgrade で69個のアップデートを行い、一応インストール作業は終了。

  9.    
  10. [バックアップファイルを戻す]

    最後に、USB フラッシュメモリに退避したファイルを書き戻して終了。 (ただし、vfat に書いたものなので、圧縮せずに書き出したファイルは、 chown とかchmod が必要)。 終わってみて、samba サーバを立ててバックアップした方が簡単だったかも、 と反省。でも、一週間で復活したので、「良し」とするか…。
    感想:
    @ 以前のVineLinux2.6 からアップデートして使い込んだ環境とは微妙に動作が違う (xorg.conf のマウスの設定も以前は不要だった)。
    ◎◎ ThinkPad シリーズの問題なのか、 トラック・ポイントをレジューム後にすぐに触るとフリーズする。 acpiを殺し、apm にしているせいか、usb がレジューム後に死んでしまう。 ehci-hcd, usb-uhci, hid などを一度、rmmod ではずしてから、 murasaki を再起動すると直るのだが…。
    それにしても、世の中、ハードディスクにあふれているけれど、 大丈夫なのかなあ(こわれるよ>ALL)。
    ◎◎◎ 体感的には、かなり処理速度が速くなった気がする。 dmesg を見ると:

    hda: 149468657 sectors (76528 MB) w/7877KiB Cache, CHS=9303/255/63, UDMA(100)
    

    となっていた。7MB のCacheが効いているのか。 hdparm でさらにチューンアップできそうだ。 ただ、今までより、 ハードディスクの回っている音がかすかに聞こえるのが気になる… (「サー」っと音を立てています)。


  このページの先頭へ戻る

  LINUXのページのトップへ戻る