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aspellでLaTeXのドイツ語文書をスペリングチェック(VineLinux 3.1)[07/19/2005]

  1. VineLinux 3.1の場合:

    対象となる aspell は、RPM パッケージ aspell-0.50.3-0vl8.i386.rpm をインストールしたものです。aspell の使い方や注意事項は、 すでにこちらで説明しています。 ここでは、LaTeXのドイツ語の文書を、スペリングチェックすることが目標です。 結論から言うと、emacs 21.3.1からも、gnome-console からも、ISO-8859-1 のLaTeX のテキストのスペリングチェックが可能です。

  2. emacs 21.3.1の設定

    /usr/share/doc/aspell/man-html/manual.html にあるマニュアルを見てみると、

       The easiest way to use Aspell with Emacs or Xemacs is to add this line:
       (setq-default ispell-program-name "aspell") 
       to the end of your .emacs file.
    
       For some reason version 3.0 of ispell.el (the lisp program that
       (x)emacs uses) want to reverse the suggestion list. To fix this add
       this line: 
        (setq-default ispell-extra-args '("--reverse")) 
       after the previous line in your .emacs file and it should solve the problem.
    
       Ispell.el, version 3.1 (December 1, 1998) and better, has the list
       reversing problem fixed. You can find it at
       http://www.kdstevens.com/~stevens/ispell-page.html.  
       

    となっています。
    (1) .emacs.elに、aspell の設定行を加える。
    (2) ispell.el のバージョンが古い場合には、 (setq-default ispell-extra-args '("--reverse")) .emacs.elに加える必要があるようです。

  3. (1) 各自のホームディレクトリにある.emacs.el に、 (setq-default ispell-program-name "aspell")
    を加えて、emacs を再起動させておきましょう。

  4. (2) ispell.el は、VineLinux3.1 では、 /usr/share/emacs/21.3/lisp/textmodes/ispell.el にありますが、バージョンを確認しておきます。
    ;; Stevens Revision: 3.4
    ;; Status : Release with 3.1.12+ and 3.2.0+ ispell.
    となっているので、そのままで大丈夫です。

  5. ここでは、すでにこちら で 紹介したように、 aspell-de-0.50-2.tar.bz2 がインストールされた 状態であることを前提とします。
    emacs (21.3.1) でのスペリングチェックは、メニュー選択でも可能です。 簡単におさらいしておくと:
    iso-8859-1で書かれた適当なドイツ語の文章を用意して、 Tools(「ツール」)→ Spell Checking(「スペリングチェック」)→ Select German Dict(「ドイツ語」)を選び、 Tools「ツール」→ Spell Checking(「スペリングチェック」)→ Spell Check Buffer(「バッファ」) を選択する、という手順です。
    ただし、これでは、LaTeX のコマンドは、英語なの ですべて引っかかってしまいます。

  6. 対策:
    ispell-extra-args.emacs.elで利用して、TeX モードにしてしまいましょう。
    .emacs.elに、まず、
    (setq-default ispell-extra-args '("-t")) を加えて、emacs を再起動させておきましょう。

  7. 以前に使った、Menschenrechte.texという素材を利 用します。これは、inputenc.styを使って iso-8859-1 で書かれたファイルをそのまま利用し ています。結果は、このように なり、無事に成功です。これは、スペリングチェックで最初にひっかかった 単語をハイライトしています。直前の、\begin{document} は素通りし、unveräußerlichen をハイ ライトしています。
    ●注意(1):ここで使われるコマンドは、ispell のものです。 ですから、修正しないで先に進むのには、スペースバーを使います。
    ●注意(2):aspell が、ispell の互換モードで動いている訳ですが、 辞書は、新正書法にしか対応していません。
    ●注意(3):ウムラウトをダブル・コーテーションで表わす Babel や german.sty で使われる記法は、aspell ではサポートされていません。



  8. コンソールで動かす

    基本的には、辞書の言語を指定(ドイツ語は、例えば、de)して、TeX もモード を選択し( -t )、ファイル名を指定すれば OK です。ただし、その前に、 コンソールの端末文字コードをISO-8859-1 にしておくのを忘れずに! (Gnome terminal なら、[端末]→[コード]→[追加と削除]で、西欧 (ISO-8859-1)を追加しておきます。そして、[端末]→[コード]で 西欧 (ISO-8859-1)を選択します。)
    そして:

      [hoge@orara mat]$ aspell -c --lang=de -t Menschenrechte.tex
      
    結果は、このようになります。

    コマンドのヘルプの部分が大きいので、こちらの方が見やすいように思いまし た。(さて、ここで問題:次にスペリングチェックでひっかかる単語は何でしょうか?)

  9. 感想:
    (1) 旧正書法の辞書が aspell では提供されていないのが、残念です。
    (2) ウムラウトをダブル・コーテーション記法がサポートされていないのも残念。
     時代は、もうウムラウト文字を特殊扱いせずに、直接入力したテキストを 相手にするように変わりつつある、ということでしょうか。iso-8859-1 のテキストなら問題ありませんが。
    もっとも、aspell の辞書を作ってしまうとか、ispell を 設定を変えて、 tarball でインストールしてしまう、という手もあります。今の状態だと、 ドイツ語に関しては、ispell の方が(スペリングチェックの性能は別にして) わたしには好都合だったと思えてしまいます。上の2つの問題に対応できていましたから。


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